23.天使化と巫女騎士と使徒の証
「兄貴ーー! スゴイだ! 兄貴の言う通りにしたらいつもよりも楽に倒すことが出来ただ!」
猪の獣人・猪人のアルベルトは満面の笑みを浮かべながら俺に駆け寄ってくる。
いや、俺はただ猪突猛進を止めさせ立ち位置を改めさせただけなんだが。
多分、アルベルトに戦いを教えたじっちゃんも同じことを言っていたはずだ。
アルベルトの事だから忘れていそうな感じだが。
「兄貴はやめろ。兄貴は」
「何でだべ? 兄貴はこんな田舎者のオラを助けてくれただ。戦いを教えてくれただ。だからオラにとっては兄貴と呼べるお人だべ!」
その理屈だと今まで会ってきた冒険者も同じような事が言えるんじゃないのかよ。
「鈴鹿~良かったじゃん。いい弟分が出来てさ」
トリニティはここぞとばかりにニヤニヤしながらからかい始める。
それどころかアイさんまでも便乗してきた。
「兄貴分として鈴鹿くんはみっともないところは見せられないわね」
「アイさんまで・・・やめてくれよ。そんなつもりでアドバイスしたんじゃないし」
「あ、兄貴・・・オラが兄貴と呼ぶと迷惑だか?」
俺が少し強く否定していると、アルベルトが悲しそうな顔をしてこちらを伺っていた。
今にも捨てられそうな子犬みたいな顔をして目に涙をためている。
・・・お前は猪の獣人じゃないのかよ。
「あ~分かった分かった。兄貴でいいよ。
ったく、お前も男ならもう少しどっしり構えてなよ。そんなんじゃルーナを守り切れねぇぞ」
「わ、分かっただ! どっしり構えるだな、兄貴!」
さっきまでの弱った様子と打って変わって、今度はふんっと鼻息を噴きながら胸を張っていた。
俺達はその様子を見て思わず笑ってしまう。
そんな俺達を見てまたアルベルトは何か失敗したんじゃないかとおろおろし始めた。
おろおろし始めたアルベルトを見てまた俺達は笑う。
先ほどまでのオークの群れとの戦いが嘘のようにほんわかした雰囲気に包まれた。
日も落ち当りが暗くなってきたので俺達は明日に備え休むことにする。
俺はアルベルトのうっての願いでアルベルトの住む小屋に寝泊まりすることになった。
アイさんとトリニティとは神殿の中の宿泊部屋での就寝だ。
勿論小さくなっているスノウは2人に可愛がられるため一緒だ。
因みに夕食は外で4人でバーベキューをした。
材料は倒したオークだ。
最初はちょっと遠慮がちだったが、食ってみると意外と美味かったので皆でこぞって食べまくった。
トリニティの話によるとオークの肉は食材として普通に流通しているらしい。
ルーナはどうしたかと言うと、今は月の欠片の生成で祭壇の前から離れられないみたいだ。
道理でオークの群れが襲ってきた時も出てこなかった訳だ。
最初は結界があるから心配ないとか、アルベルトを信頼していたのかと思ったがどうやらそうでもなかったみたいだ。
と言うか、確か月の欠片が出来るのが明日の昼頃って言ってたよな?
ほぼ丸一日付釘付けで生成って、もしかして無茶な要求をしていたんだろうか?
「大丈夫だべ、兄貴。月の欠片の生成は巫女の仕事の1つだからルーナ様は何も言わなかっただ」
アルベルトの住まう小屋で俺達はそれぞれのベッドで休んでいると、バーベキュー時に居なかったルーナの事を思い出したので聞いてみると返ってきた答えはそれだった。
「お前、本当にルーナの事を好きなんだな」
「なななななっ!? 何のことだべか!? オ、オラはルーナ様を守る剣であり盾でもあるだ。そんなことに現を抜かしている暇はねぇだ」
「あー、分かった分かった。そう慌てるなよ。
剣であり盾か・・・差し詰め月神の巫女の騎士――巫女騎士だな」
「おお・・・巫女騎士、カッコいいだ」
「勿論それに見合うだけの実力を身に着けなければ名乗れないぞ?」
「分かっただ! ようし! 明日からも頑張るぞ!」
余程肩書が付けてもらえたのが嬉しかったのか、アルベルトはベッドの中ではしゃいでいた。
見た目は二足歩行の猪で強面風に見えるが、中身は純粋な子供みたいだ。
まぁ、こいつの今までの環境を考えればまだ成長段階の子供みたいなので間違っちゃあいないか。
「そう言えばあのオークキングはアルベルトを迫害してたわけだよな。お前よく今まで生きていられたな」
仮にも王の名を冠するモンスターだ。今でこそ力を身に着けたアルベルトなら対抗できるが、それこそ力の差は歴然だったはず。
「あのオークキングは手を出さず、部下たちに指示してオラを虐めていただ。それを眺めて喜んでいたべ」
「モンスターの中にも虐め社会があるのか・・・」
「オラここに来るまで虐められるのが普通だと思っていただから、ルーナ様やじっちゃんに優しくされたときは最初は戸惑っただ。
そんなオラを優しく迎えてくれたルーナ様達には感謝しているだ。
それを壊そうとするオークキングは許せないだ!」
「オークキングを倒せばお前があの群れのボスになるな。どうする? 群れにも戻って王様になってみるか?」
オークキングを倒してしまえばあのオークの群れは烏合の衆だ。
今のアルベルトには敵わないだろう。そうなるとアルベルトがあのオークの群れを率いるのも1つの選択でもある。
俺は冗談でアルベルトに提案してみるが、当然のようにお断りされた。
