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超空陽天楼  作者: 大野田レルバル
最終決戦
71/81

決戦 中編

【こじゃれた真似をするじゃねぇか!

えぇ!?

 だけどずっとてめぇのペースで事が運ぶと思うなよ!】


《センスウェム》を覆っていたバリアにはぽっかりと穴が開き、その穴から飛び込んでくる《ネメシエル》の光に夏冬は吠えた。


【しゃらくせぇ!!

 そんなもんで致命傷を与えれると思うなよ!】


 何十万度という高熱を持ったオレンジ色のプラズマが《センスウェム》の船体に次々と突き刺さる。

プラズマ熱に触れた部分は一瞬にして赤く溶け落ち、沸騰して形状を保つことが出来なくなる。

損傷した箇所に焼けた鉄が流れ込み、さらに被害を拡大させていく。

合体した《ネメシエル》の攻撃手段はそれだけではない。

《ネメシエル》の舷側に合体した二隻に搭載された“ナハトシュトローム砲”の威力も追加されていた。


「実際、私達のペースじゃないですか。

 生意気言えるのももうおしまいですよ、夏冬」


【この程度で調子に乗るな!

たかが、薄皮一枚剥がれただけだ!】


「薄皮……?

 へぇ……ならもっと剥ぎ取ってやりますよ。

 あなたが認めるまでね」


 《センスウェム》の砲台が《ネメシエル》を追尾して狙いを定める。

その動きに気が付いた蒼は《ネメシエル》へと注意を促す。


「《ネメシエル》、敵の砲台を狙ってください。

 あいつからどんどん攻撃手段を奪わないとキリがないです」


(わかっているが……。

 あの装甲の厚さ、おそらく“ナハトシュトローム砲”でもしんどいぞ?)


 目の片隅に表示された《センスウェム》の砲台装甲の分厚さはおよそ二メートルにも及んでいた。

宇宙のマイナス百三十度という気温のお陰で貫通力の高い“光波共震砲”の威力は惑星上よりも落ちてしまっている。

鋼鉄を溶かして貫通する" 光波共震砲 "には基本的に装甲の分厚さは関係ないようなものだが

それでもきつい厚さであることは確かだ。


「何度も同じ箇所に当てれば問題ないです」


さらりと蒼は泣き言を聞き流し、命令の通りに射撃をするよう言いつける。


(簡単に言ってくれる……)


「私達にはできます。

 それだけの力がある。

 面舵いっぱい。

 回避行動をとりつつ、夏冬の攻撃手段を奪っていきますよ。

 コマンド入力。

 コードトリプルナイン。

 パスワード入力開始」


(出し惜しみしている場合ではないということだな?)


「その通りです。

 持っている全てのカードを切らないとおそらくあいつは沈められません」


「《ネメシエル》。

 緊急事項につき機関のリミッターを解除。

 コードトリプルナインによる最終安全装置の解放を許可します。

 エンジンが焼け付いても構いません。

 奴に肉薄して攻撃をありったけ叩き込みますよ」


(コードトリプルナイン認証。

 機関最終安全装置解除)


 リミッターがかけられていた《ネメシエル》の機関が今、覚醒する。

自壊をも厭わないほどの機関室圧力とともに張り出した補助機関が熱を蓄える。

補助機関部のフライホイールの回転数が早まり、排熱版が開く。

真っ赤に加熱されたカムシャフトが顔を覗かせ、宇宙空間ですら熱を奪い切れていない。


(ユニット虚数暴走を承認完了。

 主機へエネルギー伝達。

 リングギア、鼓動開始、補助機関から動力を伝達。

 “ナクナニア光波集結繋属炉”回転開始。

 鼓動脈数三万八千にまで急上昇。

 第四十三繋属グリッド収縮開始!

 第八鬼門まで突破、ナクナニア光波充填率百二パーセント!

 コードトリプルナインを認証完了。

 統括AIによるカムシャフトの虚数暴走を開始!

 ドライブブレード、推進固定軸に接触完了!

