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異世界で魔王と呼ばれた男が帰って来た!  作者: 山口遊子


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67.ドライ


「ここが、マスターの住んでいる場所ですかー? なんだか狭くて物置? 納戸なんどって言うんでしたっけ? その納戸のようですー」


 歯にきぬぐらい着せろよ。ホントにこいつは失礼なヤツだ。


「ああ、そうだな。それじゃあ、お前が当面住むところに連れて行ってやるから手を出せ」


「またまたマスターの手を握るんですねー。ひゃ、ひゃ、ひゃ」


「わかったから早くしろ。いや、待て、玄関の戸締りが先だ。お前はこの部屋から出るんじゃないぞ」


 玄関の戸締りをして、部屋に戻ってくるとドライが一生懸命俺の部屋の中を物色している。


「ドライ、いちいち人の部屋のものをいじるな!」


「マスター、済みません。面白そうなものが色々あったものでー」


「わかったから、もう一度手を出せ」


「ひゃ、ひゃ、ひゃ」




 事務所には誰もいないはずなので、直接事務所にドライを連れて転移した。こいつと一緒にいるとどうも調子がくるって疲れる。


「ふー」大きく息を吐く。


「マスター、お疲れみたいですねー。『スタミナポーション』をお渡ししますかー? それで、ここが当面のわたしの住処すみかなんですかー?」


「ポーションはいらないが、ありがとうな。ドライ、そこの長椅子が有るだろ、お前ならあの上で寝られるだろ?」


「マスター、別に私に睡眠は必要はありませんがー、こんな狭いところじゃわたしの性能が無駄になってしまいますー。この部屋を改造しちゃっていいですかー?」


「何をしても構わないが、この部屋にあるものは壊すなよ」


「そんなことは、当たり前じゃないですかー。それじゃあ、やっちゃいますねー。きっとマスターも気に入ると思いますー」


「後は頼んだぞ。俺が許可するまで、この部屋から勝手に出歩くなよ」


「了解しましたー。ひょっ、ひょっ、ひょ。ここがマスターの世界ですかー。でゅひゅ、でゅひゅ、でゅひゅ」


 ドライをここに一人で置いてて大丈夫かな? 変な喋り方と笑い方がなければ美少女なんだがな。4人のマキナドールの中で唯一金髪で肩までのサラサラのストレート。短めに前髪を揃えているし、身長も150センチに届かないためかなり幼く見える。そのドライが白衣を着ているものだから、どこぞのちびっ子博士といった感じである。しかも、胸部装甲は文字通り装甲帯なので硬いだけだ。


「マスター、何かー?」


 ドライは頭脳関係にリソースが割り振られているため他のマキナドールほど戦闘能力は高くない分、妙に勘がいい。しかもなにか製作を頼むと『そんなこともあろうかと……』がリアルで聞けるとんでもないヤツだ。


「何でもないぞ。それじゃあ俺は行くからな」


 いつものことだが、もはや俺の言葉を聞いていないようで、何やら白衣を脱いでゴソゴソ始めた。




 翌日。


 きのうの運動でみんな疲れたようで、運動は取りやめになった。今日は、連休用に出された宿題をしようということで、集合時間も9時に変更して図書館に行くことになっている。昼まで一緒に勉強して昼食をとって解散の予定だ。吉田は特に宿題は出ていなかったそうだが、一緒に勉強すると言っていた。村田には、集合前に早朝自主練をするよう言っているが果たして自主練するかはわからない。蜘蛛を取り付けているので確認は可能だがそこまで監視してしまうとストーカーだ。


 俺は、ドライが何をしているのか心配で、早くに家を出て事務所にやって来た。裸で寝ていられても困るので一応事務所の扉の前に転移している。


「ドライ、いるか? 俺だ。入るぞ」


 一言ことわって、事務所のドアのカギを開けて部屋に入ったがドライの気配がない。部屋の中を見回すと横の壁に今までなかったはずの扉ができている。


 その扉の両脇には、俺の部屋のクローゼットの中に入れているマナ収集器によく似た筒が左右4本ずつ、計8本、壁に固定されている。うちにあるものよりも少し太いようで直径10センチほど、長さは同じで1メートルほど、刻みの数もうちにあるものよりも多い気がする。


 円筒の上の面に、『4%:52.1H』蓄積量と、100%まで蓄積するまでの予想時間が家のと同じで表示されている。二日ちょっとで満杯になるようだ。どの程度の容量が有るのかはわからないが、どうもこちらのマナ収集器の方が、俺の使っている物より高性能のような気がする。ドライのヤツ、知らぬ間にマナ収集器のレベルアップをしたようだ。あとで、ドライに分けて貰おう。


 マナ収集器はいいんだが、新しい扉のある壁の向こうは隣のビルのはずだ。


「おい、ドライ、どこにいる?」


 この部屋の中にいないとなると、どこかに出て行ったか?


 怪しいのは、新しく何の意味も無く取り付けられたそこの扉なのだが、この扉を開けてみていいものか?


「……」


 前回の失敗もあるので扉を確認すると、扉は向こうへ押すタイプのようだ。鍵はかかってないようでノブを回して扉を押すと、学校の講堂ほどの空間が広がっている。いろいろな機械だか装置が置いてあって、その向こうで白衣を着たドライが作業をしていた。昨日の夕方近くから半日でここを作ったようだ。おそらく空間拡張をしたものだろうが、俺にもどうやってここを作ったのかは良くはわからない。


「おーい、ドライ。何やってるんだー?」


「マスター、今はもう朝のようですから、おはようございますー。今やっているのは作業環境の整備? 再構築? みたいなことですー」


 作業の手が離せないのか、こっちに来そうにないので俺がドライのところに行くことになってしまった。




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