11 夏休みが始まるよっ
久しぶりのコメディー回来たー(笑)
ようやく本編に追いついて来ました。
師匠の検証に付き合ったあとは、ぐったり疲れてしまう。私が実験室の机でのびているとソフィーちゃんが来て、
「お茶の用意ができましたよー」
と声をかけてくれるのが、マジ癒し。
──ソフィーちゃんの声を聞くとすぐ復活できちゃうあたしって調子いいかな?
師匠に挨拶をして実験室を出ると、特別寮の食堂でお茶とおやつをいただくのがお決まりのコースになっていた。そこでソフィーちゃんと少しお話して、学園長室から帰る。
そんな生活を続けているうちに、いつの間にか一学期ももうすぐ終わる頃になっていた。
ある日の夜ごはんのとき父さんが、
「詩雛、夏休みの予定って何かあるかい?」
と聞いてきた。
「ん? 特にないよ。友達とプール行ったりはすると思うけど、なんで?」
「実はね……」
「えーっ! じゃあ、れーちゃんも来るの? 行く行く行くっ! ぜーったい、行くよ!」
思わず身を乗り出してしまい、うっかりお茶碗をひっくり返してしまった。
「こら、詩雛! 行儀悪いから座りなさい」
すかさず母さんに叱られたけど、そんなことには構っていられない。
── だって、夏休みに毎日れーちゃんに会えるんだよ? こんなすごいことある? 奇跡だよ!
父さんの話によると、父さんが働いている博物館が新しく古墳を調査することになって、その発掘に協力する大学の先生がれーちゃんのお父さんなんだって。おじさんは毎日発掘に参加するから、これから夏の間は毎日博物館に来るらしい。その時にあたしさえ良ければれーちゃんを連れてきてくれるって言ってるんだ。
父さんのいる博物館は大っきな古墳のすぐ近くにある。その古墳を中心に公園になってるんだけど、その公園の端の方にある別の古墳の調査をするんだって。父さん的にはものすごく嬉しいことみたいだけど、そこは正直どうでもいい。
「まだ未盗掘の可能性が高いから、きっといろいろなものが見つかると思うよ」
── ん? それって、ひょっとして、お宝!?
思わず身を乗り出して聞く。
「父さん、どんなものが見つかると思うの?」
「そうだなあ……。刀や鎧みたいな武具と、須恵器は見つかるんじゃないかな。棺が残っていれば、首飾りや腕飾りなんかも見つかるかもしれないね」
「金は? 宝石は?」
食い気味に聞くと、父さんは笑って、
「あるかもしれないね」
と言った。
── ということは、お宝が眠ってるかも? それは行くしかないでしょっ!
「うわぁ、楽しみだね!」
思わずその場で飛び跳ねて、また母さんに怒られちゃった。けれども母さんに、
「れーちゃんに会いたかったら、それまでに夏休みの宿題をきっちり終わらせておくこと」
って約束をさせられてしまった。
── とほほー。だけど、これは試練だ。乗り越えた先にお宝が待っている!
── あたしは、やるよっ!
あっという間に夏休みに入った。終業式の少し前に、また師匠からの呼び出しがあった。実験室でゴーグルみたいな機械を着け、本を手渡させれる。
「詩雛くん、その本の題名が読めるか?」
「え、と……。すみません師匠、本があることはわかるんですけど、見えませーん」
「何? そんなはずは……む、私としたことがサイズが合っていないではないか! これでは見えるはずがない。むむ、だとするとこのレンズのみを装着できる形に整形するか……あ、詩雛くん、それに触っては!」
「え?」
ゴーグルで周りがよく見えなかったあたしは、何かにぶつかってしまった。慌てた師匠が何か叫んだ途端、周囲の空気が変わるのがわかった。次の瞬間、
どっかーん。
この実験室では聞き慣れた音が聞こえた。うん、もう次に何が起こるかも分かってしまった。
「我が弟子よ、すぐにゴーグルを外してこちらへ!」
「はい、師匠!」
ゴーグルを外すと、周囲が土壁に囲まれていた。師匠の魔法だ。その壁がサラサラと消えていく中を師匠の声が聞こえた方へ駆け出す。師匠と合流すると、実験室の壁にピタリと二人で身を寄せ、師匠が出した壁の後ろで息を潜める。程なくして実験室のドアが開き、
「せーりーざーわー! あんた、また……って、またいないー! ちっ、今日という今日は許さないっ!」
リーゼお姉ちゃんがバタバタと廊下を走り去る音が完全に消えると、師匠がさっと壁を消す。
なんだか、この流れもパターン化してきて慣れてきちゃった。てへ。
本編の宣伝です。
しーちゃんれーちゃんが登場する物語
タイトル入れ替えています
「WE ARE ALLY. SAVE THE PRINCESSES OF EMULIA.─ 古墳に入ったら、異世界の姫様の協力者にされてしまったので、日本を救って異世界に転生します! ─」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n5917gw/
ソフィーが登場する物語
「絶望の箱庭~鳥籠の姫君~」
はこちら
https://book1.adouzi.eu.org/n3370hf/