 主機一番から十番まで緊急フルバーストまで三、二、一……今!)


「ぶっ壊れる限界まで回しますよ《ネメシエル》!

 今度は私達の国ではなく世界を守るためなんですから!」


(ああ!

 当然のことだ、わかっているさ!)


蒼は比較的損傷の少ない左舷を晒し、射界を確保するべく船体をやや斜めに逸らす。

そうすることでバイタルパートを隠すと共に攻撃の手数を最大にする事ができる。


「よく狙ってくださいよ。

 私に当てれるものなら当ててみてください夏冬。

 できるものなら、ね!」


【蒼さん、あなたよりもこっちの方が力がある!

 目の前の目標を撃ち砕け!!】


二隻から放たれる砲火の光が変わる。

《ネメシエル》からの光はより鋭さを増していた。

そして《センスウェム》からの光は鈍く、相手を粉砕する為に分厚くなっていく。


「回避運動に私は専念します。

 《ネメシエル》は攻撃を」


(任せろ。

 何とかやって見せるさ)


蒼は左下のパネル、機関出力に目を落とした。

鼓動係数は安定し、機関は安定した出力を保っている。

なにも問題は無い。


「機関前進。

 スラスターへの電力配分半分。

 走り回りますよ」


 ズズ、と重い体を引きずるように《ネメシエル》の船体が宇宙を駆ける。

只でさえ鈍い船体に二隻の戦艦がくっついているのだ。

その動きは当たり前のように鈍っている。

しかしまるで星のように大きな《センスウェム》にはほぼ死角がない。

だからこそ鈍くても走り回り、攻撃を回避するしかない。


【後悔するといい!

 蒼さん!】


前進した《ネメシエル》はすぐに艦首を真上に持ち上げ、そのまま百八十度回転する。

船体を捻りこむように左に回転すると右舷艦首スラスターを吹かした。


「っく、避けきれませんか……!」


捻り、捩じ込むように《センスウェム》は偏差射撃を行ってきた。

《ネメシエル》の船体下部を《センスウェム》の"ナハトシュトローム砲"が掠める。

塗装の膜をまき散らしながらもなんとか回避に成功した《ネメシエル》だったが

引き続き撃ちだされる攻撃に対して無防備な腹を晒してしまった。


「まずい!」


【ここだ!】


思いっきり急ブレーキをかけるために逆方向へとスラスターを吹かし、勢いを借りたまま艦首を再び持ち上げる。

予想されていない急な進路変更にギギ、と鉄の悲鳴を上げた船体が猛スピードで再び百八十度回転する。


「っくぅ!」


《センスウェム》から放たれた攻撃は静かに艦橋のアンテナ片方を持っていく程度で済んだ。

回避運動を行っている間に《ネメシエル》の砲塔はほぼ全てが《センスウェム》を向いていた。


「今度はこちらの番ですよ!

 撃て!」


 真正面を向いた瞬間に放ちうる全ての攻撃を叩き込む。

《センスウェム》を覆うバリアはもう無のだ。

《ネメシエル》の攻撃が砲塔に命中する。

熱で溶けた装甲はすぐに冷え固まろうとするが、続いての二射目が同じ箇所へ命中する。

さらに、三射目、四射目と続く攻撃は確実に砲塔の装甲を削り取る。


「いい加減に貫け!」


五射目でようやく“光波共震砲”の光が砲塔の内部へと辿り着いたようだ。

その隙にも《センスウェム》からの攻撃が熾烈さを増していく。


【鬱陶しい!

 何がしたいんだよ!】


「まずひとつ!」


蒼が吐き捨てた言葉と同時に《センスウェム》の主砲一つが炎を吹き出した。

三門の砲門から赤い炎をちらつかせ、黒煙をあげて燃え始めていた。


「生意気いう暇なんてないんじゃないですかね?」


炎が基部にまでダメージを与えたのだろう。

破れた装甲から覗く炎の勢いは増していた。

《センスウェム》の船内の酸素を食い荒らしている。


【ダメージコントロール!

