6 今日も行っくよー!
二人で三回目の転移、今回はどんなことになるのか……?
今日は朝からあたしの家でれーちゃんと待ち合わせだ。なんかね、古墳の中にあった棺を開けるらしいんだけど大っきな機械を入れて作業するんだって。危ないから調査が終わるまで来ちゃだめって言われて、それまでは家で宿題の続きをすることになったんだ。棺の中からはすっごいお宝が見つかるかもしれないっていうから楽しみ!
それにさ、これはいいタイミングだよ。家にいるほうがれーちゃんといっぱいおしゃべりできるからね。あたしたちには大災害を防ぐっていう大事なミッションができた。しかも父さんにも母さんにも内緒で進めなくちゃいけない。だってバレたら絶対反対されるよ、危ないからやめなさいって。
このままだとみんな死んじゃうかもしれない、しかもその大災害を防ぐために思念波を集めなくちゃいけない、なんて説明したら受容体をあっさり取り上げられてジ・エンド確定になるか、全然信じてもらえないかどっちかだよね。
昨日の夜、あたしはすっごい夢を見た。実はこの頃毎晩不思議な夢を見てたんだよね。宇宙船の中? にいる夢だったり、周りが騒がしくて怖い! って思ってる夢だったり。変な夢だとは思ってたんだけど、昨日の夢ではっきりしたんだ! そのことを早くれーちゃんに伝えたくてうずうずするよっ。
そんなことを考えている間にれーちゃんが到着。早速二階のあたしの部屋で作戦会議だよっ。途中で母さんの襲撃があったけれどなんとかかわすことができた。情報交換をしてどんな災害が起きるのか調べるために自由研究をする計画に見事巻き込むことに成功。グッジョブあたし!
夏休みの宿題もできて災害への対策も練れる一石二鳥のファインプレー!
そして早速相談を始めたところで携帯が鳴った。ソフィーちゃんからのビデオ通話だ。
「しーちゃん、遊びに来ない?」
「行く行く! 待っててねー!」
だけど難題だったのはいかに母さんに気づかれずに靴を取ってくるか。運良く母さんはキッチンでお昼ご飯の準備中で無事靴をゲットしてスタンバイオーケー。よーし、行っくよー!
「ディメンションズゲート、オープン!」
ぽいっ。実験室前に着いたられーちゃんが、
「ねぇしーちゃん、どうして特別寮前でなくてこっちに来たの?」
「もっちろん師匠に用があるからだよ」
「それって、あのことを相談するつもり?」
「当っ然!」
「……全部忘れちゃうのに?」
「それはそれ。だって、せーっかく新しい力を手に入れたかもしれないんだよ? ぜひとも検証しなくちゃ!」
鼻息荒くそう言うと、れーちゃんがため息を吐いた。
「はいはい、立派な弟子だね……ねえ、それ、あたしもいないとだめ?」
「そりゃいてくれたら嬉しいけど……ねえ、れーちゃん何かそわそわしてない?」
「え? き、気のせいじゃない?」
はっ。ピーンとキタよ!
「れーちゃん、迷宮図書館に行きたいんでしょう」
「あはは、なんのことかなー」
思いっきり棒読みだし! はあ、あたしもため息を吐くと言った。
「わかったよ。んじゃ実験が終わったら迎えに行くからソフィーちゃんにも伝えといてよ。ゴーグル受け取りに行くでしょう?」
「え、いいの?」
みるみるれーちゃんの顔が明るくなる。
── あーあ、地雷踏んじゃったかなあ。ま、いっか。れーちゃんはれーちゃんなりに調べたいことがあるんだろうな。
「んじゃ、また後でね」
「うん、わかった。あ、しーちゃん実験は程々にね。またリーゼさんが来ちゃうよ」
そう言うとあたしは師匠に会いに実験室の中へ。れーちゃんは手を振って階段の方へ向かっていった。
「さてと。……ん? 何か忘れてるような……げっ、やばっ!」
れーちゃんと話していてうっかり門を出しっぱなしにしていたことに気づき、慌ててあたしは門をしまうと、ガラリと扉を開けた。
「師匠、来たよー!」
「おお、わが弟子よ。よく来たな……む、何かあったのか?」
「うん! すっごいことがあったんだ! 師匠聞いてくれる?」
「ほう、新しいデータを提供してくれるというのか? それはぜひ聞かねばなるまい!」
師匠の眼鏡の奥の瞳がイイ具合にキラリと光った。
さあ、実験開始だよっ!!
まだ三回目なのに別れちゃって大丈夫なんでしょうか(笑)
今回の話は私の本編22〜27話とリンクしています。
良ければそちらも読んでみてくださいね。
本部はこちらから
https://book1.adouzi.eu.org/n5917gw/22/
それではまた二週間後にお会いしましょう。




