3 妄想はほどほどにね!
「魔法かぁー、使えたらいいよね。空を飛んだり呪文を唱えていろんなことができたり……」
上を見上げて動きを止めたれーちゃん。
── あーあ、また始まっちゃったね。
あたしは問答無用でれーちゃんの背中に、
げしっ。
と肘を食らわせた。
「あいたっ」
「れーちゃん。またやったね?」
「ご、ごめんなさいー。つい楽しくなっちゃって」
「はい? 何が起こったのですか?」
ビックリしている美桜ちゃんに、
「あのね、れーちゃんって興味のあることが見つかるとすーぐ妄想モードに入っちゃって戻ってこなくなるんだ。そのまま放っとくとずーっと動かなくなるから、あたしがこうやって現実に戻してあげてるんだよ」
と説明しているとソフィーちゃんが近づいてきて、
「しーちゃん、いきなり暴力はよくないよ」
と注意されちゃった。
「ソフィーちゃん、ありがとう。でもね、想像し始めちゃうと止まらなくなるのは私の悪い癖なの。自分では止められないから仕方ないかな」
「れーちゃん妄想モードに入っちゃうと全然声が聞こえなくなっちゃうんだよ。ちょっと触ったくらいじゃ戻ってこないから、この方法が一番効くんだよね」
「そうなのですね。ならば美桜も遠慮なくいくのです!」
「いや、美桜ちゃんは加減してね」
「美桜ちゃん、優しくしてあげてね。美桜ちゃんが同じことしたられーちゃんが怪我しちゃうよ」
美桜ちゃんがやったらシャレにならないので、あたしは慌てて美桜ちゃんに突っ込みを入れた。
「むう。ソフィーちゃんに言われては仕方ないのです。気をつけるのです」
ぷうっと頬を膨らませて言う美桜ちゃん。
── いや、あたしの注意も聞いてね?
「ソフィーちゃんはこの後どうする? あたしは師匠のところに行くけど。れーちゃんはまた図書館だよね?」
「そうね。美桜ちゃんを図書館に送ってからしーちゃんのところに行こうかな」
特別寮の前であたしたちは別れて、あたしだけ師匠のところに向かった。美桜ちゃんはソフィーちゃんと手を繋いで、れーちゃんと一緒に図書館へ向かっていった。
「師匠、来たよー!」
「おお、わが弟子よ。よく来たな」
実験室に入るといつも通りの師匠がいた。
「ねえ、師匠。昨日誰か来ましたか?」
早速昨日のことを聞いてみたんだけど。
「誰かとは誰のことだ?」
師匠は不思議そうな顔で聞き返してきた。
「えっと、あたしたちみたいに別の世界の人来ませんでしたか?」
「何のことだかわからないな。別の世界ということは我が弟子たちが遭遇したという肉体を持たぬ異世界人のことを言っているのか?」
「はい。昨日の夜シュリーアさんたちがこちらに転移したはずなんですけど」
「何だと? 昨日? それは重要な情報だが、その異世界人は他の人には見えないと言っていなかったか?」
「そのはずなんだけど、昨日学園長がビデオ通話に出て姫様たちをこっちの世界に送ってほしいって頼まれたんです。この実験室の横に出る門で送ったんですけど、会いませんでしたか?」
「ふむ。学園長ならばその異世界人が見えたとしても不思議ではない。だが、私はそんな話は聞いていないし残念ながら会ってもいない。そのような興味深い実験素材を私が見逃すはずがないではないか!」
そう言って高笑いを始める師匠。おかしいな、とは思ったけれど、師匠は学園長が姫様たちと会ったことも知らないみたいだ。
── これは、後で学園長に聞いてみるしかないね。
「だったら師匠、新情報聞いてくれますか?」
「うむ、ぜひ聞かせてくれたまえ! 君の情報は貴重だからな!」
あたしは昨日の夜の出来事を師匠に伝えた。
昨夜はシュリーアさんたちと話した後に、あたしはちょーっとやらかしちゃったんだ……あはは。
それはね……。
シュリーアさんたちが転移したことを師匠は知らないようです。
さて、しーちゃんが話した内容は?
気になる方は本編へ、ゴー
古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlister. Save the princesses of Emulia. ─
https://book1.adouzi.eu.org/n5917gw/78/
それでは、また2週間後にお会いしましょう!




