25 二つの世界の繋がりって?
今回で2章完結となります。
学園長がにこにこしながら話し出した。
「詩雛くん、その答えは『どちらでもある』というのが正解なんだ。というのはね、世界って実は無限に存在するんだよ。普通は一つ一つの世界は完全に独立して存在していて干渉しあうことはない。世界と世界の間には狭間の空間が存在していて、世界同士がぶつかり合うのを防いでいるんだ。その空間が存在するからお互いに別々の世界が干渉し合うことはないんだよ。ただね、この狭間の空間はとても不安定なもので常に動き続けているんだ。だから時々、世界と世界が急接近してしまうこともあるんだよ。例えば詩雛くんのいる世界がここにあるとする」
そう言って学園長はテーブルの右上の方を指さした。
「そして、今いる学園はこの辺りにあるんだよ」
次に学園長が指したのはテーブルの中央付近。
「これって、結構離れてるよね?」
そう確かめると学園長は、
「そうだね。でも狭間の空間を使うとこれくらい近くにまで寄せることが出来る」
そう言ってすーっと指を近づけた。二つの指が隣り合わせに並んでいる。
「離れていた世界が近づいたよね。でも、世界が近づいたからといって普通は何の影響もないはずなんだけれど、君たちのいる世界は少し特殊なようだ。感受性の強い人が多いようで、近づいた世界の様子を察知することが出来る人がいるみたいだね。その本を書いた作者もそうだよ」
「なるほどー。そう言われてみれば、異世界の物語ってめちゃくちゃいっぱいあるね。つまり、あたしたちの世界にはれーちゃんみたいに妄想爆発させてる人が他にもいーっぱいいるってことなんだね!」
「しーちゃん、今なにげにひどいこと言わなかった?」
れーちゃんがジト目で見てきたけど知らないフリをした。
「ここが物語の中の世界なのは、元々あった別の世界のことをあたしの世界の人が物語に書いたからってことなんだね」
「ねぇ、れーちゃん。その本読んでみたいのだけれど持ってきてもらうことはできるかしら?」
「わかりました。読み終わったらお貸ししますね」
「ありがとう。次に来た時は図書館でたくさんお話しましょうね」
「はい、よろしくお願いします」
うーん、れーちゃんと言乃花お姉ちゃんが仲良くなったのはよかったけど……なんだろう、なーんか嫌ーな予感がするよっ。
「ねぇ、しーちゃん。明日もまた来てくれるのよね」
「うん、ソフィーちゃん。しばらくはれーちゃんと毎日一緒だから二人でお邪魔するね」
「うふふ、楽しみにしているね」
「さて、それではそろそろ門を設置しようか。その前に怜奈くん、こちらへ」
そう言うと学園長がれーちゃんを窓際に連れて行き、何か小さな声で話しかけている。れーちゃんの表情からすると、たぶんあたしと同じように暗示をかけられてるんだと思う。元の世界に戻ったら学園のことは忘れちゃうんだよね。あたしはソフィーちゃんから連絡が来たら思い出せるんだけど、れーちゃんはどうなるんだろう?
そんなことを考えていると二人が戻ってきた。学園長が鏡を出すと、ソフィーちゃんと言乃花お姉ちゃんに「また明日ね!」と声をかけて鏡に飛び込んだ。
ぽいっ。鏡から飛び出ると博物館のベンチの側だった。急いで鏡を消して、ベンチに座った。
「あー、楽しかった! ね、れーちゃん。さっき学園長になんて言われたの?」
「あ、うん。学園のことを他の人に話さないようにおまじないをかけてもらったの」
「やっぱりそうかー。あたしもさ、学園のこと大体五分くらいしか覚えていられないんだよ。さっきみたいにソフィーちゃんから連絡が来たら思い出すんだ。ふふ、これからはれーちゃんと一緒に行けるね。たっのしみー!」
「それは楽しみだけど、しーちゃん。さっきは本当にびっくりしたんだからね! いきなり異世界に連れてかれたんだよ? もう今日はショックで寝られないかも……」
「あ、大丈夫。きれいに忘れちゃうから」
怜奈と再会したしーちゃん。これからは毎日学園に二人でお邪魔するようです。
次回3章ではまた新たな登場人物が。
これからもこのコラボ小説を応援してくれると嬉しいです!
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しーちゃんが登場する物語
「We are enlister. Save the princesses of Emulia. ─古墳に入ったら、異世界の姫様の協力者にされてしまったので、日本を救って異世界に転生します! ─」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n5917gw/
ソフィーが登場する物語
「絶望の箱庭~鳥籠の姫君~」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n3370hf/