「冗談じゃねぇべ。オラ二度とあんなところに戻るつもりはねぇだ」
「まぁそうだよな。
お前がオークを率いて神殿の守るのも面白いかと思ったんだが・・・お前は獣人だもんな。モンスターの群れに戻るってのも違うか」
「それ以前にオークに神殿を守らせるって、冗談にしてもキツイだべ。
タダでさえここには訪れる人が少ないのに、オークが守ってちゃ誰も来なくなってしまうだ」
「ごもっとも」
この後も俺とアルベルトは冗談も交え、他愛も無い事を夜遅くまで語り合った。
隣のベッドのアルベルトは余程楽しかったのか、笑いながらいびきをかいて寝ていた。
明日になれば別れることになる一期一会の出会いではあるが、そんなアルベルトを見て俺は思ったよりもこんな弟分も悪くないと思う自分が居た。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
――AL103年4月2日――
次の日の目覚めは唐突だった。
再びあの大気が震えるような大きな音が響き渡ったのだ。
結界を攻撃する時に響き渡る音だ。
まさか昨日の今日でまたオークの群れが襲い掛かってきたのか?
一人で突進しようとしたアルベルトを抑え、装備を整えた俺と一緒に森側の方の結界の端へ走る。
そこには昨日と同じオークの群れが結界を殴っていた。
但し1匹だけ、昨日と違うものが見られた。
オークキングの背中に天使の翼が生えていたのだ。
「天使化・・・だと」
「兄貴! あのオークキングの背中に生えた翼は何だべ!?」
アルベルトはオークキングの見たことのない現象に戸惑っていた。
俺はそれに応える余裕は無い。
ジパン帝国の戦争で突如乱入してきた第三者の天使化オークキングの事を思い出していた。
最後にはジパン帝国の本当の守り神である天使化オークの協力の元で倒すことが出来たが、ハッキリ言って強さは普通のオークキングよりは桁違いと言えた。
「・・・やべぇな。アルベルト、覚悟しておけ。あのオークキングは今までのオークキングと別物だと思え。
あれは天使化と言って、途轍もない力を得る翼だ」
「あ、兄貴でも敵わない程だべか!? 何で急にそんな力が・・・」
「さぁな。だけど結界があるのならまだやりようはあるな。
要は今までと同じだ。ヤバくなったなら結界内に戻って・・・っ!?」
俺は心を落ち着かせるために、深呼吸をしながら策を練る。
幸いこちらにはモンスターの攻撃を防ぐ結界があるんだ。それを上手く利用するれば天使化だろうが対処できるはずだ。
そう思っていたんだが、なんと天使化オークキングは悠然とその結界を越えてきたのだ。
何でモンスターが結界を越えて来てんだよっ!?
もしかして天使化だから結界が無効化されたのか・・・!?
「ぐふふ。驚いているようだな。今の俺様にはこのような結界は何の障害にもならん。
さぁて、約束通り出来損ないを血祭りに上げてやろうか。
おい! お前らは引き続きその結界を攻撃していろ!」
天使化オークキングは気色悪い笑みを浮かべながらアルベルトを目線に捉える。
そしてルーナどころか神殿も手に入れる為か、結界を壊すためオークの群れに指示を出す。
「ちょっ!? 何でオークキングが結界の中に入っているんだよ!?
と言うか、あれ何なんだ!? ・・・もしかしてあれが噂に聞いた天使化か!?」
「あら、あれはちょっと厳しいわね・・・」
背後からはトリニティとアイさんが駆け寄っていた。
トリニティは初めて見る天使化の減少に驚愕していた。
アイさんも天使化オークキングに戸惑いを感じているみたいだ。
「アイさんとトリニティは結界の外のオーク共を倒して来てくれ。
俺はアルベルトと一緒にあのオークキングと倒す」
いくら結界があるとは言え、こうもどんどこ音を鳴らされて結界を揺さぶられれば不安が煽られる。
早々に退場いただこう。
流石に30匹ものオークはトリニティ1人じゃ無理だからアイさんも一緒に行ってもらう。
「2人だけで大丈夫? あの天使化は思った以上に厄介よ」
「分かってる。それはのじゃー大戦の時に十分しみてるよ。
何も勝算が無いわけじゃない。多分だが天使化になり立ての今だと十全に力を発揮できないと思う。その隙を付ければ勝てるさ」
確かにアイさんの言う通りたった2人で天使化したオークキングに挑むのは無謀にも思える。
だが昨日は天使化の力を使わず今朝になって天使化して現れたと言う事は、まだなり立てだと言う事だ。
確かに天使化の力は凄まじいが、あれほどの力を使いこなすにはそれなりの鍛錬や時間が必要なはず。
それにまだ天使化の力が馴染んでいない可能性もある。そこを付けば天使化の力を乖離出来るかもしれないしな。
「分かったわ。無茶はしないでね」
アイさんとトリニティは結界の外のオークの群れに向かって行く。
俺とアルベルトは改めて天使化オークキングと対峙する。
「散々俺様に逆らった報いを受けてもらおうか」
天使化オークキングはアルベルトを睨みながら武器の棍棒を構える。
但し、棍棒は棍棒でも長さ3m・太さ5cmの先端に装飾が付いた棍だ。
まるで西遊記に出てくる孫悟空の如意棒だ。
・・・まさか本当に如意棒ってことはないよな?
