表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で魔王と呼ばれた男が帰って来た!  作者: 山口遊子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/111

99.お宝とバルカン・ファランクス


 俺は『ステルス』からの『転移』で、男たちが逃げて行った部屋に転移した。今いる場所が何階なのかわからないが、連中はここより上に移動中のようだ。それではじっくり物色していくとしよう。


 なるほど、なんでこんな一見何もないような部屋に転移したのかと思えば、いたるところに罠が仕掛けてある。かなり無能な集団だと見下していたが、少なくとも俺が追ってくることは想定していたようだ。仕掛けられた罠はどれも転移系の罠だ。転移先は、地面の中か、深海かそんなところだろう。そういった罠がそれなりの巧みさで隠蔽いんぺいしてあったが、所詮しょせんそれなりのレベルは超えていない。


 罠の解除など面倒なのでアイスバレット(氷の弾丸)をばらまいて罠を全部破壊してやった。天井や壁、出入り口のドアなどボロボロになってしまい、ついていた電灯も跡形もなく吹き飛んでしまった。罠を破壊したつもりだったが、部屋ごと破壊したのと大差なかった。ドントマインド。はい、気にしません。これで問題なし。


 最初の部屋には罠として仕掛けられた転移陣くらいしかなかったので、そのまま部屋を出て通路を進む。通路の両側に並ぶ部屋の中をいちいち物色しながらのぞいていったところ、ほとんどの部屋が、物置に使われているようだ。目ぼしいものを見つけられないまま上に昇る階段の手前にあった最後の部屋の中をのぞくと、中身が何だかわからないが、紙で包まれて、テープで巻かれた包みが積み重ねて置いてある。何か金目のものとか、先日の覚せい剤のようなものかもしれないので、チェックの意味でテープを切って紙包みを引きはがしてみると、使用済みの1万円札のブロックが10個ほど入っていた。この包み1つでおそらく1億。この部屋にある包みの数は100は下るまい。覚せい剤の時はさすがに焼くしかなかったが、こいつはいいぞ。アイテムボックスに収納だ。


 帰還者同盟のヤツらを殲滅せんめつするつもりでここまで来たが、ちゃんとお駄賃まで用意してくれる連中だったと思うと、このまま引き下がって、定期的にお駄賃を徴収してやるのも悪くはない。


 お宝部屋を出て階段を上り、踊り場で折り返して上を見ると、重そうなシャッターが下ろされている。この階段はさっきの階と目の前の階を結ぶだけで、上にはいけないようだ。


 ババババーン!


 いつものように空気の圧縮弾を4発ほどシャッターに向けて撃ち込んでやったら、シャッターが枠組みごとガシャガシャと音を立てながら吹っ飛んでいった。


 これだけ大騒ぎを建物の中でしているのに誰も出てこないのが不思議だ? 蜘蛛からの情報によると男はエレベーターで10階あたりまで上り、一見豪華な造りの部屋の中に入って行った。


『ヤツが来た。めちゃくちゃなヤツだ。話にならない。ヤツはもうこのビルを突き止めて下にやってきている。手はず通り急いで実行しろ』


『了解。ツー、ツー』


 男はどこかに電話してなにやら指示を出していたが、今さら何をしようとしてるんだ? まあいい。


 階段を上り終えた先はビルの1階らしく玄関ホールになっていた。先ほど吹き飛ばしたシャッターとその枠組みの残骸が、ガラスでできた玄関をめちゃめちゃに破壊したようだ。玄関ホールには誰もいなかったようで、けが人は見当たらない。確認もせず魔法をぶっ放した俺が悪いのだが、結果オーライだ。


 玄関ホールとエレベーターホールのあるこの階には目ぼしいものもないだろう。


 そろそろ、男のところに跳んで決着をつけるとしよう。


「転移!」


 男が先ほど電話していた部屋に転移した。


 ドーーーー!


 転移反応を待ち受けられていたようで、俺が実体化した瞬間に、いきなり攻撃を受けてしまった。男の右手の少し先から大口径の機関銃弾が発射されている。収納系のスキルか魔法で発射された機関銃弾を収納してそれを俺に向けているのだろう。発射音はしないが着弾音がすごい。真っ赤な1本の棒のような感じに連なった大型の銃弾が俺の戦闘服に次々命中している。


 男の撃ち出す銃弾が俺の戦闘服を打ち続ける。銃弾程度で俺の戦闘服がどうなるわけでもないが、かなりの運動エネルギーを継続的に受けているため、一歩、二歩と弾の勢いに押され後ずさりする俺。銃弾は大口径だが炸裂さくれつ弾ではなく徹甲弾のようだ。俺の体にあたって割れた弾体が辺りをめちゃくちゃに破壊していき、吹き飛ぶ破片や砕けた建材の粉末などで視界が閉ざされてしまったうえ、生き残ったわずかな部屋の照明で照らされるだけの部屋はかなり暗くなってしまった。


「これは効いたようだな。さすがの化け物でも毎分4000発のタングステン製20ミリ弾はこたえるだろう?」


 おいおい、今の話が本当なら、護衛艦なんかに積まれたバルカン・ファランクス並みじゃないか。そんな銃弾を高速のまま収納していたわけだからこいつも大概だな。


 30秒ほど何とか部屋の中に留まっていたら、射撃が止んだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