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異世界で魔王と呼ばれた男が帰って来た!  作者: 山口遊子


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46.吉田京子


 同じ駅を使っている帰宅部なので不思議ではないが、中川も俺と村田に合流しいつも3人で学校から帰るようになった。


「村田、中川、それじゃあな」


「それじゃあまた明日」


「さようなら」


「あら、春菜じゃない。久しぶり、元気にしてた? 一緒にいるのは春菜のお友達かな。あれ? そっちは村田くんじゃない? 小学校の卒業式以来よね。太っちゃったから最初は分からなかった」


 学校帰り、駅の階段を降りたところで中川と村田との別れ際、一人の女子高生が中川に話しかけてきた。この女子高生は俺でも知っているK大付属高校の制服を着ている。と言うことは中川の中学時代の同級生なのだろう。


「吉田さん、お久しぶり。私は元気にしてたわよ」


「こんにちは、吉田さん」


 中川も村田もこの女子高生に面識があるようだ。俺は面識がないので、少し居心地が悪いぞ。


 この女子高生、そう言うところを察してくれたのか、


「春菜、そちらの春菜のお友達を紹介してよ」


「彼は同級生の霧谷きりやくん。この子は中学の時の同級生の吉田さん、たしか吉田さんと村田くんは小学校の時の同級生だったわよね?」


「そう、村田くんは小学校の時は女の子にすごくモテたのよね」


 俺の方は軽く会釈をしておいた。村田は顔を赤くしている。返事のしづらいことを言ってあんまり村田をいじめてやるなよ。気が利くのか気が利かないのかわからん女子高生だな。


「ねえ、あなたたち。時間が有るようなら、そこのスタ〇でコーヒーでも飲んで行かない? 二人とは久しぶりに会ったんだし」


 家に急いで帰る必要のない俺は、最初から事務所に寄るつもりだったのでこの提案にうなずいた。それで中川と村田も一緒にスタ〇に行くことになった。 


 店の入り口の脇に張り出してあった張り紙を見て、そのが、


「あれ? ここ来週末で閉店するって張り紙がしてある。閉店に来れてラッキーだったのかな」


 この女子高生、結構軽いノリなのかもしれない。


 見た目も明るい感じだけど実際は……。 やはりどう見てもあり得ないな。




 店に入り、各自で注文した飲み物を持って4人掛けの席についた。


「それじゃあ改めて、わたしの名前は、吉田京子。K大付属高校の1年生。吉田でも京子でも好きな方で呼んで」


「俺の名前は、霧谷誠一郎、中川と村田の同級生で柏木高の1年だ。霧谷と呼んでくれ」


「よろしくね、霧谷くん。中学の時、ここの駅を使う同級生は春菜一人だったから、いつも一緒に通学してたの。春菜が付属高校に進学しないって聞いてほんとに残念だったわ。そのかわり、春菜がいなくなったおかげで万年学年2位のわたしが今度から学年1位になるのは確実だわ」


 すごいな、中川とこの女子高生はK大付属中で1、2位だったのか。今の俺ならソウカで済ますところだが、昔の俺ならそんな秀才の二人に恐れ多くて話も出来なかったかもしれないな。


 おい、村田さっきから黙ってるがどうした? 久しぶりに女子の同級生に会って緊張しているのか? 村田も思春期真っ盛りだから仕方ないのか。


「ねえ、村田くん」


「は、はい」


「噂で、村田くんが中学の時いじめにあってたって聞いていたんだけど、春菜や霧谷くんと一緒に通学してるところを見ると、高校ではうまくいってるようね。安心したわ」


「は、はい」


「わたしね、小学校のころ本当は村田くんのことが好きだったの」


「は、はい。へ、へえー?」


 突然の告白に戸惑う村田。そりゃあ、俺でもビックリする。中川でさえ目を丸くしている。


「いまは、何とも思ってないけれどね」


 落ちはそれか。


「でも村田くん、見た目丸くなって余計可愛くなったわね。でも、もう少しスマートになった方がいいかも」


「……」


「村田くん、スマホ持ってるならアドレス交換しよ」


「は、はい。えーと、?」


 村田が取り出したスマホと格闘し始めた。


「ちょっと貸して。……。これで良し。私からのメールを見たらちゃんと返信してよ」


「は、はい」


 村田の『は、はい』はいつものことだからこれでいいんだろう。


 俺も、村田はもう少し体を鍛えた方が良いと思うので、


「村田、吉田もそう言ってるんだから、体を鍛えてシェープアップしてみないか? 俺も付き合ってやるから一緒にどうだ? ここからだと、ちょっと距離が有るが、そこの道を行くと河川敷にできた運動公園があるだろ、あそこでランニングとかどうだ?」


「霧谷くん、ちょっとの距離じゃなくて、バスにでも乗らないとあんな所へは行けないよ」


「それも、含めてランニングだろ」


「いや、片道だけでも無理」


「少しずつ負荷をかけるようにアレ(・・)を使って調整してやるから安心しろ」


 そう言ってやったら、村田のヤツあからさまにホッとしてるよ。


「いいなー、わたしも一緒にランニングしたいな。次の土曜、みんなで集まって一緒にランニングしない? 春菜も良いわよね?」


 ここで、まさかの吉田の援護射撃。いいぞ。


 中川、なぜそこで俺の方を見る? そうか、土日は仕事が有るもんな。そうなら、半日程度事務所を閉めても問題ない。中川の方に向いて頷いてやると、


「わかったわ、みんなでランニングしましょう。土曜の8時にここの前に支度をして集合でいいわね」


「わかった」「りょうかーい」「は、はい」


「それじゃあ約束よ」


「みんなで、ランニングなんて楽しそう。わたしお弁当持ってこようかしら」


「吉田さん、ハイキングじゃないんだからいらないんじゃない。でも、飲み物は用意した方が良いと思うわ」


「自販機がどこにでもあるからどっちでもいいんじゃない」


 そういうことで、この4人で次の土曜ランニングをすることになった。



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[気になる点]  【衝撃スクープ!】  村田君、実は磨けば光る系だった!
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