その後の馬鹿兄貴
さて、その後の馬鹿兄貴ですが、1週間の掃除は習い事があるので週に2回だけ、その分伸ばして一ヶ月行われるということになったようです。
最初の2週間は茜ちゃんの家にいくたびに、やつれていっている兄貴の姿に、正直ドン引きでした。
自分でいっておきながら、ひどかったかな?
と思わなくもありませんが、心配するお母様や茜ちゃんに「最後までやる」と言い切り、果敢に通っているようです。
神経質そうだから余計にキツイかもね。
3週間目にして大分持ち直し、4週目には笑顔をだして、こう言って来ました。
「なあ、クッキー作りたいんだ。手伝ってよ」
どうした、兄貴。クッキーは掃除に必要な道具じゃないぞ。
ついに、こいつ、イッちゃったか、とちらと思いつつ理由を聞いてみます。
「一緒に掃除しているおばちゃんに持っていきたいんだ」
どうやらお礼の品として所望しているわけですね。最初はブランド物などをと思ったみたいですが、父様にとめられたとのこと。んで私のクッキーを勧められたと。
なるほど。
1週目にクソババア、死ねと憎悪を篭めて呟いているのを聞いてしまった身としては、一体何が起こったのか摩訶不思議ですが、お礼をするのはいいことです。
一緒に作らせていただくことにしました。
「沙良、2グラム多いからやり直そう」
はてしなくウザいクッキングになりましたが・・・。
その後、半年まで延長して清掃屋として頑張ったそうですよ。




