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超空陽天楼  作者: 大野田レルバル
蒼天孔
39/81

帝都奪還開始 2

 太く、黒く、そして巨大な竜巻が空へと繋がっている。

時折青いプラズマが空中へと放出され、鈍く光りを孕んだ雷雲が竜巻に吸い込まれ同化している。

帝都上空。


「これが……」


 そんな言葉が口から漏れるほど巨大な八百万の人口を包括していた都市だった帝都はすっかり形を変えてしまっていた。

円形に分離され、区画整理されていた道路は、完全に地面から剥離し建物は皆なぎ倒され砕けてしまっている。

剥離した破片は竜巻の風に弄ばれてくるりくるりと竜巻を周回大きなものではビル構造物がそのままの形を保ったまま飛んでいた。

 半径約六キロ、直径約十二キロの巨大な竜巻は帝都を見せまいとするように中心地を覆い隠し渦巻いている。

ジャミングがその竜巻から周りを覆うように強烈に出ており、レーダーはほとんど意味をなさない。

連動射撃を視界識別に切り替えながら蒼はぼやいた。


「これが私達の帝都ですか……」


まるで映画やゲームの世界の魔王城に足を踏み入れたような空間。

空は不気味に分厚い雨雲が覆い、風が咽び鳴く大地には帝都の残骸が転がっている。


「それにしても……」


全く敵影はない。

ないに越したことはないのだ。

だが、今は逆にそれが不安を誘う。

《ネメシエル》の船体に破片が飛来し、“イージス”で弾かれる。


(“イージス”過負荷率アンダーゼロ。

 蒼副長心拍が上がってるぞ。

 どうした?)


「いえ…………。

 少し、思うところがあって」


 蒼は竜巻から距離をとりつつカメラ視点を街へと向ける。

生命反応はない。

ここに住んでいた人間はどこへに消えたと言うのでしょうか。


『おかしいっすね……。

 誰もいないっすね……』


 天帝の住んでいたハイテクの街に取り残されたような古い伝統的な城もその周りを覆うように立っていた八本のビルも全て竜巻の中だ。

あの中に何かがあってもおかしくはない。

春秋は地面スレスレを飛行し、生存者の捜索をしていたがため息と共に帰ってきた。


『こちらにもいません。

 旗艦、一度セウジョウに連絡を。

 それから入れてから作戦を続行するか決めてみては?』


 従属巡洋艦の“核”がそう提案してくる。

蒼はその提案を受け、セウジョウに無線を繋いだ。

呼び出し音もなく、マックスが出る。


『そちらの状況は常にモニターしている。

 蒼、可能なら竜巻の中を調査してみてくれないか。

 こちらがあの竜巻を分析したがどうも……。

 自然に出来たものではない。

 恐らくヒクセスかシグナエが一枚噛んでいる筈だ』


マックスの答えに《ネメシエル》が同意する。


(こちらも同じ意見だ蒼副長。

 竜巻の中に敵が隠れている可能性もある。

 ここから主砲で吹き飛ばすことも出来なくもないが……)


『何もないってことは……無いだろう。

 もし危ないと判断したらすぐに逃げるんだ。

 今ここで全てやられてしまう方が今後に響く』


「了解しました。

 じゃあ第一艦隊で探索を行い、第二、第三艦隊は待機させます」


 投入艦艇は全部合わせて五十八隻。

今持っている戦力の半分をこの作戦に費やしている。

決死の覚悟を決めた五十八隻は《ネメシエル》の率いる第一艦隊、《ルフトハナムリエル》が率いる第二艦隊、《アイティスニジエル》が率いる第三艦隊に別れ、三方向からの攻撃をする予定になっていた。