「オラ何度も言っただ。おめぇには従わねぇって。オラが従うのはルーナ様だけだ!」
アルベルトもハルバードを構え天使化オークキングへと向ける。
俺もユニコハルコンを構えながら天使化オークキングへ質問をする。
「おい、豚。その力どうやって手に入れた?」
「ん? 何だ人間如きが。お前みたいな屑を相手している暇はない。特別に見逃してやるからとっと尻尾を巻いて逃げな」
今初めて俺に気が付いたかのように天使化オークキング・・・いや、この豚が路上のごみを見るかのように俺を追い払おうとする。
・・・ほぉう、この豚いい度胸してるじゃないか。
たまたまちょっと天使化の力を手に入れたくらいでいい気になって・・・どうやら余程ただの人間に殺されたいらしいな。
「尻尾を巻いて逃げるのはてめぇだろ、豚。大体豚を天使化って正に豚に真珠だろ。
豚に真珠って意味分かる? ああ、豚だから分からないか」
「ほぉぉぉう、人間・・・いや、猿の分際で俺様に逆らうのか。猿は猿らしく猿回しでもやっていればいいものを。
ああ、己の力も把握できない猿だから猿回しをするんだな」
「ははははは、中々旨い事言うじゃないか」
「ぐふふふふ、面白い事を言うな」
「あ、兄貴・・・?」
突如笑い出した俺と豚にアルベルトは慌てふためくが、悪いがそんなことを気にしている余裕は無い。
「「ぶっっ殺す!!!!!!」」
豚は棍を俺に向かって振り下し、俺もユニコハルコンを横薙ぎに振るう。
数ミリ横を棍がすれすれで通り抜け、俺の放った攻撃は豚の体に届く前に翼によって阻まれる。
ちぃ! あの翼、防御にも使えるのか。
お互いの初撃が不発に終わるも、続く攻撃が俺と豚を挟んで繰り広げられる。
剣姫流はステップを繰り返し己の立ち位置を常に変えていく流派だが、今回は敢えて豚の正面に立って攻撃を放ち続ける。
「アルベルト! 俺がこの豚を正面から引き付けるからお前はその隙をついて攻撃しろ!」
そう、この豚の攻撃を俺が引き付けてアルベルトが横合いから攻撃を仕掛ける作戦だ。
「ぐはは! やはり猿は猿だな。敵の目の前でわざわざ作戦を立てるとは頭が足りない証拠よ」
「ハッ! ワザとてめぇの真ん前で作戦を立てているんだよ。分かっていたところでてめぇはアルベルトの攻撃を防げないからな。
何故ならてめぇはアルベルトの攻撃を意識する余裕が無くなるんだよ!」
俺はステップと剣戟を合わせた剣姫流の基本技である剣舞――剣姫一刀流の剣舞嵐刃の速度を上げる。
それに伴い豚は俺の攻撃を躱しきれずに傷を負っていく。
奴は頭に上った血が防御よりも攻撃を優先させるので俺の攻撃速度が上がったことにより躱しきれなくなっているのだ。
俺が豚を煽っているのもこのためだったりする。
決して猿呼ばわりされたのがムカついたからじゃない。
ついでに奴の敵意を俺に向けることで、アルベルトの攻撃に意識を向けさせない様にも仕向けているのだ。
「この・・・! ちょこまかと! 猿は猿らしく紐で繋がれていろ!
棍戦技・旋風棍!」
痺れを切らした豚は横薙ぎの一撃を放つ。
俺はそれをバックステップで躱すが、それを狙っていたのか豚は続けざまに突き技の棍戦技を放つ。
「棍戦技・穿纏棍!」
周囲を削り取る棍戦技の捻纏棍に比べれば、下位戦技である穿纏棍は左程驚異の戦技ではない。
だが、天使化されたオークキングのパワーから繰り出される穿纏棍は捻纏棍に匹敵する威力があった。
豚から放たれる戦技が俺に突き刺さろうとするが、その前に豚の脇腹に重い一撃がぶちかまされ無様にも横に転げ落ちた。
「斧戦技・グラビティストラッシュだべ!」
アルベルトだ。
豚は思った通り俺に挑発され、つい先ほどまで怒りの矛先を向けていたはずのアルベルトの事が頭から抜けていたのだ。
アルベルトの重力を纏ったハルバードは豚を吹っ飛ばしながら脇腹に大傷を負わせたが、豚は直ぐに治癒魔法を唱えて傷を癒す。俺の付けた小さな傷も一緒に癒される。
天使化と言うのはマジ厄介だな。
豚のくせに治癒魔法まで使いやがる。
「くそっ、出来損ないのくせにやってくれたな!」
「その出来損ないに無様に転がされているてめぇは何なんだよ。豚のなりそこないか?
