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留学

フレッシュティーン(13歳)となったハナは、いよいよモスクールのティーンアカデミーのセレブ科に留学が実現した。留学に必要な学費は雫の騎士団より賄われる。ティーンアカデミーの多目的ホールでは全科合同入学式が行われた。ハナの所属するセレブ科は女性のみの科で学徒の大半が上流階級出身の令嬢で、ハナと同じ平民は数えられる程だ。前者においてはどこかの国のファーストレディを目標とする者が多いが、後者は貧しさから解放される目的が多く、ハナもその一人だ。セレブ科では礼儀作法をはじめ、上流階級でも通用する様々な教養を叩き込まれる。



ハナと同期の学徒は穏やかで奥ゆかしい物腰の者は勿論、「わたくしは~ですわ」な話し方のお嬢様に、ひたすら喋る者と逆に内向的な者、そして高飛車な者等性格にばらつきがあった。セレブ科の級長には、前者が選ばれた。これからハナはこのセレブ科でラストティーンまで学問に勤しむ事となるのだった。



ハナには、上流階級の事は全く初めてで何かと粗相が絶えなかった。その度に貴族出身の学徒達から呆れられるも、担任は彼女を責める事なく付きっきりで指導し、また、貴族出身でありながら平民への配慮を忘れない心ある級長も支えてくれたおかげでハナは難なく学ぶ事が出来たのだ。



ラストティーン(19歳)を迎えた時には、ハナは勿論、学徒達も美しく成長していた。ハナは妖艶な美しさの母と打って変わって可憐な愛らしさで初々しさを感じさせる雰囲気だった。



そして、いよいよセレブ科の目玉である、ファーストレディを選抜するドラフト会議を明日に控えた。この催し物は流星騎士団とミドルガルドの中立政治機関モルガナ元老院の提携の元、流星騎士団本拠の大会議室で行われ、モルガナ元老院を支持するミドルガルドの各国家の未婚の要人が、自分達のファーストレディを選抜する会議だ。学徒達は明日の為に研鑽(けんさん)を積んで来たと言っていいだろう。自分が望む相手のファーストレディになる日を夢見て…。金持ちと結婚する事を夢見たハナは望む相手はいないがただファーストレディになる事だけを考えていた。果たしてハナの夢は叶うのか?

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