……のだが。


「主砲は今はやめておきましょう《ネメシエル》。

 しばらく艦内エネルギーが足りなくなるのは痛いです」


となると……。


『蒼様、私が』


『あ、俺もいくっすよ!』


 フェンリアの《タングテン》と春秋の《アルズス》が《ネメシエル》の前に移動する。

大きな破片が《アルズス》にぶつかったが、“イージス”の赤い菱形が現れ難なく弾く。

当然先陣を切るのは《ネメシエル》なのだが、この二隻は最近蒼に無理をさせまいとしているような気がしてくるのだった。


「春秋、気を付けてください。

 何かあるに決まってます」


『分かってるっすよ。

 むしろここで何もしてこない方がおかしいって思うっす』


 第一艦隊およそ二十隻を引き連れ蒼は艦隊を前へ進める。

破片を弾きながら艦隊は咽び泣くような風の音に引かれ竜巻の中心へと向かって行く。


『旗艦、このあたりにも生命反応はない。

 やっぱり……』


『こちらにもない。

 おかしいぞ……?』


 従属艦が次々と違和感を感じ始め前を進む《タングテン》も少し嫌な顔をしながら蒼に報告を上げてくる。

フェンリアもその報告に合わせて口を開いた。


『……蒼様何やら嫌な予感がします。

 少し他艦隊の突入を遅らせ、我ら第一艦隊で様子を見た方がいいかと』


フェンリアの神妙な面持ちに押され、蒼は“ ナクナニア光波集結繋属炉 ”の出力を下げるように言う。

《ネメシエル》の船体の進む速度がゆっくりになる。

それに従属する艦隊の艦達も速度を下げる。


「はぁ……」


 艦橋から遠い外に目を向ける。

ここからでも《アイティスニジエル》と《ルフトハナムリエル》の巨体は見える。

その後ろに続く艦達も。

この艦隊が沈められたら、セウジョウに残された半分程度の戦力しか使い物にならなくなる。

そうなると世界に打ち勝つことも出来なくなる。


『俺もそう思うっす。

 遅らせた方がいいかもしれないっすね』


「そうですね……。

 《ネメシエル》、第二、第三艦隊の進行を少し遅らせるように指令を。

 第一艦隊、行きますよ。

 何か見つけたらすぐに報告してください」


 何もないならそれでいいんですが……。

そういうわけにもいかないんでしょうか。


『了解です旗艦』


『了解しました』


 《ネメシエル》と《アルズス》、《タングテン》を先頭として第一艦隊はゆっくりとだが前進する。

竜巻の中に何があるのかを確かめるために。

近づいたら全艦を“超光ワイヤー”で連結し、竜巻に舵をとられないようにしないといけないですね。

そんなことを考えていた矢先だった。


『旗艦先に行かせてもらいますよ。

 遅くてとてもやっていられない』


「……どうぞ」


『いいんすか?

 好き勝手させたら……』


「春秋、いいんです。

 大丈夫ですよ」


 《ネメシエル》の真上を全長四百メートル前後の一隻の戦艦が飛び越えていく。

声からしてあの時蒼を駆逐艦呼ばわりした“核”だろう。

何か気に入らない、というような態度と物言い、そして高いプライドは蒼を意地でも旗艦として認めないつもりか。


「何もないならそれでいいんです。

もし何かあったとしたら……」


 いいかけた言葉を飲み込む。

そのネメシエルの計測器が地震を感知した。

震度は五。

強い地震だが、空にいる《ネメシエル》達には関係のないことだ。

地上に残されていたビルが崩れ、砂埃が舞う。

破片が更に竜巻に巻き上げられ、空に灰が増えていく。

一見普通の自然現象ととらえてもよかったが何かが突っかかる。

このタイミングで地震……?


『竜巻に突入する。

 特になにかあるわけでも……。

 ……が……だと…………す』


(通信が途絶えた。

 強烈な電磁波によって通信が遮断されている)


 戦艦の巨体は竜巻の風圧に多少左右されるとしてもそこまで強く航行に支障が出ることはない。

強いて言うなら破片でアンテナが持っていかれる、ぐらいか。


「まぁ、何が起こるのやらって感じですね。

 《ネメシエル》警戒を厳とし、油断しないようにしてください」


事故の心配はない。

何もないのなら無事に戦艦は帰ってくるだろう。

その時だった。

雷とはまた違う別の強烈な光が竜巻の内側から漏れた。


『なんすかね……?』


 春秋が声を落とした瞬間、巨大な塊が春秋の乗る《アルズス》を掠めた。


『うわっ!?

 なんっすか!?』


重巡洋艦の質量を揺れ動かすほどの風圧を伴った鉄の巨大な破片は落ちて行き、地面にめり込んで止まる。


「……っ、《ネメシエル》!」


それが先程の戦艦の艦首だと気がつくのに時間はかからなかった。


(いるな……)


蒼は艦隊に通信を開くと、射撃を命じた。


「全艦全兵装解放!

 目標竜巻中央!

 撃ちまくってください!」


『了解!』


『了解』


 オレンジ色の“光波共震砲”の光が百を越える数のレーザーが竜巻を射抜いていく。

当たった、そんな確かな手ごたえはない。

だが強烈な光が走り、竜巻全体が光った。


(っ、強力な“ナクナニア機関”の予備次元波を検知。

 声紋は……そんな。

 私と同じだ……まさか!)


【その通り……さ!

 ひっっっっさしぶりだな、《鋼死蝶》! 