言っておくがアルベルトは出来損ないなんかじゃねぇ。最早てめぇらとは違うんだよ。
そんなことも分からないからてめぇは豚のなりそこないなんだよ」
俺の更なる挑発に豚は顔を真っ赤にさせて肩を震わせる。
こうして打ち合って見て分かったが、やっぱりこの豚のなりそこないは天使化になり立てだと言うのがよく分かる。
のじゃー大戦に乱入してきたあの天使化オークキングと比べると手応えが違うのだ。
剣舞嵐刃で豚の攻撃を上回ったのが証拠だ。
これがのじゃー大戦の時の天使化オークキングだと、多分押されていたと思う。
「くふっ、そうかそんなに死にたいか。ならば望み通り殺してやろう!!」
肩を震わせていた豚は呪文を唱え始める。
やっぱり天使化に慣れてねぇな。
攻撃を仕掛けながら呪文を唱えればいいものの、わざわざ今から呪文を唱えて魔法を放ちますって言ってるようなものじゃないか。
とは言え、今豚のなりそこないが唱えている呪文は光属性魔法のシャイニングフェザーだ。
豚なりそこないのくせに光属性魔法とかふざけてんのかと言いたいが、威力・数ともに笑ってやり過ごせるレベルじゃないことは確かだ。
俺もすぐさま対抗すべく呪文を唱えながら攻撃を仕掛ける。
流石に豚も慣れていない呪文詠唱中は反撃が出来ずに鈍い動きながらも躱そうと体を動かす。
剣姫流は激しい動きをしながらの呪文詠唱はお手のものだ。
豚なりそこないの呪文詠唱完了前に俺の魔法剣が発動する。
「剣姫一刀流・氷華一閃!」
弾丸形態の俺のオリジナルアイスブリットに刀戦技・桜花一閃を合わせた魔法剣が豚に放たれると同時に、背後からのアルベルトの槍戦技が放たれる。
「槍戦技・旋風十字閃!」
横薙ぎと縦薙ぎを合わせた槍戦技が豚のなりそこないに襲い掛かる。
だが豚のなりそこないは俺とアルベルトの攻撃を受けても怯むことはなく、呪文詠唱を完成させた。
くそっ! 豚のなりそこないのくせに丈夫じゃねぇか!
「よくもやってくれたな、この猿回しと出来損ないが!
これでもくらって大人しくしてろ! シャイニングフェザー!!」
豚のなりそこないの背中の翼が輝き無数の光の羽が俺とアルベルトに降り注ぐ。
俺はステップで迫りくる光の羽を躱しながら致命傷になりそうな攻撃のみユニコハルコンで払っていく。
それでも天使化の力で放たれた光の羽の量は尋常じゃなく、全てを躱すことは出来ずに幾ばくかの傷を負ってしまう。
アルベルトの方はと言うと、流石に俺の様な回避が出来るわけでも無く、ただ体を丸めて光の羽の攻撃をやり過ごしていた。
身体能力の高い獣人とは言え、流石にあれだけの光の羽の攻撃を受けて無傷ではいられずにアルベルトは傷だらけになって地面へと臥せる。
「アルベルト!」
「ぐふふ、ようやく跪いたな。お前ら下等生物はそうやって俺様の前で頭を下げてればいいんだよ」
豚のなりそこないはアルベルトへ止めを刺そうと向き直る。
させるかよ!
「剣姫一刀流・刃翼!」
瞬で懐に入り、クロスステップで高速で左右に動きながら豚のなりそこないの両足を左右から同時に切り刻む。
豚のなりそこないの足が止まると同時にアルベルトの元へ駆けつけユニコハルコンの力を借りて治癒魔法を掛ける。
「あ、兄貴・・・」
「アルベルト、しっかりしろ。今お前がここで倒れたら誰がルーナを守るんだ。お前は巫女騎士になるんだろ?」
「そうだべ・・・オラはまだこんなところで寝てられねぇだ」
「そうだ、あの豚のなりそこないを倒すんだ。待ってな、今治癒魔法を掛けてやる。
エクストラヒール!」
アルベルトを治癒しながら豚のなりそこないの方を見てみると、向こうも治癒魔法で俺が斬りつけた足の傷を治していた。
これは・・・思ったよりも面倒だな。
この豚のなりそこない、技術は拙いが天使化のパワーで力押しをしてきやがる。
おまけに天使化の性質で光属性魔法と聖属性魔法、そして治癒魔法が使えるのが厄介だ。
とは言え、このまま手ぐすねを引いている訳にもいかない。
「アルベルト、さっきと同じ要領だ。
俺があの豚のなりそこないの正面に立って気を引くから、お前は隙をついて戦技をどんどん叩き込め」
「分かっただ!」
回復の終わった豚のなりそこないはこちらに追撃はせず、棍を天に掲げていた。
「伸びろ! 如意棒――!!」
ちょっ!? マジで如意棒かよっ!?
