王都ロークス 2 新たな友達...と?
誤字脱字があるかもです...
コンコン!
「ランザさん、少しいいですか?」
「いいぞ〜!」
受付の人がドアをノックし、中の人に確認を取る。
「ではこちらへ」
「はい」
扉を開けられ、部屋に入るように言われたので入る。あぁ、入学前の面接を思い出す...緊張する。
「失礼します」
「お! ......お?」
部屋の中に入ると、ソファーに赤髪赤目の20代くらいのお兄さんが座って、こちらを見て反応した。
「初めまして、ルナです。ギルドに登録しましたが、ギルドカードが無いので、再発行してもらう為に来ました」
俺がそう言うとお兄さんはニヤッと笑った。
「あれは本当の事だったのかな? ......おい、君はもう戻っていいぞ」
お兄さんがそう言うと受け付けの人は会釈し、戻って行った。
「あ、ごめんね。ささ、座って座って」
そう言われたのでとりあえず、目の前のソファーに座った。
「まずは僕の自己紹介からやろうか。僕の名前は『ランザ』だ。『槍星』の2つ名を付けられた、武術大会総合部門3位の成績を残した、今はギルドマスターの仕事で死にかけている男さ」
一気に情報が流れてきたな。この人、ランザさんは『槍術』を極めた人で、武術大会で3位を取った、正真正銘の強者という事。
そして、社畜という事。
というか、なんでこんなに強い人がこんなぽんぽん出てくるんだ?おかしいでしょ。
「改めて、ルナです。こっちは......」
「ルナ君の恋人のソルです」
「父様の娘(仮)のリルです」
んにゃあ! そう言っちゃうの2人とも!?
「そうかそうか! ......ん? そちらの娘さん、本当に娘か? 僕の直感では、この場で最も強い気がするのだが......」
ふ、不穏な空気がするぞ〜?
「リルはフェンリルです。俺と戦い、勝ったのでテイムして、娘になりました」
王都で家が買えるなら、ここでずっと過ごすことになるかもしれんからな。そんな王都の冒険者ギルドのギルドマスターには全部話しておかないと。後から言って、信用を失いたくない。
......あれ? スパーダさんには言ったっけ?
「......本当かい? 本当にその子は、あの『フェンリル』なのかい?」
「その『フェンリル』がどの『フェンリル』かは知りませんが、リルは『幻獣狼フェンリル』ですよ」
「よし。分かった、ありがとう。スパーダが言っていた人は、君の事なんだな」
なぜスパーダさんの事がここで?
「どういう事です?」
「いやね、君が来る前に、スパーダから連絡が来たんだよ。
『ランザのとこに、ギルドカードを持っていない銀髪の男が来ると思う。そいつと仲良くしてやってくれ。面白いやつだぞ?
それと、敵対する事は薦めない。そいつの娘や嫁がとんでもなく強いからな。
特に娘は、俺が見た事のある子供の中では最強だ。
そして何より、その銀髪の男、『ルナ』は俺より強い。『虹銀』と同等クラスだ。最弱を自称するが、騙されるなよ?』
なんて言われてね。さっきまではジョークの1種だと思ってたんだけど、まさか本当だとはね...驚いたよ」
「騙されるなよって......騙したつもりではないんですけどね? 事実ですから」
「そうなのかい? まぁ、それはまた今度教えてよ」
「お、お嫁さん......ふふふ」
ソル!? 帰ってきなさい! ここでそっちの世界に行ってはいけません!
「ソル、ソル! おい!」
ソルを揺さぶって声を掛けた。
「......はっ! ど、どうしたの? ルナ君」
「よし、今回は帰ってこれたな」
「はははっ! なるほど、確かに面白い人だね、君は。内面が凄く綺麗だ。僕で良ければ友達になってくれないかい? スパーダの話じゃ、君は相当に強いみたいだし、共に依頼を受けたりしないか?」
ま、マジ!? 始めて相手から友達になって欲しいと言われた!! やばい、めちゃくちゃ嬉しい!
「もちろんです! 俺の方こそ友達になりたいですよ! 冒険者としても、先輩に色々と聞けるので良い経験にさせていただきます!」
「良かった。なら、敬語は辞めないかい? こう、堅苦しいのは疲れちゃうよ」
うっひょ〜! こう、これだよ! これが『友達』ってやつだろ!
「分かった。これからよろしく、ランザ」
「こちらこそよろしく、ルナ」
こうして、俺に新しい友達が出来た。とても嬉しいです。
「あ、そういやギルドカードの再発行だったね。また書類から書いてもらう事になるけど良いかな?」
「もちろん。身分証は欲しいからな」
「おっけー! ......はい、これ。この紙に書いてね、あ、これペンね」
「ありがとう」
紙とペンを受け取り、書類を書いていく。
えっとなになに?
