5 お金の力 師匠を動かす!
スライディング土下座の意味とは?(笑)
リーゼお姉ちゃんは土下座したまま動かない。
「えーと、……」
困っていると、メイお姉ちゃんがクスクス笑いながら言った。
「リーゼさんとても反省しているみたいよ、しーちゃん」
「メイお姉ちゃーん、これ、どういうこと?」
「先日は大っ変、ご迷惑おかけいたしました!」
土下座姿勢のままリーゼお姉ちゃんが叫ぶように言う。
── はて、ご迷惑……?
「あーーーーーー!! あれかー!」
思わずぽんと手を打った。いろいろあったからすっかり忘れてたよ!
「ていうか、リーゼお姉ちゃん顔上げてよ。それから椅子に座って。迷惑かかったのはあたしより母さんだし、母さんはあれ全部返品しちゃったからうちはなんともなってないんだからさ」
「リーゼさん、とりあえず椅子に座ってはどうですか? しーちゃんもこっちに来て」
メイお姉ちゃんがそう言ってくれて、リーゼお姉ちゃんもやっと立ち上がると大人しく椅子に腰かけてくれた。顔はうつむいたままだけどね。
── コレは相当言乃花お姉ちゃんに絞られたんだね、きっと。
「ていうか、どうしてうちにあんなにたくさん荷物が届いたの? そもそもあれ、何だったの?」
リーゼお姉ちゃんは小さな声で答えた。
「れーちゃんに教えてもらったお人形ハウスをどうしてもお迎えしたくて、芹澤に頼んでソフィーちゃんのタブレットから注文できるようにしてもらったの。わたしのだとうまくいかなくて……。それでそのサイトを見ていたら全部欲しくなっちゃって……」
「……あー、……」
あのお人形ハウスのシリーズって、結構出てるんだよね。ハウスだけでも何種類かあるし、お人形もかなり種類があったはずだ。しかも着せ替えグッズや家具、お店や小物類も別売りでいっぱいあるから、全部っていうと……。
「リーゼお姉ちゃん、お金持ちだね……って、そんなことはどうでもいいや。それで、あのお人形たちはどうなったの?」
「それがね、」
突然ガバッと顔を上げたリーゼお姉ちゃんはポロポロと涙を流し始めた。ビックリしていると、
「なんとか学園長に頼み込んで引き取ることは出来たんだけど、『迷惑料はもらわないとね』って言われてほとんどのお人形やハウスは取られちゃったのー!」
そう叫んで机に突っ伏すリーゼお姉ちゃん。
「え? 取られたって学園長お人形なんかどうするつもりなの?」
「『僕がきちんと有効活用してあげるからね』ってものすごーく嬉しそうに言われた! あんのクソ学園長ー!」
そう言ってジタバタと足を動かしているリーゼお姉ちゃん。
「じゃあ、お人形は全部取られちゃったの?」
「大きなお人形ハウスのセットと、うさぎの家族の人形は返してもらったんだって。赤い屋根のお家すごくかわいいね。お人形も小さいのにちゃんと手足が動くし。みんなリーゼさんのお部屋で仲良く椅子に座ってるよ」
メイお姉ちゃんがそう言って教えてくれた。
「あたしの家に届いたのはなんで?」
「それは……しーちゃんがここに来るときに持ってきてもらおうと思って……」
「いや、そんなにいっぱいどうやって持ってくるの!? 両手で持てる量じゃないでしょ!」
「そこは、芹澤に協力してもらって……ね」
「……リーゼお姉ちゃん、師匠の弱みでも握ってるの? 師匠が自分の研究以外のことに協力するなんて考えられないんだけど」
── なーんか、あやしい!
「そこは、その……芹澤の研究に資金提供する代わりにちょっと手伝ってもらっただけよ」
── 金持ちおそるべしっ!
あまりのことに、あたしはしばらく思考放棄してしまった……。
── リーゼお姉ちゃんには気をつけよう、そうしよう。
現在一章を改稿中です。
しーちゃんの初転移のところをしーちゃん視点に書き直しています。また、しーちゃんがいない裏の回は学園Side として、言葉を柔らかくしています。小学生でも読めそうなくらいを目指してます。
良ければ読み直してみてください。現在17話まで終わっています。
それではまた、2週間後にお会いしましょう!