豚のなりそこないの掲げた棍が伸びて俺達に向かって振り下される。
俺とアルベルトは慌てて回避行動をとり、棍を辛うじて躱す。
だが躱したのもつかの間、豚のなりそこないは棍を戻すと同時に己の体を地面に刺さったままの棍に引っ張られるような形で俺達の間合いに入り込んでいた。
「ぐははっ! 蹴り戦技・二連旋風脚!!」
棍を支点とし、蹴り戦技の回し蹴りを放ってきた。
豚のなりそこないのくせに体だけ大きいので、奴の放つ回し蹴りはまるで暴風のように俺の目の前に吹き荒れる。
俺はバックステップで後ろに跳びながら衝撃を逃がすが、アルベルトはもろに攻撃を食らって再び地面へと転がる。
そこへ豚のなりそこないはアルベルトの足を持ってジャイアントスイングを開始する。
「わわわっ!? 何だべ、これ!?」
「どぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
十分遠心力をつけたところからの投下によってアルベルトは数十m先の神殿の壁を突き破って内部へと叩き付けられた。
豚のなりそこないはそのままアルベルトを追いかけ神殿へと向かおうとする。
ヤバい。アルベルトも心配だが神殿にはルーナもいる。
特に今は月の欠片の生成中だ。生成の為その場から離れられないところに豚のなりそこないが襲い掛かればイチコロだ。
豚のなりそこないを止める為回り込もうとするが、先手を打たれてしまう。
「おっと、猿回しは大人しく檻に入っていな。
――シャインプリズン」
「なっ!?」
天から注ぐ光の柱が俺を囲い、光の檻を成しその場に封じ込められた。
「てめぇは出来損ないの後でキッチリ相手してやるよ。
おっと、その前に月神の巫女を犯すのも先だったな。出来損ないの目の前で犯すのも一興か」
豚のなりそこないはそのまま神殿へと向かってしまう。
俺はユニコハルコンを振るい悪あがきをしてみるが、光の檻は傷一つ付いていなかった。
「くそっ! 油断した! まさかここでシャインプリズンを使ってくるとは」
これは内側からの攻撃が出来ない代わりに外からの攻撃も出来なくなる、完全に内部と外部を遮断する光属性魔法の上級魔法だ。
戦闘中に使ってもお互い攻撃が出来なくなるからあまり意味が無いと思っていたが、確かにこうして足止めには最適な魔法だ。
しかも効果はバインドなどの捕縛系と違って10分間も続くのだ。
こうしている間にも神殿の中では豚のなりそこないが暴れ回っている事だろう。
アルベルトの奮戦に期待したいところだが、ルーナを庇っての戦闘となると1人じゃきついものがある。
「ちょっと、何閉じ込められてるんだよ」
見ればトリニティが呆れ顔でこっちを見ている。
その隣にはアイさんが一緒だ。
但しいつものアイさんと緑色の髪のアイさん2人並んでいた。
「これ? これは使徒の証のGemの特殊スキルよ」
俺の視線に気が付いたアイさんは状況を説明してくる。
特殊スキルGemは分体を作ることが出来るスキルだと言う。
但し作れる分体は倒したことのあるGemのみと言う事だ。
普通であれば分体ルビーを倒したのであれば、力の分体のみしか作れない。
だが俺達は6体もの分体を倒したから全ての分体を作り上げることが出来る。
アイさんは力、戦技、防御、速さ、魔法、全能力の分体を作り上げ、5体をオークの群れの掃討に回して残りを豚のなりそこないの戦力に回したと言う事だ。
結界の外のオークの群れを見れば色とりどりの髪をしたアイさんがオーク相手に無双していた。
「折角助っ人に来てやったのに捕まってるって・・・鈴鹿ヤル気あるのか?」
「うるせぇ。俺だってこんなの予想外だよ」
「ともかく時間が惜しいわ」
アイさんはそう言いながら光の檻に手を当て少し念じると、光の檻は砕け散ってしまった。
「なっ!? ちょっと、アイさん! どうなってるんだ、これ!?」
このシャインプリズンはさっきも述べたとおり、完全に遮断された空間を作り上げる魔法だ。
つまり戦技や魔法に関わらずどんなことをしても効果時間まで手出しをすることが出来ないはず。
「悪いけど説明は無しよ。アルベルトが心配だから急いで。
Gemの特殊スキルも時間が限られているし、デメリットも終わってみなければ分からないから」
そういやそうだ。アルベルトもだし、特殊スキルのデメリットも心配だ。
アイさんに促され急いで神殿内部へと向かう。
意外な事に神殿内部ではアルベルトが奮戦していた。
祭壇前の祈りをささげていたルーナを背に、一歩も引かず豚のなりそこないにハルバードを振るって退けている。
そしてそれを援護するかのように小さなままのスノウが脇に控えて光属性魔法を放っていた。
「あ、そういやスノウを忘れてた」
早朝の襲撃を受けた時、可愛がりを受けたスノウはトリニティ達のベッドでぐったりしていたそうだ。