 帰ってきたぜ遥々なぁ!】


 その声。

通信に割り込んできたその識別番号は存在しないはずの二三六。

《超極兵器級》を示す二百三十番台であると共に、《超空制圧艦隊》最後の番号。

竜巻が消え、抉れた大地の中から真っ白な船体が現れる。

宙を舞っていた瓦礫が地面へと落ちて行く。

真っ白な船体は《ネメシエル》と同じ形。

一部変換されている場所もあるがほとんど《ネメシエル》と同じ兵装。

昔の《ネメシエル》ではない。

今の《ネメシエル》と同じ形だ。

真っ白な装甲は今の《ネメシエル》とは対照的な姿。

雷雲が晴れ、青空が顔を覗かせる中現れたその艦はまるで天使が羽を広げたようで、美しいとしか言いようがない。


『あれって、そんな……《ネメシエル》じゃないっすか!』


『そんな……いったいなぜ……?』


従属艦がどよめく。

その中蒼だけは冷静に敵を分かっていた。


「……《ウヅルキ》」


 蒼は自分の目の前に写った光景に震えた。

怒りや焦りではない。

喜びだった。


【待たせたなぁ?

 始めようぜ《ネメシエル》!

 艦殺しをなぁ!!】


ああ、また。

やっと。


「楽しくなりますねぇ……?」


蒼は口の端をつり上げて笑う。

その蒼に春秋がくってかかる。


『蒼先輩、相手は《ウヅルキ》っすよ!

 そのままだと間違いなくまた……!』


「…………?」


 春秋は何を言っているんでしょうか。

やっと自分と互角に戦える相手が現れたと言うのにそれを無視しろと。

兵器としての姿を……。

無視して戦闘態勢に入ろうとしている蒼だったが


『蒼!

 アホ言うなや!』


その声に頭をぶん殴られたような気がした。

沸いていた血がすっと静まるのを感じる。


「朱姉様……」


『あんたがここで沈んだらあかんのや!

 それも分かれへんのか!

 ここは黙って撤退するんや!』


燃え上がった戦いの炎が消えるのを感じた。

何よりも大事なのは自分ではない。

味方。

戦いの炎が消えた、冷静になった頭で今の状況を分析する。


【なんだ、姉貴達もいたのかよ?

 俺様が遊んでやるよ。

 ほら】


『クソ生意気な弟に姉貴って呼ばれるいわれはないんね!

 わちきは大天使クラースの化身!

 大悪魔ガルドスと繋がり何てない!

 あんたはわちきの弟なんかじゃない!』


【ちぇー面白くない姉貴だなぁ。

 《鋼死蝶》と比べて余裕が見られねぇや】


 藍が《ウヅルキ》と話している間に蒼は《ネメシエル》に新型ウヅルキの解析を命じていた。

間違いなくあの《ウヅルキ》は私の艦、《ネメシエル》と同型艦と見ていい。

細部に違いはあれども、間違いないだろう。

二番艦、ということか。

何処からか設計図が漏れたに違いない。


『言っておきんしゃい。

 あんたは直にわちき等が堕天させてやるんじゃけんね』


【はっ、なんでだよ。

 俺様が負ける意味がわかんねぇな】


(解析結果を表示する)


 《ネメシエル》が提示した《ウヅルキ》の分析結果に蒼は息をのむ。

《ネメシエル》と同格、いや、下手をすれば上の性能。

それはヒクセスとベルカ、シグナエの科学の融合体とも言える艦。

大きなミサイルハッチが舷側装甲の下に隠れているネメシエルには搭載されていない兵装も多数見受けることが出来る。

例えここの全艦の一斉攻撃をもってしても“イージス”を削り取れるかどうか。

そして“イージス”を削り取った代償は全滅。

《ウヅルキ》の攻撃を《超常兵器級》だとしても三発耐えれるかどうか。

今確実に戦えるのは私しかいない。

だからこそ蒼は決断する。


「……全艦隊撤退を。

 私はそれまであいつを食い止めます」


それしかない。

まともに戦ったところで《ルフトハナムリエル》と《アイティスニジエル》のコンビですら勝てないだろう。

合わせて三隻で戦ったところでおそらく勝てない。

《ウヅルキ》の力は未知数な上に、ここは

余計な犠牲が増えるだけだ。


『でもっ、また蒼先輩だけを……』


蒼は粘る春秋を思わず怒鳴りつけそうになった。

しかしフェンリアの静かな声がスピーカーから流れてきた。


『了解。

 《ルフトハナムリエル》、旗艦をあなたに設定する。

 撤退の指揮をお願いします』


フェンリアのその言葉で悟ったのだろう。

春秋は粘るのをやめ、静かになる。


「春秋……。

 大丈夫ですから、私は」


そう言い、蒼は前面に“イージス”を展開する。

撤退する味方を攻撃する気なら自らを盾にして救うつもりだった。


『蒼先輩……。

 了解っす。

 きっと大丈夫って信じてるっすよ』


 《アルズス》、《タングテン》が《ネメシエル》から離れ後発の《ルフトハナムリエル》や《アイティスニジエル》の艦隊と合流する。

戦闘空域からすべての艦隊が離脱していくまでの時間を稼ぐ。

いつ《ウヅルキ》から攻撃が飛んでもおかしくはなかったが《ウヅルキ》はなぜか攻撃をしなかった。

大した精神の持ち主とでも言うべきだろうか。


『蒼、後でまた……会うんよ。

 全艦隊撤退じゃ!

