小学校2
誤字報告ありがとうございます。助かります。
さて、みなさんは覚えているだろうか。
幼稚園時代に、毎朝花をもらうのが日課になってしまったことを。
黒歴史もとい青春の一ページとして心の片隅にそっと置いておきたい思い出ですが、残念なことに小学校で離れる予定が変わってしまったため、今も続いております。
とはいえ、さすがに花は授業時間が伸びたのでしおれてしまうから駄目だと言ったため止めることができました。しかし、手をつないで門から登校は今も変わらないお約束でございます。
小学校一年生が3人並んでなかよく登校。
そう表現するとほほえましいのですが、両隣を行く二人のスペックが良すぎて注目の嵐です。幼稚園のころから慣らされたおかげで緊張することはありませんが、小学校は人数が多いため増えたぶんの視線が気になります。
でも、ニコニコ笑っている2人には罪はないもんね。
できるだけ気にしないように進んでいきます。
「あ、ちょっと待って」
亮君が急に道端に座り込んでモソモソしています。
どうしたのかなと思いつつ、歩くのをやめて待っていると、嬉しそうな声が聞こえました。
「できたー」
ジャンプしながら、こっちに寄ってきて左手をとりました。
指の感触を不思議に思って見て見るとたんぽぽの指輪がちゃんと薬指に収まっていました。
「似合うよ」
嬉しそうにはにかんで笑う亮君が綺麗で、可愛くてキュンとしてしまいました。
「ありがとう」
小学校1年なのに、なんという恋愛偏差値の高さでしょう。
末恐ろしいものを感じつつ、ほほえましいプレゼントを眺めます。
「僕もできた!」
指輪を見て同じく座りこんだユリウス君も同じようにタンポポで指輪を作っていたようです。ふんわり笑って、同じく私の左手をとります。ちょ、ちょっと痛いですよ。
ユリウス君は強引に指輪をすすめると、茎が同じ位置まできて、タンポポが2つの指輪になりました。
「ん。沙良きれいだよ」
満足そうに笑うユリウス君の後ろではちょっとだけ膨れっ面の亮君。
乾いた笑いを浮かべながらもお礼を言い、また校舎への道を進む私たちでした。
指輪、大事にしまっとこうっと・・・。




