56.パルタリスにてじゃ
パルタリス到着じゃ!
さすがにここまで田舎じゃともう強盗も出ないわの。
強盗だの野盗だのは金持っておるやつを襲わねば商売あがったりじゃからの。こんな田舎町に出るわけないわの。
御夫婦と三人でのんびりした旅じゃったぞ。
途中の川辺でキャンプしたりのう。
久々に水浴びできたわ。
わしもちと臭くなってきたからの。魔王城の大浴場が楽しみじゃ。
夜は番をするので徹夜じゃから、昼間はだらしなく荷馬車で寝てたのじゃ。
強盗が出たら起こせというての。出なかったがの。
お世話になった御夫婦とも、ここでお別れじゃ。
パルタリスを出たら一気に送召喚でタリナスに飛ぶ予定じゃ。
タリナスはかつての魔王領前の最前線都市。それなりに大きい強固な城塞都市じゃ。今では魔族との交易所が建っておる。わしも母上に連れられて子供のころに来たことがあるのでの、思い描いて送召喚で飛べるはずじゃ。
パルタリスはほんと旅の途中の宿場町。なんもないわの。
安宿に泊まって明日の準備じゃ。
タリナス交易所の主人、竜騎士のトリティがやっておったかの?
今はドラゴンの発着場もあるはずじゃ。
ドラゴンを使って帰るのもいいのじゃが、送召喚のテストだからの。
自力で飛べるか試してみるわ。
シルビスがくれた腕輪もあるしの。魔力消費を三分の一にしてくれる、つまり魔力を三倍使えるという逸品じゃ。
今日のうちによく休んでおくぞ。
再会を楽しみに待つのじゃ。
1029年8月14日 ナーリンより。
次回「二年生 二学期じゃ」