 全速力!』


 そして残された二隻は静かに空に残っていた。

青空はもう見えない。

ただただにらみ合う。


「……わざわざ全艦隊が撤退するまで待ってくれるなんて。

 あなたらしからぬ親切じゃないですか?」


 蒼はうっすら笑いを浮かべながら《ウヅルキ》にそう言う。

味方との距離はおよそ一万。

まだまだ《ウヅルキ》の射程圏内であると共に殲滅可能距離。

味方を《ウヅルキ》の射程圏外にするには少なくとも十五分戦わなくてはならなかった。

そのための時間を稼ぐ。

蒼は《ウヅルキ》を挑発し、遠くへと気を向かせない。

《ウヅルキ》の“核”、紫は


【まぁな。

 俺様は紳士だからな。

 《鋼死蝶》だがお前には紳士でいれる保証はねぇ。

 悪いが本気で行かせてもらう】


「本気?

 面白い話ですね。

 何をするつもりなんですか?」


鼻で笑った蒼に紫は鼻で笑い返す。


【ふん、簡単だ。

 こうするんだよ】


 《ウヅルキ》の真下から地面を割って二隻の艦が競り上がってきた。

どれも全長は百メートル前後と駆逐艦並みのサイズだ。

艦橋を初め兵装などの構造物は一切見受けられない。

何をするためのオプション艦なのかも分からない。

その艦を直接船体に接続するわけでもない。

ただ《ウヅルキ》の動きと同期するぐらい、だろうか。


(蒼副長!

 都市が!)


 《ネメシエル》のカメラがクローズアップし、映し出した地面にはいつの間にか大量の対艦砲が並んでいた。

帝都の道をそのまま利用し、死角のないように対艦砲が展開されている。

軽く四十はある口径が空高く顔を上げている。


【逃げ場はねぇぞ。

 《鋼死蝶》ここで俺様とお前の因果関係は終わりだ!】


「……ふん。

 貴方ごときが私に勝てるわけないと思いますけど?」


【ほざきやがれ!】


来る。

《ウヅルキ》の砲門が開いていく。


「《ネメシエル》!

 先に地上の兵器から沈めます!

 “散弾爆撃ナクナニア光”発射体勢!」


 《ネメシエル》の下部についた兵装が光を貯めはじめる。

それを合図にしたように地上の対艦砲が光を放っていく。


「“イージス”展開、全兵装解放!

 《ネメシエル》エンゲージ!」


 機関が光をぶっ放し、船体を前へと急激に押し出す。

強くなった舷側の光が脈を打つように光り、空の戦艦が加速する。

続いて下から昇ってきた対艦砲が“イージス”にぶつかり赤い菱形がそれを遮る。


「“散弾爆撃ナクナニア光”放て!」


 雨のように《ネメシエル》の艦底から青白い光が地上へと降り注いだ。

その光は更に細かく砕け、多重の爆発が地上を覆い隠す。

制圧、の名前は伊達ではない。

本来ネメシエル達《超空制圧艦隊》は対地を得意としている。

その真価が発揮されたのだ。


【下にばっかり気を取られてるんじゃねぇぞ!】


あくまでも囮、ということか。

《ネメシエル》の舷側を《ウヅルキ》の“光波共震砲”が掠めた。


(射撃版連動!

 目標ウヅルキを捕捉、自動追尾装置にセット完了!)


「撃て!」


 甲板の“三百六十センチ六連装光波共震砲”が砲身をもたげ、オレンジ色の太い光を空へと放った。

雲を蹴散らし、《ウヅルキ》の舷側へと延びるが“イージス”によって弾かれる。


「っち、やっぱり“イージス”がありますか……!」


まぁそりゃありますよねぇ……。

私と同型艦なんですし……。

蒼が《ウヅルキ》の位置を把握しながら、面舵を切った瞬間アラームが《ネメシエル》艦内に響いた。


(敵艦捕捉!

 真下!

 蒼副長、真下だ!)


「なん――!?」


距離およそ五千の位置からその敵艦を躱すことが出来たのはまさに経験値の成せる業だったと言っても過言ではなかった。

とっさの判断で蒼は艦を右へと傾けた。

艦底すれすれのところを通り抜けたのは巨大なミサイルと言ってもいいものだった。


(弾頭に強烈な空間の融合反応を確認!

