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異世界で魔王と呼ばれた男が帰って来た!  作者: 山口遊子


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41/111

41.一仕事を終え

「薬を売ってやる前に、ちょっと俺の頼みを聞いてくれよ」


「何ダ、早クシロ」


「おっさん、ここがあんたらの本拠地じゃないんだろ。本拠地のある場所教えてくれないかな?」


「本拠地? オマエハ何ヲ言ッテイル?」


「ほれ、おっさんはただの尻尾だろ? できれば頭を潰したいわけ。そのくらい常識だろ」


「オマエガ何ヲ言ッテイルノカ、ワシニハワカラン」


「隠すと、身を亡ぼすぞ。さっきのはただのアンモニアだ。もう一度アンモニアを嗅いでみるか? 早くしないと、おっさんの子分どもの救える命が救えなくなるぞ。

 まてよ、今度はあれよりきついのでどこまで耐えられるか試してみるか? 窒息死なんて苦しいと思うぞ。おっさんもそう思うだろ?」


 びくってなってもなー。


「おっさんが俺に喋ったことは内緒にしてやるから。ほら喋れ、はよ喋れ、ほれ」


「本拠地ノ場所ヲ知ッタトコロデオマエニハ何モデキナイゾ。アソコニハ……。イヤ何デモナイ」


「あそこには何か面白いもんがあるならよけい楽しそうじゃないか? 早いとこ場所を教えろよ」


「ワカッタ」


 おっさんが本拠地の場所をしゃべったので、約束通り94本のキュアポイズン(弱)とヒールポーション(中)3本を床の上に並べてやった。ここにいるのは4、50人と思ってたがもっといたようだ。まさか残った分を転売するつもりじゃないだろうな? 金は受け取ったんだからどっちでもいいか。


「早く飲ませてやった方がいいぞ。それとな、俺のしてることにちょっかいを出すなよ。次は容赦しないぞ」


「オマエガ、森本興業ニ薬ヲ卸シテイタ男ダッタンダナ?」


「そうかもな。じゃあな」


 そう言って、俺は『ステルス』で身を隠した。まだ、終わらんよ。



 小太り男が金を取りに行く前、襟元に蜘蛛を付けておいてやった。それで金庫の場所も番号もバッチリ分かったのだが、番号と鍵との併用の金庫だったので力ずくで金庫を開けるか金庫ごと持ち帰るかしないといけない。


 音を立てないよう4階の奥の方に入っていってちょっと豪華な部屋の中に普通に置いてある金庫が目当ての品だ。金庫の大きさはかなり大きい。これは期待できる。


 アイテムボックスから真っ黒い刀身のスティンガーを取り出し金庫の適当なところに突き刺していく。簡単に刺さるので何だかやってて楽しくなってきた。20回くらい突き刺していると、いきなり金庫の正面の扉が外れて大きな音を立てて落っこちた。胸や皮膚のひどい痛みから何とか立ち直った連中が離れた場所の音など気にすまい。


 中には1000万のブロックがまだ5つと100万の束が5つ、あと何だかわからない書類などが入っていたので全部アイテムボックスに入れておいた。どのみちこいつらの金だ、真っ当な金ではないんだろう。そうに違いない。俺にとってはどうでもいいことだな。


 そういえば、前に花菱組で拾ってきた金庫をアイテムボックスに収納したまんまで中身を確認してなかったなー。また忘れそうだが、そのうち確認しないとな。



 おっさんがやっと喋った本拠地の場所は、国内有数の〇×港の近くにある倉庫街の一角だった。電車で1本で行けるようだが少し遠い。一度行ったことが有ればすぐに転移で行くことができるが日本に帰って来てからまだ数週間しかたっていないので、転移で飛んでいける場所も限られている。一旦事務所に帰ってから考えるか。今回は我ながらかなりおとなしい対応だった。


『アデュー、大陸の人。日本で悪さをするなよ』


 アデューが何語かは知らないがきっとバイバイの意味だと思う。心の中で大陸の人に別れを告げ、転移で事務所に戻った。



 事務所に戻り『ステルス』から復帰したのはいいが、フルフェイスのヘルメットを着けた黒い戦闘服姿のまま事務所に現れてしまった。


 下を向いて真面目に勉強していた中川が顔をあげた先に黒ずくめの男が建っていたわけで、彼女が叫び出さなかったのは素直に感心する。すぐにメットを取り外し、


「中川、俺だ。驚かせて悪い」


「本当にびっくりした。びっくりしすぎると声も出なくなるのね」


「普段着に着替えるのを忘れてそのまま帰ってきてしまった。いや、ほんとに悪かった。そろそろ昼だ。どこかに行って食事にしよう」


「霧谷君が何をして来たのかは気になるけれど、そういうことはあまり気にしない方が良いのよね。でもこれからはあんまり驚かさないでよ」


「そうだな、気にしても仕方がないことは気にしない方がいい。あと驚かせないようにも善処する。それで何を食べに行く?」


「そうね。最近食べてないから、あそこに行きたいわ、ほら向かいのビルの1階に入っているラーメン屋さん。あそこがいいわ」


「じゃあそこにするか」


 戦闘服から普段着に早着替えしたらまた驚かれた。





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