15 会いたかったよ、れーちゃん!
箱庭本編よりは少し先のお話です。
怜奈、詩雛の物語では3〜6話までの部分になります。
れーちゃんと目が合うとびっくりしたように目が丸くなって、それから嬉しそうに手を振り返してくれた。待ちきれなくて車の後を追いかけると、車の窓が下がり、
「しーちゃーん、久しぶりぃ! 会いたかったよー!」」
と大きな声で返事してくれた。そのまま走っていって勢いのまま車から降りてきたれーちゃんに飛びついた。
感動の再会の後、おじさんの案内で発掘現場に向かう。れーちゃんはあたしが来ることを聞いてなかったみたいで、すっごく喜んでくれた。バリバリインドア派のれーちゃん、あたしがいないと外に出なくなってもやしみたいにひょろひょろになってるんじゃないかと心配してたんだけど、意外にもちょっと茶色くなっててびっくりした。
相変わらずのショートボブのサラサラヘアに、笑うと線みたいに細くなる瞳。油断するとすーぐ頭の中が妄想全開になってどこ見てるのかわかんない顔になるよ。そんなときは問答無用に現実世界に戻してあげるのがあたしの役目だ。
あたしが半袖シャツにノースリーブのパーカー、ハーフパンツなのに対して、れーちゃんは薄手の長袖パーカー(たぶんUVカットのやつ)にデニムパンツという日焼け対策バッチリの格好をしている。色が白いれーちゃんは日焼けすると肌が赤くなっちゃうから、大体外にいる時はいつもそんな格好なんだよ。
発掘現場に着いたれーちゃんは早速瞳をキラキラ輝かせて穴の中を覗き込んでいる。
── これは妄想注意だよ!
結構深い穴の中で何人かしゃがみこんで土を掘っている。
── ち、まだお宝はないみたいだ、つっまんなーい。
れーちゃんは中の人が掘り出した破片を熱心に見つめている。もう妄想が膨らんできているのがわかる。あたしは肘を曲げていつでも現実世界に戻せるように準備していたんだけど、ジリジリと照りつけるようなあっっつい陽射しと、一向にお宝の見つかる気配がないことに先に音を上げたのはあたしの方だった。
「あぁ! もう、無ー理ー! 暑いし暑いし、土ばっかりでわけわっかんないしっ!」
ブチ切れてわめいたら、れーちゃんが気を利かせてくれて木陰に避難することになった。しばらく休憩してたら、穴の中で作業していたお兄さんが呼んでくれて、見つかった欠片の掃除を手伝わせてくれた。
── 面白かったけど、あんまりお宝っぽくはなかったよ……。
父さんたちと一緒にお弁当を食べて、午後からはあたしが発掘に飽きちゃったから博物館へ移動して待合室でおしゃべりをすることにした。待合室の端っこの方のベンチに腰かけていたら、スマホの着信音が鳴った。いつもとは違う音に、
── あれ? この音、誰からだっけ?
と思いながら画面を見ると、うさぎの人形の写真とソフィーの文字が目に入った。
「あれ、ソフィーちゃんからだ」
「え? ソフィーちゃんって誰?」
不思議そうに聞くれーちゃんは放置してアプリを開くと、珍しくビデオ通話ではなく普通の通話がかかってきていた。耳にスマホを当てて通話に出る。
「もしもし、ソフィーちゃん?」
「こんにちは、しーちゃん。冷たいスイーツを作ってみたの。今から来ない?」
「ええっ! うわぁ、いいなー。行きたい! でも今れーちゃんといるんだよね」
「うふふ、大丈夫よ。学園長が一緒に来てもいいって言ってたわよ。わたしもれーちゃんに会いたいな」
「ほんと? わかった。じゃ、行くから待ってて」
「ねえ、しーちゃん。行くってどこに?」
通話を終えてアプリを操作しようとしたられーちゃんが聞いてきた。
── そうだ、いいこと思いついた!
「ふ、ふ、ふ。れーちゃんビックリすると思うよ」
キョロキョロと辺りを見回して人がいないことを確認すると、あたしはさっと門を呼び出して行き先を指定。れーちゃんの手を掴むと言った。
「ディメンションズゲート、オープン!」
まりんあくあ本編をお読みの方は分かると思うのですが、れーちゃんが3話かけてあつーく語っている本編、しーちゃん主人公にするとこの一話で終わってしまいます(笑)
ここからのコラボは、本編と連動して進みますので、お楽しみに。
本編の宣伝です。
しーちゃんとれーちゃんが登場する物語
「WE ARE ALLY. SAVE THE PRINCESSES OF EMULIA. ─古墳に入ったら、異世界の姫様の協力者にされてしまったので、日本を救って異世界に転生します! ─」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n5917gw/
ソフィーが登場する物語
「絶望の箱庭~鳥籠の姫君~」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n3370hf/




