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ドアの世界~少女は異世界ゲームで名を揚げる。~  作者: ゆめみじ18
第4章「咲の教え子達」西暦2037年11月26日

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第47話「転・咲の剣と授業」

 今現在歴2026年10月18日午後12時00分。

 ルミネ市アドバンス地区、桜ヶ丘公園。


 ガチャリ、と摩訶不思議な扉が開かれた。

 場所としてはあまり不自然にならないように、ドアの世界とコンビニのトイレの出入口を繋げた形となる。防犯カメラはあるのがちょっと気になるが……。

 まあ、地元だし何とかなるだろう、と天上院咲は思った。


 右手専用装備、真昼ノ剣に宿る名はマゼンタ。

 左手専用装備、真夜ノ剣に宿るはシアン。


 2人はようやっとこの少女から解放された事を知る。

『やっと気づいたか、この天然記念物は』

『まあ選択肢が無限に有る状態じゃ仕方ない』


 咲は流石に無理だったよ。とツッコミを入れる。

「まさか吸血鬼大戦の本編が日本の真夜中0時だったから、地球の反対側の空は真昼のアメリカ大陸だとは思わないじゃん? 気づくのには流石に時間かかるよ!」


 あと、全ての世界が自分自身の手でどうにかなるとも思って無かったし。持ち込んだり持ち込まれたりも流石に解らなかった。

 まあそれはそれとして置いておいて……。

「あんた達2人という存在は、もうデータだから、この時代のネットの世界に送れば帰ったことになるのかしら? まあコピーして人格増やしてもいいけど、それはめんどいし、ややこしいし……嫌だな……」


 今現在歴2026年10月4日午後1時30分が、こちら側ではなく、あちら側(・・・・)の時間進行なので。一応2週間空けている、この時代には最果ての軍勢も居るし、日曜双矢の高校生活と大学生活のチケットももう保証済みだ。

「ここまで地盤固めをしたのだからあとはそっち側で何とかしてよね?」


 と、一緒に生活を共にした相棒2人にダメ押しをする。

「べ、別に寂しくなんか無いし! 帰って来ても良いんだからね!?」

 何故か珍しいツンデレをしている天上院咲。そりゃ捕まえたペットを飼い主の元へ返すのだから寂しくもなるだろう。キャッチアンドリリースとは言わないが、流石に愛着がある人格2人だ。


 目標にしていた自分物達が実は自分達でした、じゃ洒落にもなっていない。


『……フフ、じゃあまた会おう、そう遠くない未来で』

『吸血鬼大戦の頃よりかは、待たせないさ』


「……うん、サプライズを楽しみに待ってるね!」

 どんなサプライズかは流石に解らない、何せ暴れに暴れ回ったからどれがトリガーになっているのかも解らない。


「じゃ、また後で」

 そう言って、天上院咲はマゼンタとシアンというその存在を。

 スマホでネットワークの海に送信して、キャッチアンドリリースした。

 ――ピッ――。


 天上院咲は大空を見上げた。

「繋がってるんだね、全て……」

 ポエムでも考えそうになったのをやめて、さっさと桜ヶ丘公園から近くのコンビニへ入り、トイレのドアを開けて、閉めたと思ったら、消えた……。



 ドアの世界、エレメンタルワールド、アース018。

 今現在歴2037年11月26日〈水〉

 天上院中学校1年1組の教室。


 風景画を描く場合の線の引き方を初心者6人に咲は教えていた。

「で、ここで重要なのは不特定多数の読者の為じゃなく、一番見て欲しい誰か1人のためにかく。この場合1人に狙いを定めて能力を執行する、これが結構大事なの、自分と相手、そのためだけに」


 漫画を描く時に言うなら〈想定読者〉と言うのだが。例えば、20代読者の男性のオタクを想定読者として描く。これ自体は素晴らしい目標だし間違ってはいないしこれ自体はむしろ正しい。


「でも私はそれでも甘い(・・)と思ってる、ゲームで言うなら〈想定読者〉は超大規模攻撃、〈20代男性のオタク〉でも結局は広範囲攻撃、対象範囲を単体攻撃に絞らないといけないの。この教室では私〈天上院咲〉のために描く、を意識してみて」

 

 この場合、自分と想定読者、2人だけの関係になって、じゃあ担当編集者は? という疑問になるかもしれないが。編集者は第1読者の理解者、一番始めに見る読者であって、想定読者とイコールだったり、そうでない時がある。

 基本的に編集者は社会人の大人なので、想定読者が10代男性だった場合、そのピントが微妙にズレる。

 だから、担当編集者に意識を向けまくっていると、本当に届けたい読者に対して滅茶苦茶ピントがズレてしまうという失敗ケースはむしろ多い方である。


 狙いの的が、最初から違う。その結果線を引く、読んでもらいたい対象相手がはなっから違う〈的外れな絵〉が出来上がってしまうというのは本当によくある話なのだ。


 で、話を今の王と契約した術者に当てはめると。

 不特定多数でもなく、心優しき皆のためにでもなく、王のためでもなく、自分のためでもなく、天上院咲のために能力を執行する。その為に線を意識的に引く、という訓練である。