 対象区画のパージを実行!】


ダメージを負った砲塔が、ごそりとその周辺区画と共に《センスウェム》の船体から剥がれ落ちる。


「パージはずるくないですか?」


(気持ちはわかるぞ)


 《ネメシエル》の放つ砲撃の轟音は、宇宙空間と言えどまるで惑星上にいるかのように艦橋にまで伝わってきた。

さらに追加で舷側にくっついている《ニーロカット》の“ナハトシュトローム砲”も砲撃を再開する。

ブラックホールのような真っ黒な闇が砲門から飛び出し、《センスウェム》の甲板に並んだ砲台を吹き飛ばす。


【そもそも生意気言ってるのはあなたのほうだろうが!

 くそがうざってぇ!

 現実を見ろ!

 世界の平和は《センスウェム》が作り上げる!

 圧倒的力で世界を併合する!】


「理想なんていくらでも語れますよ。

 行動に移せるかが大切ですよ」


【起こした行動をお前が壊してんだろうが!

 どこまで人をバカにすれば気がすむんだ!?

 目障りなんだよ!】


 ガコン、と軽い音と共に《センスウェム》の甲板があちこちで左右に開いた。

左右に開いた扉の奥にはまだほぼ無傷なミサイルランチャーが待機していた。

ミサイルランチャーの開いた蓋の中に蓄えられていたミサイルが次々と点火され、ランチャーから飛び出した。。

噴煙を上げ、赤い炎を吐き出しながらミサイルは《ネメシエル》へと飛翔する。

その数はおよそ三十。

さらにそのミサイルからいくつもの小型ミサイルが発射される。

三十のミサイルはあっという間に百を越えるまでに膨れ上がった。


「実に素晴らしい世界ですが……。

 私達は兵器。

 平和なんて人間が考えればいいんですよ

 迎撃開始。

 ハードキルにて対処」


(了解した。

 一発も逃すつもりはない)


《ニーロカット》 と《アンディ》の艦橋付近にずらりと並んだ対空砲がミサイルを捕らえた。

赤色の細いレーザーがミサイル郡へ雨のように降り注ぐ。

いくら“新人類”よりも技術の進んだ“旧人類”の兵器と言えど雨を避ける事ができるミサイルの開発は出来ていなかったらしい。

直ぐに弾頭に穴がいくつも穿たれ、爆発する。

いくつもの爆炎は宇宙の圧力に踏み潰され、一瞬で花のように散る。


【まだまだぁ!!!】


「全く、しつこいですよ。

《ネメシエル》!」


(ああ。

 既に攻撃を開始しているが……。

 厳しいかもしれんな)


 ミサイルに舷側を向け、出来るだけ多い機銃がミサイルを狙えるように角度を調整しながら蒼は《ネメシエル》を《センスウェム》から少し遠ざける。

迎撃の時間を稼ぎつつ、バリアの隙間から攻撃を叩き込む。

《センスウェム》のミサイルランチャーが直撃弾の影響を受けて沈黙していく。

それでも絶やさずに《センスウェム》はミサイルを放つ。


(さすがに数が多すぎる。

 迎撃対象を絞り混むぞ)


「致し方なしですね。

 ここまで小さいと流石に私達でも厳しいか」


【はぁ……!

 まだまだぁ!!!

 こっからだっていってんだよおおおおお!!!!!】


ミサイルの数はすぐに十にも、百にも膨れ上がった。

流石に何百という細かい目標を迎撃できるほど《ネメシエル》も力が残っていない。

そもそも何百というミサイルに囲まれる状況自体が“規格外”なのだ。


「……あなたも“超極兵器級”だってことなんですね、夏冬」


ぼそりと蒼はそう呟いた。


【てめぇに!!

