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異世界で魔王と呼ばれた男が帰って来た!  作者: 山口遊子


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35.事務所準備


「霧谷くん、この前の話なんだけど」


 授業の合間の休憩時間、隣の席の中川が俺に話しかけてきた。


「ああ、やってくれるのか?」


「もう少し詳しく話を聞きたいの」


「詳しくと言われてもなー。この前話したまんまだからな。それじゃあ中川、次の土曜日空いているか? その日に新しく借りる事務所を見に行くんだ。良ければ俺と一緒に行って事務所を自分の目で見てみないか。その後で必要な物があれば買い揃えたいんで一緒に買い物にも付き合ってほしいんだ」


「土曜日は空いてるから、一緒に行ってもいいわよ」


「サンキュー。それじゃあ土曜の9時に駅前のス〇バの前にでもいてくれ」


「わかったわ」


 中川も前向きに考えてくれているようだ。




 さて、約束の土曜日。まず、森本興業のおっちゃんのところに行った。勝手知ったる森本組。ビルの中を歩いていると出くわす兄ちゃんたちが黙って道を開け軽く俺に頭を下げるようになった。そういえば、最初に1回だけ見た専務さんを見かけないがどうしているんだろう?



「社長さん、おはよう」


「おう、ちゃんと口座とクレカは用意できてるぜ。事務所の方もバッチリだ。それっじゃ、通帳とハンコ、キャッシュカードとクレカだ。中身を確かめてくれ。カードの暗証番号はどっちも××××だ。ちゃんと覚えとけよ」


 通帳を見ると、ちゃんと3000万はいってる。


「社長さん、ありがとさん」


「それじゃあ、さっそく物件を見に行くか?

 おーい、誰か、下に車を回しといてくれ」


 そういうことで、森本興業の兄ちゃんが運転する運転する黒塗りのベン〇のセダンでおっちゃんと二人で駅前に向かった。


「電話するからそしたらまたここに迎えに来てくれ」


 車はいったん帰したようだ。


 車を降りたところは駅前の例のスタ〇の入ったビルの前で、中川はまだ来ていないようだ。中川の代わりではないがおっさんが一人立っていた。


「森本社長、お待ちしていました。先方がすんなり出て行ってくれて助かりました。ありがとうございます」


「いやあ、それがうちの仕事ですからな。ハハハ」


 やっぱり本職は違う。家賃滞納の前の借主はちゃんと出て行ったらしい。


「それでは、物件にご案内します」


「このビルの5階です。1階がスタ〇で2、3、4階がカラオケ屋です」


 この前、中川と入ったスタ〇のあるビルだった。まさに駅前だ。


 エレベーターに乗って5階に上がると、1番手前の1角が目当ての物件らしい。ドアを開けるとがらんとした四角い部屋が1つ広がっていた。20坪ということで8メートル四方ってところか。思っていたよりずいぶん狭く感じるが、一人二人がこの部屋を使う分には特に問題はないだろう。


 部屋には照明と空調だけは残っているようだが目当ての事務機材なんかはなかった。脇の方に小さな流し台とガスコンロが有るだけだ。処分したのか引っ越して持って行ったのかはわからないが残念だ。それじゃあ、新しく揃えるとするか。


「ここで決める。社長さん。ありがと」


「そうかい、そしたら敷金、礼金は無しでいい。25日締めでさっきの口座から月20万ひきおとされるからな。

 駅前不動産さん、そしたら、カギをこの兄ちゃんに渡しといてくれるかい」


「水道代は家賃に含まれていますから無料ですが、電気代は家賃に上乗せされて引き落としされます」


 不動産屋の説明を聞きながら契約書の写しと鍵を受け取けとった。今日からここが俺の拠点(笑)だ。契約者は無論、森本のおっちゃんだ。


「それじゃあな」


「社長さんありがとう」


 二人が帰ったので、部屋をもう一度確認したがもともと何もない部屋だ。なにも問題はない。そろそろ9時になるので、事務所を出て、スタ〇で中川を待つことにする。


「おはよう、中川」


 俺がエレベーターを出たところで、ちょうど中川がやってきたところだった。


「霧谷くん、おはよう」


「ぴったりだな。それじゃあ、さっそく事務所を見に行ってみよう」


 先ほど降りたエレベーターに二人で乗って5階へ。


 今日の中川は、膝丈のフレアスカートで色は濃いめのピンク。白のブラウスの上に水色の薄手のカーディガンを羽織っていた。制服姿しかこれまで見たことがなかったので、新鮮である。


「中川、今着てる服似合ってるな」


「な、なに言ってるのよ」


「思ったことを言ったんだが、気に障ったんならすまん」


「怒ったわけじゃないけどいきなり言わないでよ」


「そう言われても、これから言うぞって言うのも変だろ」


「……」



 そんなことをしゃべっているうちにエレベーターのドアが5階で開いた。


「ここが事務所だ。今のところ、見ての通り何もない。今日明日で揃えられるものは揃えてしまいたいんだ。中川は俺の仕事をやってくれるってことでいいんだよな?」


「うん。ここで時間が有るときは勉強しててもいいんでしょ?」


「そう言っただろ。土日だけ、品物の受け渡しと代金を受け取ってくれさえすればいいんだ」


「そんな簡単なことで、1月30万円も貰えないわ」


「あのなあ、遠慮したっていいことないぞ。貰えるものは貰っておくに越したことはないだろ。余れば貯金すればいいんだし。貯金くらいないと将来困るぞ」


「ほんとに、そんなにいいの?」


「だから気にするな。そのうちもっと忙しくなったら給料は上げてやるから安心してくれ。今のところはそんなとこか。それじゃあ必要なものをこれから買いに行くか。朝は食べて来たんだろ? まだだったら下のスタ〇で食べてからでもいいが」


「朝ご飯はちゃんと食べて来たから大丈夫」


「そうか、それじゃあ隣町のデパートにでも行ってみるか」


「あそこが開くのは10時からだと思うわ」


「そうか。それまで時間が有るからやっぱりコーヒーでも飲みながら必要なものを書き出していってもいいな」




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