 こいつは……“次元融合兵器”か!?)


「そんな、ロストテクノロジーをどうして……」


絶句しながら上に消えていくミサイルを蒼は睨んだ。

艦のような形、そして大きさ。

《ネメシエル》が艦と誤認してもおかしくない。

空へと消えていく巨大なミサイルはその体の先につけた弾頭を炸裂させる。

まるで太陽のようにも思うような光と轟音、そして空の雲が全て消し飛ぶ。

その場所だけもぎ取られたように炸裂した範囲から空が消える。

“次元融合兵器”。

次元と次元とをくっつけそこに存在していた質量を消し飛ばす兵器。

ロストテクノロジーであり、とっくの昔に葬られた技術。

それを《ウヅルキ》が使ってくるとは思ってもみなかった。

発生した強い風が《ネメシエル》の巨体を押し流す。

空に生じた次元の口が完全に閉じた瞬間発生した衝撃波が空に広がる。

一気にレーダーが砂嵐に覆われ、“イージス”の過負荷率が上がる。

それでも《ネメシエル》は挫けるわけにはいかない。


【ははははは!!

 よく避けたな!!】


ノイズが混じりながらも《ウヅルキ》は笑っている。

蒼は低く、声を流しながら


「どうしてそんな力をあなたが……?」


そう聞いた。


【さぁな?

 俺様はどうでもいい!

 貴様をここで沈めることが出来ればそれでいい!】


本当に正気を失っているようにしか思えない。

流石にアレを食らったら《ネメシエル》でもまずい。

一発耐えることが出来るかどうか、といった所だろう。


「っ、《ネメシエル》!

 先ほどのミサイルがどこから来たのかを逆探知!

 それと同時に《ウヅルキ》へ斉射を!」


(了解した。

 発射地点の特定及び《ウヅルキ》への攻撃を敢行する。

 照準発射タイミングは蒼副長へ委託。

 トリガーを渡す!)


 《ネメシエル》のあらゆる兵装が口を開ける。

甲板の“三百六十センチ六連装光波共震砲”をはじめとして、舷側に並ぶ“舷側光波穿通孔”、艦橋の脇に並んだミサイルハッチのような形をした“垂直光波穿通孔”全てが砲身を露わにする。

プラズマのような光があちこちを走り、赤と青の模様が更に強い光を放っていく。


「撃て!」


 《ネメシエル》から放たれたレーザーが《ウヅルキ》を覆い尽くす。

だが“イージス”でそれを弾き返しながら《ウヅルキ》も応戦してくる。


【押し負けるな《ウヅルキ》!

 フルファイアー!】


二隻の間に千を超えるレーザーの花火が繰り広げられる。


(先ほどのミサイル発射地点の観測だが……。

 空中に残った噴煙濃度から見ても不明だ。

 いきなり現れたようにも見える。

 《ウヅルキ》周辺だということぐらいしか……)


「どういうことです……か、このクソ弟!」


【さあな?】


 そりゃ答えてくれるわけないですよね。

次第に上昇していく“イージス”の過負荷率を眺めつつ、《ウヅルキ》を退ける方法を頭に巡らせる。

だが今現在、《ネメシエル》には相手に対する決定打は主砲しかない。

だがそれを使う機会など無い。

味方の退避はどの程度終わったのだろうか。

戦闘を開始してからまだ五分程度しかたっていないことにイライラしながら副砲起動のコマンドを入力する。


「副砲起動!

 “ナクナニア光波共震拡散砲”!

 及び“ナクナニア光波放裂砲”も展開を!

 このままだとジリ貧です」


 《ネメシエル》の甲板が開き、それと同時に各副砲が展開を始める。

少し勝負を焦りすぎたか?

蒼は少し勝負焦ったことを疑問に持ったがもうどうしようもない。


(副砲エネルギー装填開始。

 斉射可能エネルギー備蓄までおよそ一分)


 あと一分間。

どうにかして《ウヅルキ》を現在の座標に固定しつつ、戦わなくてはならない。

だがそれが出来るとは思えない。


「ちっ……」


舌打ちをし、《ウヅルキ》の甲板を見る。

そこに起こっていた変化に蒼はいち早く気が付いた。


「《ネメシエル》緊急回避!」


 それと同時に思いっきり機関を回す。

一刻も早く《ウヅルキ》の射程圏内から逃げなければならなかった。


【気が付いたか!

 だが遅い!】


 いつの間にか展開していた《ウヅルキ》の副砲からから強烈な閃光が放たれる。

《ネメシエル》達ベルカの艦とは違う光り。

あれはシグナエの力。


「っあう!」


 《ネメシエル》はその光に飲まれる。

一気に上昇した“イージス”の過負荷率が赤くなり、危険を示すアラームが艦橋内を埋め尽くす。

赤い非常灯に艦内照明切り替わり、揺れた船体が傾く。


「《ネメシエル》、大丈夫ですか?」


(なんとか……な!)


