14 姉妹げんかとまさかのデジャヴ
言乃花のお説教回、再び……?
「美、美桜は別に何もしていないのです! 学園長にお姉ちゃんを早く家に返して欲しいなんて頼んでいないのですよ」
なんだか早口で必死に言ってるけど、美桜ちゃんそんなの言乃花お姉ちゃんに通じるわけないでしょう……。
呆れて様子を見ていると、言乃花お姉ちゃんの周りに黃緑色の光が見えた。すぐに消えてしまったけれどあれはきっと魔力の光だ。師匠が魔法を使う時にも黄色の光が見える時があるからね。すると、美桜ちゃんからも桃色の光がうっすらと見えた。
── やっぱり美桜ちゃんも魔法が使えるんだ。いいなー、後で鍛錬の仕方教えてもらおう、そうしよう。
「美桜、あなた無理を言って連れて来てもらったんじゃないでしょうね?」
「だーかーら、お姉ちゃんが帰って来ないのがいけないのですー!」
「あ、あの、すみません二人とも落ち着いてくれませんか?」
すぐ隣で姉妹げんかを始めたのを見て、最初はおろおろしていたれーちゃんが、勇気を出して割って入った。
── れーちゃんってこわがりだけど、変に肝の座ったところもあるんだよね。
手が震えているのに必死で二人を止めようとしている。
「そうですよ。けんかしたら、め、ですよ!」
いつの間にかソフィーちゃんがスタスタと歩いていき、言乃花お姉ちゃんたちの座っている机の前に立つと、グッと右手を突き出して怒っていた。
「ごめんなさいソフィーちゃん」
「ソフィーちゃん、ごめんなさいなのです」
二人が素直に謝るのを見て、れーちゃんもほっとしたように胸をなでおろしていた。
「ところでこの人は誰なのです? 美桜は知らないのです」
「あら、しーちゃんに聞いていないの?」
「あはは、美桜ちゃんをびっくりさせようと思ってたら、予想外の結果になっちゃったよ」
私がごまかし笑いをしながら言うと、れーちゃんがジト目で言った。
「しー・ちゃ・ん、それ、しーちゃんがちゃんと説明していたらけんかにならなかったんじゃないの?」
「いや、それはどうかなー。あはは」
チラッと言乃花お姉ちゃんを見ると、笑顔にはなってるけど、うん、目が笑ってない。れーちゃんも言乃花お姉ちゃんを見て納得したように頷いた。
「美桜ちゃん、彼女はあたしの大親友のれーちゃんだよ」
「なんと、それではあなたも異世界の人なのですね! これはお友達にならなくてはいけないのです。はじめましてなのです、椿 美桜というのです。しーちゃんと同じ十才なのです。よろしくなのです」
「は、はじめまして。守川 怜奈、九才です。よろしくお願いします」
「れーちゃん、私の妹よ。美桜に何かされたら、遠慮なく私に言ってね」
「お姉ちゃん、ひどいのです。美桜は悪いことなんか少ししかしないのです!」
「あー、やっぱり少しはするんだね……」
その時、ソフィーちゃんがくすくす笑い出した。
「ふふ、なんだかにぎやかになりそうね。みんな仲良くしましょうね」
……なんだろう、ソフィーちゃんは普通に話しているだけなのに妙に説得力があるよ! けんかするつもりはないけど、あんまり余計なことはしないようにしようっと。
「それで、美桜? あなたどうしてここにいるの?」
「美桜はお姉ちゃんに会いに来たのです。学園長が学園見学に誘ってくれたのです。しばらくは学園にいるのですよ」
「そう、学園長が……」
『また何か企んでいるようね』って考えてるのがわかった。れーちゃんにも伝わったのか、首をかしげている。
「それでれーちゃんは、ここで何をしていたのです?」
「この世界のことが知りたくて、本を読んでいたの」
「れーちゃんは読書が趣味なんだよ」
「う、私とは違うタイプのようなのです……はっ、忘れていたのです。美桜はここに来たら迷宮図書館を探検したかったのです!」
── あははー、なんだろう、すごいデジャヴを感じるよ!
美桜ちゃんとしーちゃん、似たタイプの二人が揃ったら……波乱の予感しかしません(笑)
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それでは、また二週間後にお会いしましょう。




