17 図書館の不思議な案内役
迷宮図書館探検は今回でおしまいです。
しーちゃんたちは、無事戻れるのかな?
「むむ、もう見つかってしまったのです。おねーちゃん、どうして魔法が使えないのです? おかげで帰れないのです!」
『何を言っているの。迷宮図書館は貴重な本を管理するための場所なのよ? あなたが魔法を使ったら、本が駄目になってしまうわ』
「そんなことないのです! ここは学園なのですよ? 魔法の勉強をする場所なのですから美桜だってちゃんと魔法を使えるに違いないのです!」
『そういうことはきちんと魔力をコントロール出来るようになってから言いなさい』
言乃花お姉ちゃんのため息が聞こえた気がした。
「それよりも、ここからどうやって帰ったらいいのです? これでは帰り方がわからないのです」
『大丈夫よ、ちゃんと迎えを送ったから。そろそろそちらに着くはず』
すると、本棚と本棚の間から透明な青い羽の蝶が金色の光を撒きながら飛んできた。
「あ、この蝶見たことがあるよ。言乃花お姉ちゃんの魔法だよね」
『その子に付いてくれば戻って来れるわ。しーちゃん、れーちゃんからの伝言よ。そろそろ戻って宿題の続きをしないとまずいと思う、ですって』
「げ、ヤバい。すっかり忘れてたよ。母さんが戻って来るまでにやっとくはずだったっけ。美桜ちゃんごめん、急いで戻らないとあたしが母さんに怒られる!」
「宿題なら美桜と一緒にすればいいのです」
「そんなわけにはいかないよ。自分の世界のこと調べてるんだもの。さすがにここにそんな資料はないと思うよ」
『調べてみなければわからないけれど、かなり時間がかかるでしょうね。……ああ、美桜。まだ探検したりないのなら一人で続けていてもいいわよ。魔法は使えないから帰りたくなったら呼びなさい』
すると美桜ちゃんがぷーっと頬をふくらませた。
「一人で探検しても面白くないのです。……仕方ないですね、今日は初めてなのでここまでにしておくのです。さあソフィーちゃん、しーちゃん、帰るのですよ」
青い蝶の後に続いてぐねぐねした通路を歩いていくと、ようやく入口が見えてきた。れーちゃんと言乃花お姉ちゃんがいる。れーちゃんが手を振ってくれたので、振り返した。
「お帰り、しーちゃん。そろそろ戻って続きをしないと……」
「うん、絶対母さんに怒られる。早く戻ろう。言乃花お姉ちゃん、ソフィーちゃん、美桜ちゃん、またね!」
「しーちゃん、また明日も会えるかな」
「ソフィーちゃん、また通話してよ。その時に相談しようね」
あたしとれーちゃんは言乃花お姉ちゃんにお礼を言って、ソフィーちゃんと一緒に迷宮図書館を出た。さりげなく一緒についてこようとした美桜ちゃんは、しっかり言乃花お姉ちゃんに捕まって、
「美桜。あなたとはゆっくりお話しないといけないわよね?」
「あ、ああー! あの、美桜は荷物の片付けをしに食堂に戻らなければいけないのです」
「ええ、そうね。後で一緒に片付けましょうね」
問答無用に図書館に戻されていった。
「美桜ちゃん、大丈夫かな?」
心配そうに言うれーちゃんに、ソフィーちゃんがくすくす笑いながら答えた。
「ふふ、きっといっぱい怒られるね。戻ってきたらクッキーを出してあげることにするね。しーちゃんもれーちゃんも、もう戻らないといけないんだよね?」
「うん。ちょっと長くいすぎたから急いで戻るよ」
「宿題の途中で来ちゃったから、急いで続きをしないと」
少し早足で特別寮まで戻るとソフィーちゃんが、
「ちょっと待っててね」
と言って中に入っていった。すぐに出てきたソフィーちゃんは、小さな紙包みを二つ手に持っていた。
「これ、今日のお茶にしようと思っていたクッキーよ。これ食べてがんばって宿題してね」
ぽいっ
「ディメンションズゲート クローズド」
扉を急いで閉じて、あたしとれーちゃんは靴を玄関に戻すと、それこそ一心不乱に自由研究の続きをまとめ始めた。
「ああ、ソフィーちゃんの優しさがお腹にしみるよ」
「そんなことよりしーちゃん、ここだけど……」
「うん、うん……あ、そういえばさ、……」
この後、衝撃の事実が発覚するんだけど、この時のあたし達はソフィーちゃんの待たせてくれたクッキーをほおばりながら、必死で自由研究の続きに取り組んでいて何も知らなかった。
その事実に気が付いたのは、夜、ソフィーちゃんから通話があった時だった……。
美桜ちゃんのお説教地獄は、ま、自業自得ですよね(笑)
さて、衝撃の事実とは? 二週間後をお楽しみに!
待ち切れないよー! と言う方は、ぜひ
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でもオッケー。まりんあくあのやる気スイッチが入ります!
それではまたお会いしましょう!




