1 姫様たち、学園長に招待される?
次の日、あたしはれーちゃん家でのお泊まり会が楽しみで朝からワクワクしていた。
朝はれーちゃんとあたしの母さんたちと一緒に博物館で発掘調査の説明会に行き、ファミレスでランチのあと、ホームセンターで花火を買った。大っきな打ち上げ花火があったんだけど、
「うちの庭は狭いから無理だよ」
ってれーちゃんに言われて買えなくて、ちょっとがっかりした。
れーちゃんのうちで手巻き寿司を食べて、夜は花火。そこになんと、シュリーアさんたちも来て面白そうに見ていたよ!
シュリーアさんたちは思念体っていうあたしたちの世界では幽体みたいな感じで来てるんだ。よくわからないんだけど、思念波を感じ取れる人にしか見えないらしくって、れーちゃんのおじさんもおばさんも全っ然気付いてないんだ。ちょっと面白かったのはないしょ。
あたしたちが貯めることになった思念波は、レイアーナさんたちが自分たちの世界に帰るのに必要なエネルギーなんだって。あたしとれーちゃんはその思念波を使って、近い内に起こる大地震を止めようと思ってるんだ。
シュリーアさんたちと会うのは今日で二回目だから、地震のこととか詳しい話を聞くつもりだった。ゆっくり話せるのは寝る前だと思って夜に来てもらうように頼んだんだけど……。
二人とこれから話し合いをしようと思ったところで、いきなりあたしのスマホが鳴ったんだ。
「うわ、びっくりしたー。あれ、この音なんだっけ?」
スマホの通知には、
『ソフィーからビデオ通話の申し込みがありました。通話しますか?』
と書かれている。
「うわ、ソフィーちゃんからだ。えー、今なのー!?」
『シイナ、友達からの連絡なら出れば良い。急ぎかも知れないだろう。我らは構わぬ』
「れーちゃん、どうしよう?」
「ソフィーちゃんからでしょう? 今日は行けなかったし、後でかけ直してって言えばいいんじゃない?」
「なるほど、そうするよ」
あたしは通知をタップしてアプリを開くと、ビデオ通話を開いた。
『こんばんは、しーちゃん』
「こんばんは、ソフィーちゃん。ごめん、今ちょっと忙しいからまた後でかけ直してくれる?」
『え? そうなの? 今日はね、学園長がしーちゃんに話したいことがあるって言うから学園長も一緒なんだけど、それならまた後でかけ直すね』
「うん、ごめんね」
そう言って通話を切ろうとしたら、
『もしもし、こんばんは詩雛くん。少し話したいことがあるんだけれど、そこに怜奈くんもいるよね。二人とも映るようにしてくれるかな。用事はすぐに済むから忙しいときにごめんね』
「え? わかったけど……どうしよう、れーちゃん」
「んー……たぶん、レイアーナさんたちは映らないんじゃない? とりあえず机の上に置いてみたら?」
「そうだね」
あたしがスマホを机の上に置くと、レイアーナさんとシュリーアさんもスマホの画面を覗き込んだ。
『なるほど。この小さい画面でも動画通信ができるのか』
『御姉様、それよりもあちらの方、人、なのですわよね?』
「あはは、ソフィーちゃんはうさぎの人形だけど、 生きてるんだよ」
『ん? しーちゃん、そこに誰かいるの?』
ソフィーちゃんが首をかしげていると、隣から学園長が、
『やあ、はじめまして。不思議な方々』
と話しかけてきた!
『え? 学園長不思議な方々って何のことですか?』
「学園長、見えるのー!?」
『ふふ、僕を誰だと思ってるのかな? あのね、ソフィーちゃんに連絡してもらったのは君たちのところに別の世界からの来訪者が来ているって聞いたからなんだ。詩雛くん、君たちの話し合いが終わった後でいいから、異次元回廊を開いてもらえるかな? 彼女たちを学園に招待したいんだ。場所は芹澤の実験室前でお願いでしたいんだけれど』
「え? それはいいけど、でもあたし忘れちゃうよ?」
『大丈夫、彼女たちは覚えているからね。それじゃあ、たのんだよ』
そう言うと、ビデオ通話は切れてしまった……。
なんと、学園長がレイアーナさんたちを招待しちゃいました!
一体どうなるんでしょう?
今回の物語は、
まりんあくあの代表作 タイトル変更しています
「古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlister. Save the princesses of Emulia. ─ 」
の、64話めとリンクしています。
https://book1.adouzi.eu.org/n5917gw/64/
それでは、また二週間後にお会いしましょう!