アイさんは敢えて起こさず寝させたままだったらしいが、トリニティは完全に忘れてたみたいだ。
「おい、豚のなりそこない。念仏でも唱えてな。これでてめぇも終わりだ」
図らずともアルベルトと俺達との挟み撃ちになり、豚のなりそこないは逃げ場を失う。
もっとも豚のなりそこないは逃げる気はないのだろうが。
「まだ10分も経っていないはずだが? どうやってシャインプリズンを抜け出した」
「企業秘密だよ!」
言いながら俺は剣姫一刀流・瞬刃で豚のなりそこないを斬りつけながらアルベルトの元へ移動する。
そして俺に追随して戦技のアイさんが攻撃を仕掛けその場に押し止める。
「くっ! なんだ、この雌・・・!?」
戦技に特化したアイさんを相手に、流石に天使化したとは言えそう簡単に反撃にも移れまい。
「アルベルト、よく頑張った。正直ここまで持たせられるとは思ってなかったよ。
スノウもこいつを助けてくれてサンキューな」
「クルゥ」
スノウが誇らしげに鳴いてくる。その隣でアルベルトも同じように誇らしげに胸を張っていた。
「兄貴、オラ頑張っただ。ルーナ様は絶対守らなきゃいけないって」
「ああ、お前はもう立派な巫女騎士だよ」
「はい、アルベルトさんは私の頼りになる巫女騎士です」
俺とルーナの言葉を聞いて、アルベルトは感激のあまり身を震わせていた。
するとアルベルトの持つハルバードが光り輝いた。
但し輝きだしたのは槍と柄の部分だけだ。
豚のなりそこないを挟んで向こう側ではアイさんが輝くハルバードを見て驚いていた。
「うそ、よく見たらあの槍の部分、グングニル!? 何でハルバードになってるのよ!?
って、斧の部分もよく見たらゼウスケラウノスじゃない!」
は!? グングニルって北欧神話の主神オーディンが使っていた神槍か!?
確かにアイさんの言う通り何でハルバードになってるんだよ!?
てか、このハルバード持ってきたのってじっちゃんって人物だよな? 何者なんだ!?
・・・いや、今はそのことはどうでもいいか。
「アルベルト、そのハルバード・・・グングニルもお前を巫女騎士と認めたみたいだな。
その力、あの豚のなりそこないに見せてやりな!」
「分かっただ! 巫女騎士のオラとグングニルの力を見せてやるだ!
槍戦技・雷鳴一閃牙!」
アルベルトはハルバード(グングニル)を水平に構え、槍戦技・雷鳴一閃牙を解き放つ。
グングニルの力も受けてアルベルトは瞬動のように一直線に豚のなりそこないにハルバードを突き立てる。
「ぐはっっ!?」
戦技のアイさんに意識を取られていた豚のなりそこないは、横合いから放たれた一撃を避けられずまともに胸へ攻撃を受けてしまっていた。
そしてハルバードを突き立てた勢いのままアルベルトは神殿の外へと弾き飛ばす。
勿論アルベルトの攻撃を豚のなりそこないが受けた瞬間、アイさん2人とトリニティは素早く道を開ける。
俺達は外へ飛び出したアルベルトを追いかけた。
神殿の外から30m位離れたところにアルベルトにハルバードを突き立てられた豚のなりそこないが横たわっているのが見えた。
「ぐふっ・・・まさか天使化したこの俺様が出来損ないに敗れるとは・・・しかも神槍だと・・・? ぐははっ・・・流石の天使化も神の力には敵わず・・・か・・・」
「オラは出来損ないなんかじゃねぇだ。オラは猪の獣人・猪人の巫女騎士アルベルトだ!」
「・・・ふん、巫女騎士だと・・? 陳腐な名前だ・・・貴様のような出来損ないにはお似合いの名前だ・・・よ・・・」
そう言うと、豚のなりそこない――天使化オークキングは力尽きた。
アルベルトも最後の力を振り絞ったのか、オークキングに重なるように崩れ落ちた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
あの後、早朝からのオークの群れの襲撃を退けた俺達は戦いの後始末に追われていた。
ルナムーン神殿の補修もさることながら、倒されたオークキングやオークらの亡骸の処理には手を焼いた。
何せオークの群れを全滅させたので亡骸の数は30にも及んだのだ。
スノウにも元の大きさに戻ってもらって森の中に運ぶのを手伝ってもらう。
穴を掘って亡骸を一纏めにして焼き払う。
神殿の方の補修は壁に穴が開いたところは応急処置と言う事で塞いでおいた。
補修の材料はアルベルトと一緒に水の都市ウエストヨルパへ向かい買っておいたので、後でアルベルトがゆっくりちゃんと補修するとの事だ。
因みに初めて都市に訪れたアルベルトはものの見事に田舎者丸出しのお上りさんになっていたのは言うまでもない。
そんなこんなで襲撃により予定より生成が遅れて昼を大幅に過ぎて出来た月の欠片を受け取った俺達だが、実はまだルナムーン神殿に滞在していたりする。
原因はアイさんの使用したGemの特殊スキルのデメリットだ。
あの後アイさんは特殊スキルの効果が切れると身動きが取れなくなっていた。