「難しいことは解ってる、でもこれを意識しないと〈自由〉ではあってもどんどん間違った方向に〈線〉や〈字〉をかいてしまうの」

 一番大切な人というわけでは無い、一番意識して想いたい人、の方がしっくり来るかもしれない。


 それがある意味、一番安全(・・)な道……。あえて道を外れて常識破りで型破りな方法論で突き進んでも良いが。天上院流の基礎の型(・・・・)はここだ。


 型を覚えた格闘家は強い。

 型破りをするのは、きちんと基礎の型を覚えたあとの発展形である。

 だから咲はテンプレ主義なのである。


「では風景画を再開して」

 咲の合図と共に、6人は手を動かし始めた……。


 始まりの世界やオープニング、天上院咲のためにかいてみる、仕上げに数字番号を入れる、というやり方で進んでみた。

 

 教室には〈冷静になれる氷の魔女の守護祭壇〉が、ただ静かに鎮座していた。


 流転のウオヤ

 〈契約した事象王〉

 通称◇石ノ森章太郎〈いしのもりしょうたろう〉、今現在歴1998年没

 王具◇えんぴつ

 心源色◇黒

 性格◇正義でも悪でもなく、精一杯生きている人間が好き。

 〈描いた風景画〉

 テーマ◇始まりの世界

 対象者◇天上院咲

 心象番号◇RE:777

 描写内容◇森と川。


 紡ぎ手のカナイ

  〈契約した事象王〉

 通称◇コンスタンティノス・カラマンリス、今現在歴1998年没。

 王具◇リコーダー

 心源色◇青

 性格◇????

 〈描いた風景画〉

 テーマ◇始まりの世界

 対象者◇天上院咲

 心象番号◇S24

 描写内容◇空と鳥。


 伝言ゲームのカミムシ

  〈契約した事象王〉

 通称◇毛沢東〈もうたくとう〉、今現在歴1976年没。

 王具◇コップ

 心源色◇赤

 性格◇????

 〈描いた風景画〉

 テーマ◇始まりの世界

 対象者◇天上院咲

 心象番号◇東116

 描写内容◇人と旗。


 渡り鳥のタネムシ

  〈契約した事象王〉

 通称◇エビータ・ペロン、今現在歴1952年没。

 王具◇古びたカメラ

 心源色◇白

 性格◇????

 〈描いた風景画〉

 テーマ◇始まりの世界

 対象者◇天上院咲

 心象番号◇白花19

 描写内容◇花畑とエンジョイ。


 忠義のイヌゾウ

  〈契約した事象王〉

 通称◇アーネスト・ヘミングウェイ、今現在歴1961年没。

 王具◇本

 心源色◇???

 性格◇???

 〈描いた風景画〉

 テーマ◇始まりの世界

 対象者◇天上院咲

 心象番号◇N7

 描写内容◇読書をして微笑んでいる咲。


 桜愛蒼葉

 〈契約した空想王〉

 通称◇シルフ・デルタストリーム

 王具◇風車

 心源色◇緑

 性格◇性格は〈勝ち気〉スキルは〈全ての空は繋がっている〉〈謎の乱気流〉〈空を自由に飛ぶ能力〉〈ウエザーボール〉など、意外と強力なスキルを合わせ持っている。

 〈描いた風景画〉

 テーマ◇始まりの世界

 対象者◇天上院咲

 心象番号◇E81

 描写内容◇雲の王国ピュリア。


 一通り6人が風景画を描き終わった所で、この授業は一旦終わり休憩時間に入った。


 教室の横で天上院咲の横に居た、天上院姫がこの世界の〈名付け〉について議論する。

「他のアースだと〈名付け〉するだけで上位種族に進化するのはアリなんだけどさ。うちらのアースの場合〈衣装決め〉したほうが存在力は上がるよな?」


「あーキャラクターデザインの事? 確かにそうだね、最近その価値も希少価値が出てきてると思うし、滅多なことがなければやらないしアレは時間がかかるもんね」

 感じとしては体質タイプは個別にあるが〈名付け〉をしたら位は上がるし、〈衣装決め〉をしたほうがもっと位は上がる。と思って間違いないだろう、何よりその設定があったほうがキャラデザの進行が捗る。


「名称何だろうな? 〈衣決め〉? 〈衣装決め〉? それとももうちょっと凝った固有名詞にするか?」


「ん~、〈衣装(いしょう)儀式(ぎしき)〉で良いと思う。変にこだわらず万能型だから。実際作業をするから実質本当に儀式だし、上位的存在になるのはもちろんだけど、むしろ2次元から3次元に変わるくらいの桁違いの次元の存在値になる、とかで良いと思う」


 咲もその設定追加には同意する。

「だよな~、流石に〈名付け〉だけ設定してるのはいつも事だし、それが物語に落とし込めるのなら〈衣装の儀式〉をしないと、イラスト発注も、アニメ化にも向いていない事になるもんな……本当はイラスト化の儀式や漫画化の儀式もあったほうが良いけど」


「まあ言いたいことは判るよ、それは今度で。とりあえずキャラクターデザインが無いと、イラストも漫画も作れないから〈衣装の儀式〉の設定追加には賛成かな」

 ということで、咲と姫のこのターンの授業は終了した。

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