第51話「転・2つの世界」
名前◇初級基礎スキル「美食技法」
希少◇N
分類◇基礎_技術と食材_回復や補助
解説◇攻撃の他に、回復や補助のバフ・デバフの付加価値が付いている基礎スキル。基礎なので漢字に英語カタカナは付けない。
技スキルの中に全て回復と追加効果が付加されているスキル、美食を探求するための技術の法として特化した初級スキルとなっている。
消費マナも少なく回復も実行できるので、下手に倒れることがないように設計されている。その為、相手のHPを減らす事は苦手である、まずは自分が生き残ること。
なお、体質の「美食技法」は応用技に入るので初級とは呼べない。
火肉、火属性・動物の型、攻撃力小、HP回復小、効果・HPアップ。
水穀、水属性・穀物の型、攻撃力小、HP回復小、効果・物理アップ。
土菜、土属性・野菜の型、攻撃力小、HP回復小、効果・特殊アップ。
風卵、風属性・鳥の型、攻撃力小、HP回復小、効果・素早さアップ。
氷実、氷属性・果実の型、攻撃力小、HP回復小、効果・魔法アップ。
雷杯、雷属性・コップの型、攻撃力小、HP回復小、効果・持ち物アップ。
鋼糧、鋼属性・兵糧の型、攻撃力小、HP回復小、効果・吸収。
光鮮、光属性、鮮度の型、攻撃力小、HP回復小、効果・睡眠。
闇酵、闇属性、発酵の型、攻撃力小、HP回復小、効果・沈黙。
和斬撃、斬撃、和食の型、攻撃力小、HP回復小、効果・自己再生。
中華打撃、打撃、中華食の型、攻撃力小、HP回復小、効果・かばう。
洋射撃、射撃、洋食の型、攻撃力小、HP回復小、効果・バリア。
姫は咲に、この先の行動方針を伝える。
「咲、お前これから先のイベントでは氷魔法を使え、今の場合だと氷実だな、たぶんその方が良い方向に転ぶ。まあオーバーリミッツは火で良いんだけどさ……」
「ん~、一応聞くけど何で?」
「ん~、結局まだ上手く言語化出来ないんだけど〈そんな気がする〉って感じになるんのかな……? でも良かれと思って進みたいのならたぶんそっちの方が良い」
「ん~、解った考えとく」
上手く飲み込めないが、何となく理解はできた。
GMの姫は、中学1年生組に対してイベントを課す。
中学3年生の蒼葉は今回欠席、わかりやすさ重視でこの5人組を〈ズッコケ5人組〉と呼ぶことにした。本当に路上でズッコケる必要は無いが、ヘマをした5人組という意味合いが強いかもしれない。
「今回ズッコケ5人組の任務は、咲のフォローな、難易度は下の2段とかそんな気持ちで進行するから、変な迷惑や邪魔はしないように」
GMの姫は、まず桃花の治療を専念するようなイベントを咲に告げた。
「まあ桃花や咲が遊びたいのは山々なんだが、まず現実世界の桃花の体調の悪化は、これ以上見過ごせないから、使える手は何でも使う感じでやろう」
咲はそれに大いに同意し、了解した。
「うん、解ったけど。え? それも私がやるの?」
「1番手が速いからな、それで効果があったらそれでいいし、効果が無かったら〈刻印書の儀式〉をやらなくちゃいけなくなる」
「で、イベントの内容は?」
GMの姫は、改まった態度で進行する。
「これはおそらくになるんだが、ドアの世界を2つ跨ぐ必要があるかもしれない。具体的な状況としては、吸血鬼大戦の世界、ワンシーンを咲が見つけ出す作業が1つ、もう一つが風の妖精リスクの世界で信条戦空が自分自身に心臓マッサージをしている現象……、桃花とオーバーリミッツの出所は見当がついているが、風の妖精リスクの症状は正直何も見当がつかない、両方とも左胸に関係があるとは思うが。ちょっと深く探さないといけないかもしれない。解っている事としては〈自分が自分で心臓マッサージをしている〉という情報だけじゃ、あとはもう本気で忘れた」
「ふむ、じゃあ風の妖精リスクから行くよ」
咲は何となくそっちの方角かな、と当たりをつけて姫にそう言った。
「ああ、そうだな風の世界の情報が無さすぎる、ドア開けていいから情報収集よろしく。桃花の方は目星が付いてるから当たりは解ってるがリスクが解らん。とにかく頼む」
《咲は、GM天上院姫から風の妖精リスクの世界への鍵をもらいました!》
「うん、じゃあちゃっちゃと入って中身を確認してくるね!」
咲とズッコケ5人組はドアの世界という宇宙空間へ一度入って、1つのドアに目星をつけ、鍵を使い開ける。
どうやらこのドアは自分で開けたら手動で閉めない限りずっと開けっ放しらしい。咲は風の妖精リスクの世界のドアを開けて、中にはいってから、ちゃんと〈世界を内側から〉鍵を閉め直した――。
ドアの世界、その先で待っていたには風の妖精リスクの世界だ、眼下に広がるのは、雲を突き抜ける山頂、吹きつける風はひんやりと冷たい。ここは天界と呼ばれる場所だった。
咲は単独で空中に浮いていた。一方、ズッコケ5人組は地上の山頂に立ちすくんでいる。気温は当然寒い。
咲は一度深呼吸してから、まず自分自身に血脈が有ることを確認する。
「じゃ、この世界を進んでみますか。流石にこの世界じゃ飛ばないと話にならなそうだから飛ぶけど……」
だがズッコケ5人組はまだ空を飛べない……。
幸先が悪いなと思いながら、まず最初に目についた一番大きな天空都市へ向かって飛んでいった。
空中に1人、地上に5人という編成での進行だった。