何がわかる!!!】


《ネメシエル》の舷側にいくつものミサイル着弾の華が咲いた。

爆発したその光はすぐに“ナハトシュトローム”のように黒く染まり、破壊する対象を食い千切る。


「っく……。

やるじゃないですか……」


【こっからだって何度も言わせんな!】


すかさず蒼は左舷のスラスターを全開にした。

そこへ《センスウェム》の生き残った砲台による一斉射撃が加わる。

しかし《ネメシエル》は巨大。

動き出すまでの一瞬の差が大きな傷となって《ネメシエル》に刻まれた。


「っち……!

 しくじりましたね……!」


 ずきり、とした痛みが蒼を刺激する。

《ネメシエル》の“三百六十センチ光波共震砲”の砲台がいくつか持っていかれてしまっていた。

それだけではない。

艦首下と甲板に付いている“副砲”と、さらに第二艦橋が基部から吹き飛んでいた。

右舷の索敵能力と迎撃能力が低下し、続いているミサイルの攻撃が右舷に集中する。


「何とかして主砲が使えれば……」


右舷を庇う様にスラスターを吹かして、"ナハトシュトローム砲"をミサイル発射装置へと

叩き込んでいく。

しかし潰しても潰してもその数が減っているようには見えない。


(残った"イージス"を全面に展開して何とか持ちこたえれさえすればあるいは……)


《ネメシエル》の兵装も三割が失われてしまい、舷側にくっついている二隻がいないと

攻撃すらままならないほどの損傷を受けていた。

船体のあちらこちらには被弾の穴が開き、自己修復のベークライトが血のように流れ出している。

酸素不足で燃えれなかったものの、黒煙だけが流れ出し内部の配線が焼けてしまっている。


「コードトリプルナインの出力を全て主砲へ回せませんか?」


(論理上は可能だ。

 それならば装填も二十秒程度で終わる)


「回路が焼き切れても構いません。

 それしかこの泥沼を打破できる方法がないです」


(わかった。

 主砲へすぐにエネルギーを回す。

 その間他機能は全て停止するが……)


「二十秒ぐらい持ちこたえれますよ。

 すぐに準備を。

 その際装填は相手に気取られないように艦内にて実行。

 発射するときに甲板に出すようにしてください」


(わかっているよ。

 できるだけ回避してくれよ、蒼副長)


通常時の五倍もの出力を出すコードトリプルナイン。

フライホイールやカムシャフトをはじめとした部品に膨大な負荷をかけて

出しているその出力を全て主砲へと回す。


「これだけボロボロの《ネメシエル》ですからね。

 回避運動なんてできないですよ。

 持前の装甲で耐えるしかありませんね」


(任せておけ。

 装甲だけは強いんだ私は)


機能を停止した《ネメシエル》へミサイルが、レーザーが降り注ぐ。

光っていた艦橋の光が消え、舷側で脈を打っていたバイナルパターンが消える。

舷側にくっついた二隻のエンジンとエネルギーで何とか動いているような状態だ。

その二隻も損傷が特に 《ニーロカット》 が限界に来ているようだった。

《ニーロカット》 と《ネメシエル》を接続しているアームが攻撃を受け、大破。

特に右舷にくっついている 《ニーロカット》 はミサイルの被害を一身に受けることになった。

撃ちあげる迎撃の光をかいくぐってミサイルは、 《ニーロカット》 の傷んだ船体をズタズタに切り裂いていく。

左舷の装甲を吹き飛ばし、すでに消えている艦橋をさらに消し飛ばす。

装甲など意味がない、という様に残った主砲をもぎ取り、舷側に巨大な穴をいくつも形成する。


「ごめんなさい 《ニーロカット》 」


 《ニーロカット》 のAIから送られてくる損害が可視化され、ほぼ真っ赤になった 《ニーロカット》 の船体図が痛々しく蒼の目に映る。

もう迎撃のために撃ちあげられるレーザーは全く残っていなかった。

やがて敵のミサイルはバイタルパートにまで到達したようだ。

小さな爆発が 《ニーロカット》 の船体を揺らすほどの爆発が起こった。

機関や、弾薬庫といった主要区画にミサイルが飛び込み、その弾頭を起爆させたのだ。

航行不能。

《ニーロカット》 はもはや軍艦ではなくただの鉄くずと化した。

次のターゲットとなったのは当然ネメシエルだ。

あちこちで起こる着弾の爆発で機銃が吹き飛び、高角砲がひしゃげる。

舷側に張り出した排熱版が削げ落ち、甲板がまくれ上がる。


【もう完全に打つ手はないようじゃないか、蒼さん!

