12 美桜ちゃんに出会っちゃいました!
しーちゃんと美桜ちゃんが出会いました。
これからどうなる?
「やっぱりいたのです!」
なんとなく聞き覚えのある声に振り向くと、実験室の入口に女の子がいた。サラサラのおかっぱ頭に星型のヘアピン、くりくりと大きな目、クリーム色の半袖ブラウスに紺のキュロットスカートとキュートな見た目。画面越しに何度も見たあの子だ。
「え、美桜ちゃん?」
「はいなのです。しーちゃんを見つけたのです!」
「え? ていうか、どうしてここに?」
「こんにちは、しーちゃん。お邪魔するよ」
美桜ちゃんの後ろから学園長が入ってきた。
「あ、学園長お邪魔してます……ってことは、学園長が美桜ちゃんをここへ?」
美桜ちゃんは大きめのボストンバッグを肩からかけている。
「ふふーん、美桜にはお見通しなのです! 夏休みの今、しーちゃんは絶対に学園に遊びに来るに違いないのです。それにお姉ちゃんは忙しいと言ってなかなか帰ってきてくれないから美桜はつまらないのです。退屈な夏休みは嫌なのです。そう思っていたら学園長が見学に誘ってくれたのですよ。これでしばらくはお姉ちゃんと一緒に過ごせるのです!」
そう言うと美桜ちゃんは飛び跳ねながらぐるぐると駆け回り始めた。早すぎて見ていると目が回りそうになって、慌てて目を逸らしたよ!
勢いのある子だとは思ってたけど、これ人間のスピードじゃないよ、やっぱり魔法が関係してるのかな……ちょっとうらやましいかも。
なんて思っているうちに学園長が話し始めた。
「せっかくの夏休みなのにこちらの都合でなかなか帰省させてあげられなくて申し訳ないからね。しばらく美桜くんを学園見学ということで預かろうという話になったんだよ。詩雛くんはもう顔見知りだと聞いていたから、きっと仲良くやってくれるだろうと思ったんだけど、どうかな?」
── ふ、そんなの答えは決まってるよね!
「すっごく嬉しいです! はじめまして、美桜ちゃん。会えて嬉しいよ!」
「こちらこそよろしくなのです。会えて嬉しいのです! さあ、こうしてはいられませんよ。時間は有限なのです。しーちゃん、行きますよ!」
そう言うと美桜ちゃんはサッと手を握ってきてそのまま駆け出そうとする。
「わー、待って。ちょっと待って、美桜ちゃん! 師匠ーーー!」
がしっ。
「あれ、おかしいのです。体が動かないのです」
ふう。危なかったよ!
師匠が美桜ちゃんの肩をしっかりと押さえて動きを止めてくれていた。サンキュー、師匠!
「美桜くん、我が弟子をいきなり拉致しようとするのはいただけないな。急がば回れということわざがあるだろう」
すると美桜ちゃんは急にしゅんとして、
「ごめんなさいなのです。お姉ちゃんに早く会いたくてつい夢中になってしまったのです。ところで、しーちゃんは玲士お兄ちゃんのお弟子さんなのですか?」
と聞いてきた。
「そうだよ。あたしの世界には魔法ってないから、師匠に教えてもらってるんだよ」
「なんと、しーちゃんも魔法が使えるのです? それはぜひお手合わせをお願いしたいのです!」
「あー、ごめん。まだちゃんと使えたことないんだ。なんかね、いっつもどっかーんしちゃうんだよねー」
「どっかーん、ですか? それは魔力暴発しているということなのですか? それはどんどん使って体を慣らすといいのですよ。だから美桜は毎日鍛錬しているのです。そうすると少しずつコントロール出来るようになるのです。冬夜お兄ちゃんやレイスお兄ちゃんも毎日やっているのですよ」
「へえー、鍛錬かー。そこ、詳しく教えてよ」
「それはですね……」
「詩雛くん、私は少し別の用事ができたので君は美桜くんと行きたまえ。明日、また続きにかかろう」
「あ、師匠ごめんなさい。つい美桜ちゃんとおしゃべりしちゃいました……あれ、学園長は?」
「戻られたぞ。忙しい方だからな」
気が付くと学園長の姿は影も形もなくなっていた。毎回思うけど神出鬼没だよねー、もう慣れたけどね!
ふふ、美桜ちゃんも加わって、これからもーっと楽しくなりそうだよっ!
美桜ちゃんとしーちゃんがついにご対面。
これからもーっと楽しくなる予感しかしません(笑)
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それでは、また二週間後にお会いしましょう!