 その声は元気そうだったが艦内の状況は悲惨なものだった。

“イージス”の過負荷率はほぼ百に近くなり、ほとんど機能していない。

再起動をかけるよう《ネメシエル》に命令しつつ、副砲に気を向ける。

緑色で表示された装填率は約九十。


「《ネメシエル》副砲の発射体勢を――」


 蒼の気は一瞬だが副砲へと取られる。

《ウヅルキ》はそれを待っていたかのように機関を吹かして一気に《ネメシエル》へ近づいてきた。


「っ、《ウヅルキ》!?」


 不意をつかれ、とっさに反応できなかった。

慌てて後進の命令を出しつつ、蒼は《ネメシエル》の高度を下げる。

距離は一瞬にして三千にまで近づいていた。

お互いの艦同士が引き起こす振動までもが伝わる距離だ。


「っ、何をするつもりですか!?」


【何って……簡単なことよ!!

 貴様を沈めるための攻撃に決まってるだろう!?】


 《ウヅルキ》の舷側に並んだ二隻の艦の艦首が左右に開く。

その奥から鈍く光る丸い何かが頭を覗かせた。

中に入っているものには見覚えがあった。

先ほどのミサイルだ。


「まずい!

 迎撃開始!」


直感でまずいと感じる。

やはり裏目に出た。


「《ネメシエル》“強制消滅光装甲”は!?」


(駄目だ!

 あんなに大きな質量を受け止め、消滅させるのは不可能だ!)


「クソ……!」


後悔で重くなる心を押さえ、蒼は冷や汗の掻いた手を握りつつ迎撃を命じる。

だが副砲にエネルギーを食われ、その閃光の数は少ない。


【甘い!

 この距離なら!!】


 ミサイルが《ウヅルキ》の両舷から二基、発射される。

《ネメシエル》の迎撃兵装がフルに起動し、ミサイルを迎撃するために矢を射る。

次々とその弾頭へと着弾の跡を残すが、あまりにもミサイルは大きすぎた。


【沈め】


 その声と共に船体が大きく揺れた。

それと同時にこみ上げてきたのは強烈な痛み。

続いて灼熱を纏う光と、船体の軋む鋼鉄の悲鳴が艦橋内を荒れ狂う。


「ああああっ!!」


(副砲発射シークェンス停止!

 右舷装甲温度一万を超える!

 艦内各部制御センサー破損、損傷率九十三パーセント!

 “イージス”再起動不可及び――)


 損害状況が次々と知らされるが一つとして頭に入らない。

蒼は痛みに歯を食いしばったつもりだった。

だが出てきた痛みはとてもではないがその程度で押し殺せるものではない。

食いしばった歯の隙間から漏れた悲鳴は艦橋の中にか細く広がる。

両側を小さな太陽に囲まれた《ネメシエル》は一気に戦闘不能にまで落とされた。

分厚い装甲のお蔭で艦の機能を保ってはいたものの兵装の照準を合わす各レーダーが吹き飛び空中へと消えていく。

爆発し、生み出された太陽にもてあそばれた船体が時速三百キロを超えるスピードで地面へと激突する。

大量のビルや瓦礫を吹き飛ばし《ネメシエル》の三キロ強の巨体が土煙を引き起こしながら地面に長い傷を残す。

下部の兵装に残った“イージス”を展開し、何とか被害を最小限にまで落としたが灼熱になり、溶けた装甲が船体から流れ落ちる。


(蒼副長、大丈夫か!?)


「うう……っく……」


 耐え切れない痛みに唸る蒼だが、頭は逆に冷静だった。

痛む体を押さえつつ尋ねる。


「《ネメシエル》、損害は……?」


 頭を抑えるとぬるりとした感触が掌に広がる。

“レリエルシステム”におもいっきり頭をぶつけ、額が切れたのだろう。


(バイタルパートは何とか損傷軽微で済んだが……。

 だが各部兵装とのリンクが取れない。

 事実上私は――戦闘能力を奪われた)


「っく……。

 機関は無事……なんですよね?」


赤に染まった艦内図を蒼は眺め、機関部だけをクローズアップする。

あちこちに損傷の文字が光っていたがなんとか中枢部分は無傷で済んだようだ。


「……出しうる最大出力は?」


(五十パーセントに届かないぐらい……だな。

 飛ぶことは可能だが……)


「そう……ですか」


 飛ぶことが出来るならまだチャンスはある。

何とかして――。


【何とかさせると思ってんのか?】


 蒼の心の中を読んだような《ウヅルキ》の声だった。

影。

真上に敵艦の質量がのしかかる。


「っ!」


【悪いがここで終わりだ!!