 どうですかここら辺で降伏するのは?】


「はっ、バカ抜かすんじゃないですよ。

 あなたこそ降伏するべきじゃないですか?」


【何もできないぼろくずのようになっているのにですか?

 面白い、面白いじゃないですか!】


「何も面白くありませんよ。

 ただ、あなたの負けですよ夏冬。

 しくじりましたね」


("ナクナニア光波断撃砲"甲板に展開。

 発射軸を合わせ。

 エネルギー機関全段直結。

 “ナクナニア光波断撃砲”内部への回路開いたぞ)


甲板が左右に開き、《ネメシエル》の主砲が現れる。

すでにその砲門にはエネルギーが蓄えられており、鈍いオレンジ色に光っていた。


(非常弁全閉鎖確認。

 姿勢制御固定。

 “ナクナニア光波断撃砲”弾倉内正常加圧中。

 ライフリング安定を確認。

  充填完了、弾倉内圧力臨界点へ。

 強制注入開始、ナクナニア光圧力百五十パーセント。

 ――装填完了鼓動係数安定 。

  “弾道制御溝”起動開始。

 システムオールグリーン。

 ターゲットシーカーオン )


蒼の視界に一つの円が表示される。

船体を操作し、《センスウェム》を円の中へとできる限り収める。


「誤差修正、仰角五度。

 攻撃対象をロック。

 発射!」


(発射!)


強烈なほどの閃光。

太陽よりも明るい光が《ネメシエル》の甲板で生じ、その光は一筋の流れ星となって《センスウェム》へと向かった。

直径凡そ七百メートル四方を超高温とともに生じるプラズマのエネルギーで空間ごと断つ。

破壊するのではなく、切る。

だからこその “ナクナニア光波断撃砲” 、巨大な《ネメシエル》の主砲。

光に飲み込まれた《センスウェム》の船体部分は溶け、蒸発し、消える。

一瞬で生じた出来事についていけない空間が切り裂かれる。


【ぎゃああああああ!!!!!!!】


夏冬の声ではない何かの声が《センスウェム》から漏れ、蒼の耳に届いた。


「なんとかなりましたね」


コードトリプルナインの解除を《ネメシエル》へと命じ、どっと出てきた疲れが蒼を襲う。


(ああ。

 この攻撃を受けて機能を保てる軍艦なんて……。

 !!

 蒼副長!

 敵より高エネルギー反応健在!)


「なんでですか……!」


閃光が、空間の乱れが少し収まり《センスウェム》の姿が現れる。


【やってくれ……なぁ!

 蒼さ……!!】


ノイズ交じりの音声。

夏冬ではない、壊れたロボットの出すようなデジタル音声だ。

もはや《センスウェム》の姿は軍艦とは到底言えないものとなっていた。

先ほどまでの船体の半分以上を切り捨て、大きさも半分程度になっていたものの

その姿と形はまさに異形。

戦艦の下半身を持ち、上半身は人型の要塞が浮かんでいたのだ。

大きさは六キロ前後。

恐らく形状からして先ほどの《センスウェム》の中で作られていたものだろう。

その腕には先ほどまでの《センスウェム》の船体が握られていた。


「くっそ……!

 面倒臭いですね!」


(第三ラウンドということだな?

 まだ私はやれるぞ)


「夏冬……。

 いい加減にしつこいですよ……」






                       This story continues.

ありがとうございます。

まさかの第二形態。


更新、遅れてしまって毎回申し訳ありません。

あともう少し。


どうかお付き合いくださいませ。

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