頭から上は何とか動かすことが出来るが、体は一切いう事が利かないらしい。
「分体が増えるのは凄いけどデメリットがキツイな、これ」
「あたし達はまだ6体もの分体が作り出せるからいいけど、他の分体を1体しか倒していない奴らはデメリットの方がきつくないか?」
トリニティの言う通り、普通のエンジェルクエスト攻略者は分体が1体しか作れないから24時間動けなくなるデメリットを考えれば使いづらい特殊スキルだな。
「まぁそれでも戦闘時に人数が増えるだけでも状況が有利になるだろうよ」
それが特化した分体であれば尚更だと思う。
「そうね、使ってみた感じでは特化した能力は戦闘時に有利に働くのは間違いないわね」
身動きの取れないアイさんは神殿の客室のベッドでgemの使用した感想を述べる。
アイさんの使用した感じでは、他の性能は本体より少し落ちる感じだが特化した性能は本体の2倍3倍の上昇が見込めるらしい。
「とは言え、24時間身動きが取れないとなると使用時には仲間がいないと使えないな」
「だな。この特殊スキルを使う時には注意しないとな。
さて、今日は朝から襲撃やら後片付けやらで疲れたからあたしはもう寝るよ」
今日は殆んど襲撃の後片付けに費やしたからなぁ。
全部片付いた頃には日が落ちかけてたし。
俺もアルベルトの小屋へ戻って昨日と同じくアルベルトと話をしながら眠りについた。
アルベルトはもう1日俺と一緒に居られるのが嬉しかったらしく、今日の疲れは何のそので夜遅くまで俺と話し込んだ。
――AL103年4月3日――
「兄貴、いろいろありがとう。オラ兄貴に会えてよかっただ」
「アルベルト、お前も元気でな。しっかりルーナを守っていくんだぞ」
「鈴鹿さん、トリニティさん、アイさん、皆さんにはオーク襲撃の際色々お手伝いを頂きありがとうございました。
皆さんが居なければどうなっていた事やら」
「ルーナが気にすることないよ。元々月の欠片を頼みに来たからルーナを守るのは当然のことだし」
「そうね。私たちが押しかけてきたようなものだしね。でもルーナが言う様に私たちが居た時にオークを退治できたのは良かったのかも。
これも月神の巫女の加護のお蔭かしら?」
俺は別れを惜しむアルベルトと最後の会話を交わし、トリニティとアイさんもルーナと女同士での別れの挨拶を交わしていた。
「じゃあな!」
俺達は手に入れた月の欠片を持ってスノウでルナムーン神殿を飛び立った。
スノウを飛ばして再び冬華樹の元の『牙狼の使徒』へ向かう。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「月の欠片を持ってきたか。思ったよりも時間が掛かったな」
「まぁ、色々あってな。兎に角これで『牙狼の使徒』のエンジェルクエストはクリアでいいんだな?」
普通であれば早い方だが、『牙狼の使徒』は俺達がスノウで移動しているのを知っているため昨日のうちに戻ってくると思っていたそうだ。
俺は『牙狼の使徒』へ月の欠片を渡してエンジェルクエストの完了の承認を求める。
野球の球くらいの大きさの月の欠片を受け取った『牙狼の使徒』は冬華樹へ掲げると、月の欠片は冬華樹へ吸い込まれるように消え一瞬だけ淡い光を放つ。
「ああ、これで『牙狼の使徒』のクエストは完了だ。
使徒の証を見てみるといい。Fの証のところが光っているはずだ」
使徒の証を展開すると時計版のようにホログラムが浮き上がる。
『牙狼の使徒』の言う通り、Fの印の所が色が付いて光っていた。
よし、これで6つ。
・・・やっと6つか。むぅ・・・先は長いなぁ。
「因みにFの使徒の証の特殊スキルの効果を聞いても?」
アイさんがFの証の特殊スキルの効果を聞いてみる。
「構わぬよ」
って、教えてくれるんかい!
俺はこれまでの例から自分で調べなければならないかと思っていたが、どうやら使徒によって教えてくれる奴と教えない奴がいるみたいだ。
うむむ、失敗したな。どうせだったらこれまでの使徒に聞いておけばよかった。
「Fの証の特殊スキルは狼人に変身するスキルだ。
但し我の力を授かった狼人だ。差し詰め狼神と言ったところか」
ふむ、フェンリルの獣人と言った感じか?
これはかなりの身体能力の上昇が見込まれる特殊スキルだな。単純効果だが使いやすそうだ。
「デメリットは? これまでの例から見てもデメリットの方がきつそうなんだけど。ただでさえ24時間のデメリットって長すぎるんだよ」
トリニティはメリットよりデメリットの方を心配している。
まぁ特殊スキル効果は24分間で、デメリットが24時間だからな。気持ちは分かる。
「なに、戦技が使用できなくなるくらいだ。
Fの証の特殊スキル単体ではそれほどデメリットはない。寧ろ他の特殊スキルと並行して使用するのが前提みたいなスキルだ」
特殊スキルと並行だと?
