第50話「承・目指すべき世界の前提条件」
今現在歴2037年11月28日〈金〉
思いっきり遊ぶ前にまず現実問題の方を片付ける事から始めるために運営会議が開かれた。
居るのは天上院咲、天上院姫、湘南桃花、秘十席群。
GM姫が言う。
「まず記憶の齟齬や誤解をまとめるぞ。キャラをご飯だと思って食べていたのは親の思想で、原作者は〈キャラを何だと思っているんだ〉と思い、シャナは〈キャラを食らえず〉の理を入れた、なので原作者はキャラを面白いことをしてくれる道具みたいに扱わず、まずはちゃんとご飯を食べさせてあげる所の意識改革、傲慢とか暴食とかに惑わされず、ちゃんと原作者がキャラにご飯を食べさせてあげること。自分で気がつく事だと思う」
もちろん、湘南桃花や秘十席群はこの〈キャラを何だと思ってるんだ〉という怒りについては、家に1人だったし絵描いてもいない。言う相手が居ないので沈黙ただ一つである。ついでに世界の理に〈人間を食らえず〉というのが打ち込まれたのだって、吸血鬼大戦が終わった後の話であって、もちろん変わったことさえ知らない。
ついでに、0から1を生む能力の事も他人に一切言及しておらず、原作者は誰かが知っていたとも思っていない。
そして、可能性は自分で作らなきゃ0だと言うことも知らされておらず、自分で作らなきゃ1にならない事も言っていないし教わってもいない。自分で気がついただけの状態。
〈自分自身〉が汚染想子により〈自業自得〉なっていたことにより、自分自身と認識することが出来ず。更に難解になる。
で、諸々の事情が重なった結果。2025年の現実世界ではこうなっている。
つまり、超強い力として振るわれている力の源である〈心氣〉という言葉に米が付いていたことから。価値が一番高い食べ物として現実世界で作用して、米の価格が高騰。
キャラが食べられないという理になっている以上、このエネルギー源である心氣を食べるしか無かった。
……と考えれば、西暦2025年のお米事情にも説明がつく。
なので〈目指すべき世界〉の前提条件として〈友達がお腹いっぱいご飯を食べれる世界〉とは、つまりキャラクターのことであり。
この現実世界のお米の価値が高すぎて食べられない問題はつまり。
文字でも作用していることを考えると。
米、肉、菜、などを最底辺の基礎魔法やスキルに組み込めば解決できる事になる。
GM姫は確認するように聞く。
「ここまでは、今、初めて聞いたよな?」
湘南桃花と秘十席群は、まるでパパの作る料理が好きで、トマトが嫌いだが、好物はトマト・ア・ラ・モード〈ルドガーの料理がおいしすぎてトマト入りと見抜けなかった為〉。みたいな感じになっていた。
「もちろん、まったく知らなかったし、聞いてなかった、いや教わらなかった」
「何で今お米の値段がこんなに高いの? ぐらいの認識だったよな?」
少年時代と青年時代の狭間、ぐらいの認識である2人は、この大人社会が自分達の手の中による意思決定で回っているなんて、思っても、願っても無かったからこうなったし。夢は夢だと思っていた、夢と現実はイコールでは無かったのだ。
で、GM姫は前提条件を長々と話説明し終わった上で……。
「てー訳だから、今回の物語のお題は〈初級魔法&スキル〉を考えよう! という話じゃ!」
やっと本題に入れたと思うのは天上院咲。
「心氣心氣心氣と言ってたらこうなったって訳だからね。だから初級魔法で〈火鳥〉とか言えばこの問題は解決すると思われる」
GM姫もコレに続く。
「初級魔法で良いってことは今回は単純明快が求められるわけな!」
「なるほど、つまり。火・水・土・風・氷・雷・光・闇・斬撃・打撃・射撃のスキルの中に食べ物くっつければ良いわけね」
一応、原因を作ってしまった湘南桃花が案を考えた。
「火肉、水穀、土菜、風卵、氷実、雷杯、光鮮、闇酵、和斬撃、中華打撃、洋射撃でどうよ? ほぼ料理人のスキルみたいだけどさ……これ皆に教える基礎スキルになるの……?」
やっぱりちょっと面白さ論点からは外れてるので、不自然に感じる桃花。
「他のアースならともかく、始まりの地であるこの場所で原種が伸びないと、外界の発展も発育も、食事が出来ない事になるから……やっぱり基礎じゃね……?」
現実世界の状況が深刻すぎるので、やはり全職業の底辺基礎スキルにすべきだと、GM姫は思った。
GM姫や桃花だって、自分達が食べてないから皆食べれない、はやっぱり良い気はしない。
秘十席群もこれに対しては同意する。
「基礎中の基礎として根付かせて、あとはそこから発展させるような形にしたほうが良いと思うぞ? これが出来てからじゃないとオリジナリティは出さないほうが良い」
ごもっともな意見だった。
「じゃあ、全職業のルーキー職がこのスキルを覚えられる訳か」
そうしないと、あとあと皆苦労する、というかもう苦労している。
次の世代〈中学1年生〉とかにこの苦行を引き継がせないためにも、遅かれ早かれ、今できる早い段階で手は打ったほうが良い。
「というわけで、全校生徒に教えるの決定。咲、中学生徒達に教えてみて」
「また私が最初かよ!? ……まあいいけど」
足も手も速い咲だから1番手が回ってくるのは仕方がないことなのだが。
未知の第一歩を踏み出せるのは、まんざらでもなさそうだった。
「共に苦しむ仲間もいる、見守ってるよ」
と、秘十席群は遠くから見守る姿勢に入った。