 沈め《鋼死蝶》!】


 《ウヅルキ》の甲板が開く。

中から現れた戦艦程の大きさを誇る砲台が現れる。

形も構造も《ネメシエル》と違う。

一基しか展開されなかった主砲を見て蒼はほっとする。

流石に“そこ”まで真似をすることは出来なかったのだろう。

現れたシグナエとヒクセスの入り交じった技術で作られた謎の砲台は間違いなく《ウヅルキ》の主砲だ。

本来ネメシエルの主砲が収まっている部分から現れたから、という理由で判断したがこのタイミングで出してきたという事は主砲なのだろう。

先端が尖ったようなデザインで、砲門は赤く光っている。

奇妙な模様のようなものはなく代わりに大小いくつもの四角形を組み合わせたような形をしていた。


「《ネメシエル》緊急浮上を。

 すぐにこの場から離れて……」


(了解!)


 浮き上がろうとした《ネメシエル》だったが左主翼が建物達にめり込み、挟まれてしまっていた。

そのあげく地面に強く打ち付けられたショックでバランサーがイカれてしまっていたようだ。

垂直に浮き上がろうとしたが船体はすぐに傾いてしまった。

その傾いた船体をとっさに制御できずに《ネメシエル》の船体は再び地面にのたうつ。


【抗え!

 だが無駄だ!!】


「くっ、攻撃でビルを破壊してください!

 はやく!

 余った兵装全てで《ウヅルキ》に攻撃を!」


 《ネメシエル》から撃ち上げられる閃光の数はぐっと減ってしまっていた。

それでも《ウヅルキ》への抵抗を試みる。

ここで沈むわけにはいかない。


【無駄なあがき!!

 くだらんなぁ!!】


 そしてその倍の攻撃が《ウヅルキ》から返ってくる。

弱々しく再起動にも失敗した“イージス”が何とか攻撃をいなしていた。

《ネメシエル》からの報告が入った。

爆発や閃光の中その声だけはなぜかはっきりと聞き取ることが出来た。


(味方艦隊退避完了……とのことだ。

 よくやった蒼副長)


「そうですか……よかった……」


 “イージス”の過負荷率が完全に百になった。

増えたサイレンの音を小さくし、空を見上げる。

ミサイルの爆風のお陰で雲は全て消し飛び、青空が見えていた。


「《ネメシエル》。

 私うまく戦えましたかね、ここまで」


最後になるというのにこういう時に青空を見せてくれるなんて。

額から流れ出た血を押さえていた右手を離し、空に掲げる。


(……さぁな。

 だがよくやったと思うぞ、私は)


「……あとはみんなが上手くやってくれることを祈るのみ。

 そんな感じですかね……」


(そうだな。

 今までお疲れ様だったな、蒼副長)


【終わりだ《ネメシエル》!】


 《ウヅルキ》の主砲にたまった光が大きく見える。

それは正に地獄の門。

沢山の命を奪った蒼を迎えに来たかのような光景。

自分の死を覚悟し、蒼は最後まで《ウヅルキ》を睨むことにした。

味方艦隊は全て退避を完了した。

それならば私の勝ち、ですからね。


【主砲!

 トリガーをかいほ――】


突如通信に割り込んできた音声が二つ。


『そういうわけにはいかないですことよ?』


『その…………通り…………だ』


突如、《ウヅルキ》を強烈なエネルギーが襲った。


【っ、なんだ!?】


 強い光は《ウヅルキ》の“イージス”をいともたやすく突き破る。

ほとんど衰えなかった力は甲板に展開されていた巨大な主砲に命中する。


【っなんなんだいったい!?】


 根本からごっそりと持っていかれた主砲に蓄えられていたエネルギーが解放され、空へと発射された赤色の太いレーザーが立ち上る。

赤く燃えた光が《ウヅルキ》を血まみれのように見せ、白い船体に追加で攻撃が叩き込まれた。

爆発、炎上する《ウヅルキ》の片舷から黒煙が一気に立ち昇る。


【クソ!!!