そう言えば九尾を狙っていた悪行冒険者が特殊スキルの並列起動をしていたな。
「その話詳しく」
「特殊スキルは同時に平行して起動することが出来る。並列起動Start、Fangとかな。
無論同時に起動しなくても最初にStartを起動してから後でFangを起動とかも出来るぞ。
但しその場合、最初にStartを起動した24分間しか特殊スキルの効果が発揮されない」
なるほど。時間差で起動してもOKだが、その場合は後発に起動した特殊スキルの時間は最初に起動した特殊スキルの残り時間しか効果が無いと。
うむ、これは良い事を聞いた。
特殊スキルは単発でしか発動出来ないと思い込んでいたからな。
同時起動や時間差起動が出来るとなれば戦術の幅が広がる。
まぁ、デメリットの事も考えなければならないからおいそれと乱発は出来ないが。
こう考えるとそれぞれの特殊スキルの効果をはっきり理解しておく必要もありそうだなぁ。
デメリットの24時間がなければいろいろ試せるんだが。
「お主らの目指す先はアルカディアか?」
「ああ、幼馴染がアルカディアに行っちまってちょっと連れ戻しにな」
「・・・そうか。お主らの行く先はかなりの試練になる。覚悟して行け」
何やら意味深な事を言う『牙狼の使徒』。
何かアルカディアについて知っているのだろうか?
「無駄よ。彼は話すことが許されていないわ」
俺が『牙狼の使徒』にアルカディアについて聞こうとしたが、アイさんがそれを止める。
どうやら何か制限が課せられているらしい。
「そういう事だ。我にはなす権限はない。それに我が話さなくてもアルカディアを目指せば何時か分かる事だ」
それもそうか。どちらにしろ俺には唯姫を連れ戻すためにアルカディアを目指すしかないんだ。
――エンジェルクエスト・使徒の証、残り20個――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
Alive In World Online攻略スレ462
751:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:02:12 ID:O9ri000kAmi3
『牙狼の使徒』のエンジェルクエストの月の欠片って何処ぉ!?
752:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:04:46 ID:Aka2Kin0003
え? もうそんなところまで行ったの? はえぇ!
753:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:09:03 ID:AYa20Kwii
ああ、『牙狼の使徒』は探すところから始まりますからね;;
754:鈴原錯乱:2058/05/05(日)12:11:42 ID:EVA2014wille
ホンマ探すところからなんて勘弁して欲しいですわ
755:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:15:03 ID:sAnBTa000s
まぁヒントをあげるとフェンリル・冬華樹・月神の巫女で探すといいよ
756:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:19:46 ID:Aka2Kin0003
え? あれ? もしかして俺だけ遅れてる・・・!?
757:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:21:26 ID:s61965whBL
いえいえ、この方たちが特別速い攻略をしているデスの
758:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:24:20 ID:nzo3IxtI73
と言うか、755は殆んど答えを言ってますね
759:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:26:03 ID:AYa20Kwii
言っちゃってますね
760:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:27:12 ID:O9ri000kAmi3
え? マジ? この中に答えがあるの?
760:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:30:20 ID:nzo3IxtI73
まぁ探し物の月の欠片を考えればおのずと答えが見えてるかも・・・ね
761:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:31:03 ID:sAnBTa000s
ところで話は変わるけど、永遠の巫女って本当に不老不死なんだろうか?
762:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:34:20 ID:nzo3IxtI73
>>763 話が変わった気がしないですwww
763:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:35:26 ID:s61965whBL
ゲームだから不老不死ってありではないデスの?
764:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:38:03 ID:AYa20Kwii
でもAIWOnでゲームって括りをするのは間違っている気がする
765:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:41:03 ID:sAnBTa000s
うん、俺もそう思ったから本当に不老不死なんだろうかと思ってさ
766:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:42:12 ID:O9ri000kAmi3
もしかして永遠の巫女も月の欠片に何か関係があるのか!?
767:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:44:20 ID:nzo3IxtI73
さぁ? それは自分で探してみましょうか
768:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:46:03 ID:sAnBTa000s
自分で探すのも冒険者の仕事だぞーw
769:名無しの冒険者:2058/05/05(日)12:51:12 ID:O9ri000kAmi3
ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃんか!
少なくともここはゲームの世界じゃないんだぞ!
だから今の俺は冒険者じゃない!ヽ(`Д´)ノ
ストックが切れました。
暫く充電期間に入ります。
・・・now saving
―次章予告―
エンジェルクエスト攻略を目指す鈴鹿一行。
『神託の使徒』により告げられた神託は鈴鹿にある決断をさせるものだった。
仲間との別れ。そして迫りくる災厄を迎え撃つために訪れた地での出会い。
かつてない災厄の襲来に鈴鹿は立ち向かう。
100年前の大災害規模の災厄の凶報を受けたデュオたちクラン『月下』。
王宮より発表により討伐軍の派遣が決定され、揺れる王都エレミアと冒険者ギルド。
デュオもまた討伐クエスト参加の為準備する中、思いがけない再開を果たす。
かつてない災厄の前にデュオは先行部隊としてその地へと駆ける。
鈴鹿とデュオの物語が交差する時、新たな物語が生まれる――