名前は『ルナ』、職業は『剣士』と。
......ん? 剣士? 今の俺、剣士と言えば剣士だが、弓術士でもあるのでは?
そう思い、職業欄を開いた。すると──
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『選択可能職業一覧』
・『剣士』
・『二刀流剣士』
・『闘士』
・『弓術士』
・『魔法士』
・『鍛冶師』
・『聖剣鍛冶師』
・『魔剣鍛冶師』
・『神匠鍛冶師』
・『テイマー』
・『幻獣テイマー』
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めっちゃあった。
『二刀流剣士』とかロマン職業もあるのはいいな。
それと、以前マサキが言っていた『魔剣士』は『魔剣術』を習得すればなれる職業なのだろうか。
とりあえず書くのは『魔法士』でいいかな? 確か『魔法士ギルド』なる物もあったよな、そこにも行ってみたいし。
次は前衛、中衛、後衛のどのタイプか、か。
OK、オールラウンダーなので全て書いてやった。
近距離は剣で、中距離はステラの投擲or弓で、遠距離は弓がある。
......待てよ? 今の俺の弓、相当弱いよな? 壊れる危険性を考えれば、後衛は出来ないかもしれない。
後衛の部分を消した。これから弓を作れば後衛も出来るようになるが、今は不安だからな。
そして最後に『普段使う攻撃手段』だ。
「普段使う攻撃手段?」
声に出た。だって今の俺、1度の戦闘でも複数の武器を使うことが多い。だからどの武器を書こうか悩んでいた。
「ルナはどんな風に戦うんだい?」
「ん〜、斬ったり殴ったり、縛ったり撃ったりするな」
「縛る? 君は糸術も使うのかい?」
「糸術? そんなスキルは持ってないぞ。俺が使う魔法は『木魔法』という魔法でな、こいつで蔦を出して拘束しているんだよ」
「えっ!? 『木魔法』だって!?」
ランザが凄く驚いていた。......そういえばフェンリル戦でも、リルは驚いていたな。
「ルナ? 君は『ハイエルフ』なのかい?」
「はいえるふ? 種族か? それなら違うぞ。俺は普通の人間だ」
「え? どういう事「途中から話は聞かせてもらったぞ!」......だい?」
ランザと話していたら、目の前に女の人が出てきた。誰? この人。
「どちら様ですか?」
「ん? お主、妾が転移してきたのに落ち着いておるな。それと、妾か? 妾は......誰だと思う?」
誰やねん。
見た目は銀髪蒼眼の美女、それと耳が尖っているから、エルフかな?それで?
「誰やねん」
ぽろっと言ってしまった。ヤバいかな? 殺されないよね? 『エルフは高貴なる者だ!』とか言って襲いかかられないよね?
「ルナ、この人は『アルカナ』さんだよ。武術大会魔法部門1位、総合部門も1位の『虹銀』の2つ名持ちの人。......エルフだけどね。
それと、『魔法士ギルド』のギルドマスターだよ」
おぉ! この人が! いや、エルフが!
「ランザよ、言ってしまってはつまらないだろ?」
「そうですか。とりあえずそこ退いてください。机の上に立つ失礼な人は追い出しますよ?」
あ、言われてみればこの人、机の上に立ってんじゃん。行儀悪っ!
「お? おぉ、すまんな。急な転移なもので、座標がズレたようだな。そちらの者達もすまんな......ん? その娘、フェンリルか?」
な、なんだなんだ? 何が起こるんだ?
「そうですよ、アルカナさん。そちらのフェンリル、『リル』ちゃんはルナの娘さんです。襲いかかろうものなら僕も敵対しますからね?」
「ほう? ランザよ、どういう事だ?」
「どういう事、とは?」
「なぜフェンリルが娘になっているのだ? という事だ」
あ〜これは俺が答えた方がいいかな?
「それは俺がフェンリルをテイムしたからですよ」
俺がそう言うと、アルカナ......さんはこちらを見た。
「ん? お主のその強さでフェンリルに勝てるほど、フェンリルは甘くないぞ? 冗談はよせ」
えぇ〜そんな事言われても......
「父様の仰った事は本当ですよ?」
「そうですよ。ルナ君が戦って、勝ったからリルちゃんは娘になったんですから」
リル本人とソルから援護射撃が来た。
「本当か? ならどうやって戦ったのだ?」
どうやら、少し面倒な事になりそうだ。
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『特殊クエスト:アルカナの興味』
クエスト内容:魔法士ギルド、ギルドマスターのアルカナに気に入られること。
報酬:アルカナの気分により変動。
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重要キャラ2人の登場ですね!
次回は...まだ決まってません!
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