 なんだよ!!!!】


《ウヅルキ》が混乱する中答えを知っている蒼はほっとしていた。


(蒼副長……まさか……)


蒼は頷いた。


「真黒兄様と真白姉様……」


生きていた。

自分達《超極兵器級》の長男、長女が。

《超極兵器級》を操る最強の経験値、判断力を持つ二人が。

識別番号は二百三十と二百三十一。

《ルフトハナムリエル》と《アイティスニジエル》の上。


『全く、情けない姿ですこと。

 それでも私め達の四女ですこと?』


モニターに黒色の瞳にくるくるとしたパーマをかけたお嬢様のような身なりをした“核”が映る。

ぱっと見、赤や藍よりも若く見える。

大きな真ん丸とした丸い目にグレーの瞳が栄える。

空月・K(《ニジェントパエル》)・真白ましろだ。


『《ウヅルキ》。

 ここで……引け。

 次で……必ず沈める』


 そして残された方が空月・V(《ヴォルニーエル》)・真黒まくろだ。

メガネをかけた長髪のお兄さん。

すごんだ目はマフィアと言っても過言ではない。

この二人本当に兄妹なのかと思うほど似ていない。

ただ、真白と紫は似ている気もするのだった。


【っち、この!

 邪魔しやがって!】


 《ウヅルキ》の砲台が旋回し、二隻を狙う。

だがその砲台が光を放つことはなかった。

爆発、炎上したのだ。


【っ、なぜ……!?

 何なんだよ!!】


『よく……やった、《ディペルト》』


『ありがとうございます』


《ディペルト》。

《超常兵器級》であり、その船体は長距離戦闘に向いている。

その両舷、艦底には三本の巨大な砲門が開いておりスナイパーライフルのような仕組みになっている。

三門の砲門から出力されたエネルギーが艦首前方で凝固。

一つの巨大な弾となり長距離でもエネルギーを失うことはない。


『もう一度いいますことよ、《ウヅルキ》。

 この戦闘に空域から離脱しなさいな。

 でなければ次は沈めますことよ?』


 《ニジェントパエル》と《ヴォルニーエル》が先ほど放った光は恐らく主砲だろう。

そうでなければ《ウヅルキ》の“イージス”が破れるわけもない。

“イージス”の消えた《ウヅルキ》だったが、そこで諦めるような艦ではない。


【面白れぇ!

 ここで貴様らも沈めてやるよ!!】


やる気になった《ウヅルキ》を押しとどめるような声が横から昇った。


【……それは駄目ですよ紫さん。

 ここは引くべきです】


その声に蒼ははっとする。


「夏冬……?」


【お久しぶりです、蒼さん】


帝都の影から現れる一隻の軍艦は《ナニウム》の形をしていなかった。

《ラングル級》の殻を捨て新しい艦に乗り換えたのだろうか。

だが艦橋付近には《ラングル級》の面影があった。

オプション艦のようなものが回りを覆っているのだろうか。

様々な疑問が頭を通り過ぎたが一番強い言葉は残る。

裏切り者。


「夏冬……!」


 蒼は砲門を起こし、帝都の影から現れた一隻の軍艦に狙いをつけようとする。

だが兵装は全てオフラインになっており、蒼の命令を受け付けない。


(駄目だ蒼副長!

 今ここで無駄なエネルギーを使うわけにはいかない!

 何が起こるのか分からない以上全てを“イージス”に回している!)


「っ、夏冬!」


【おい、引いた方がいいってのは……うっ……】


噛みつく用に口をきいた紫が静かになる。


【やれやれ。

 強制的に電源を落とさないとダメなんですか紫さんは】


巨大な《ウヅルキ》が兵装の砲門を閉じてゆく。

そして今までむき出しにしていた敵意を引っ込め、燃えた船体を引きずりながら踵を返し帝都から離れていく。


「夏冬!

 あなたはどうして!」


最後になるかもしれない。

だからこそ聞いておきたい。


【蒼さん。

 世界が一つの世界になったら。

 何もかもが全て共通のもので支配されたら。

 世界は平和になると思いませんか?】


意味が分からない。

判断も出来ない。


「何を……?」


【………………】


夏冬との通信は切れた。

二隻の軍艦はこの戦闘空域から離れて行った。


『……大丈夫……か?』


強いショック状態にあった蒼は意識が朦朧としていたが、いつの間にか三隻の軍艦は蒼の《ネメシエル》の上空にいた。


『まぁ大丈夫ですことよね?

 当たり前に生きてますわよね?』


三隻から赤と黄色に光る牽引ワイヤーが伸びてくる。


『さて蒼。

 セウジョウまで案内願いますことよ?』


『時に……妹よ……。

 登場シーン……なかなかに……かっこよかったのでは……ないか?

 特に……我の……』


『はいはいですことよ』






              This story continues.

ありがとうございました!

あーあー。

お待たせって感じなのかな。

これで五隻、全てが揃いましたね……。

《超極兵器級》が!


うふふさって!

今からどんなふうに物語を転がしていこうか。


すごい楽しみです。


挿絵(By みてみん)


これ、描きました。

《ネメシエル》を今はやりの某ブラウザゲー風に艦娘にしてみました。

どうです?


強そうじゃないです?


ということでではでは!

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