表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で魔王と呼ばれた男が帰って来た!  作者: 山口遊子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/111

25.更地1


 馬券の換金を済ませたら正午を過ぎていい時間なったので、森本のおっちゃんと別れ競馬場を後にした。3000万ほどの金はすぐにアイテムボックスに仕舞っている。俺の金を目当てについてくるヤツがいないかと待ち構えていたのだが、残念なことに誰もついてきてくれなかった。


 この金を何に使うかはまだ決めていないが、こちらの世界では何をするにも金がかかる。競馬で稼いだこの金だって、本当のところは税金がかかるそうだ。税金のかからないという宝くじを当てることができればありがたいが、そればかりは俺にもできない。


 競馬場内にはレストランやファーストフードの店もいろいろあったようだが、落ち着かないので、地元に戻って昼食をとることにした。家には、今日は昼食はいらないと言って出てきているので、外食の必要がある。


 地元に帰り、最寄り駅の近くのラーメン屋に入ってチャーシュー麺とチャーハンを頼んだ。時間が時間だが、ウイークデーではないので、普通に座れた。


 まずくはなかったのだがそこまでおいしいわけでもない昼食を終え、家に帰ると玄関のドアに鍵がかかっていた。なにか連絡が入っているかと思い、ポケットの中のスマホを見てみるとちょうど電池切れだった。


 鍵を開けて部屋に戻り、スマホを充電しながら起動すると、母さんからメールが入っている。


『浪岡のお兄さんが怪我で海原病院に入院したので、美登里といっしょに見舞いに行きます。夕ご飯の支度には間に合うように帰ります』


 叔父さんが怪我をしたらしい。海原病院なら近くだし、俺も顔ぐらい出しておこう。


 スマホはそのまま部屋に置いて戸締りを確認し、海原病院へ叔父さんの見舞に行くことにした。海原病院はうちから歩いて10分くらいの場所にある総合病院で地元ではわりかし評判のいい病院だ。


 そういえば、どこかで海原という名前を聞いた覚えがあったが?


 しばらく海原? 海原? と考えながら歩いていると思い出した。


『……何か問題があっても、海原先生に対応お願いしてますから大丈夫でしょう』


 金村建設の影山のおっさんが言ってたなー。関係あるのか? あのおっさんにくっつけていた蜘蛛はまだ向こうだよな。最近確認するのを忘れていたのが痛いな。


 まてよ、俺の顔を殴って拳を傷めたモブAのことをなんか聞いたな。何だっけなー? そうだ、モブAの家は『爺さんが大病院を経営し、父親が県会議員をしている』


 あれ、まんまじゃねーか。だからどうということは、今のところないが気には留めておく方が良いだろう。


 とりあえず、そのことはおいておき、院内の受付で叔父さんの入院している病室を尋ねた。


 海原病院は3階から上が入院患者の病室になっていて、エレベーターを降りて少し行ったところが叔父さんの入院している病室だった。4人部屋で、一番手前のベッドに叔父さんがギブスのはまった右足を吊って横になっていた。今は寝ているようで、叔母さんが横の椅子に一人座っていた。入れ違いになったようで母さんと美登里は家に帰って行ったらしい。


「咲子叔母さん、どうしちゃったの?」


 叔父さんがせっかく寝てるので起こすと悪い。小声で叔母さんに話しかける。


「わざわざ、誠一郎ちゃん来てくれたの。ありがとうね。大変だったのよ。うちの中に、隣で工事をしているダンプトラックが突っ込んできちゃって。玄関から居間までメチャメチャよ。それでうちの人、足の骨を折っちゃってね。さっき精密検査が終わったところなの。今日はうちへは帰れないから、誠一郎ちゃんのうちに泊まることになるからよろしくね」


「そんなことが有ったんですか。大変でしたね。命に別状なくて良かったかもしれませんがまかり間違えば足の骨では済まなかったわけでしょう? トラックの運転手はどうなったんですか?」


「警察が来て連れて行っちゃったから、今のところ良くわからないわ」


「ふーん」


「あの家も、今回のことでガタガタになっちゃったからどこか引っ越そうかなって思い始めたところなの」


「そうなんですか。仕方ないかもしれませんね」


 その後、たわいもない話をした後、叔母さんと別れて病院を後にした。


 今は、歩きながら金村建設のおっさんに付けた蜘蛛からの音を聞いている。この蜘蛛はつかず離れず対象を監視し続けることが出来るので非常に便利だ。1度取り付けておくと、勝手に逃げ隠れするので、ほとんど見つかることはない。



『うちの若い者を使ってダンプを突っ込ませました。居眠り運転ってことで警察の取り調べでは答えるように言い含めていますので問題ありません』


「花菱さん、ご苦労さまでした。森本興業が使い物にならなくて困ってたところでしたので助かりました」


『また何かありましたらご連絡ください。森本興業さんも先日専務が入院したそうで手が回らないことも多くなってくるでしょうな。もしもの時はうちの花菱組で今回みたいになんとかしますよ。それじゃあ、依頼料の方はお願いします』


「はい、明日振り込みます。何かあれば、またお願いします。それでは失礼します」


 ふーん。『花菱組』ねえ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