57.二年生 二学期じゃ
父上、母上。夏休みの間世話になったの。
わしが真っ黒に日焼けしとって驚いたか?
母上がドラミちゃんでタリナスまで迎えに来とったほうが驚いたわ。
心配かけたの。
母上の顔見たとたん、抱き着いてわんわん泣いてしもうた。
……やっぱり、シルベリアで盗賊みんな殺してしまったこと、ずっともやもやしとったのじゃ。
しょうがないのかの? 他にやりようなかったのかの?
アレでよかったとも思うし、アレは最低じゃとも思うのじゃ。
どうすればよかったのかのう。
いいことしたのかの?
それともわし悪いことしたのかの?
答えが出んのじゃ。
もうちっと、勉強すればわかるのかの?
おとなになれば、わかるのかの。魔王になれば、わかるのかのう?
とにかく、答えが出るまで、わしはもう人間を殺さないことにしたのじゃ。
うまくできるか、わからんがの。
夏休みずっと旅しておったので宿題をまったくやっておらん。
ちと早めに帰ったこと、許してほしいのう。
まあひさびさに兄上が帰ってきておったのじゃ。そっちをかまってほしいのう。
……あれはキャロルから逃げてきたの。わしにはわかるわ。
明日から二学期開始なのじゃがまだ宿題が終わっておらん。
読書感想文がもう一冊あるのじゃ。
短い手紙ですまんのじゃ。
1029年8月31日 ナーリンより。
次回「ヒールは貴重じゃ」




