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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと関西旅行
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仏像、萌え~



土産物店が軒を連ねる坂道で、おれ達は土産物を見ていた。




「なあ、白鳥。このウサギとネコ、どっちの方がいいと思う? 恵美に買ってってやろうと思うんだけど」




 ちりめん細工のマスコットである。




「私は、あの蛙が良いと思うわ」




「……お前に聞いたおれがバカだった。ウサギにしよ」




 何で、今度小二になる女の子に、両生類がいいとか思うんだよ。




「でも、意外とかわええで、あの蛙」




 デフォルメされてるからな。




「それよりも、私は、あっちの店のあの刀が欲しいのだけど。五万円なら、買ってしまおうかしら」




「好きにしろよ、プチセレブさん」




 刀が欲しいとか、本当に中二病だよな、アイツ。




 小六の修学旅行で、木刀を買ったおれと同レベルだ。




 刀お買い上げした白鳥様は何か、嬉しそうだ。いい買い物したって顔をしている。






 その後、いろいろ回って、昼食。




 デザートの宇治抹茶パフェを食べながら、白鳥が一言。




「高村君、何だかテンションが低いわね。せっかくの古都、京都に来たのだから、もっと楽しみなさいよ」




 もしかして、感付かれたかな。




「いや、別に。おれ、歴史とかに詳しくないから、そこに行っても、あまり感動とかが無いのかもな」




 白鳥も薫も、歴史は得意分野だし。




「前、一緒に来た人たちとは、歴史トークで大いに盛り上がったのに。高村君の無知度が残念で堪らないわ」




「悪かったな、無知で」




 あの写真の四人は、皆、歴史オタクなのか。




「『仏像、萌え~』とか言っていた彼は、今どうしているかしら……」




「そいつ、大丈夫か?」




「いや、そこまでは言ってへんと思うけど」




「彼等の要望で、京都へは二回も連れて行ってあげたのよね」




「そやね。二回目の夏は、美和子が熱中症で倒れたんやったな」




「そんなことも、あったわね」




 その後の幼馴染トークに全く付いて行けないおれであった。




「仏像、萌え~」と言ったことにされている宇宙君。

果たして、高村君と出会う世界線に来れるのか……?

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