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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
しずかとしょかん
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恋愛もの



 次の日の放課後、しずかとしょかん談話室。


「アンケートの結果、恋愛物が多いな」


 今日の大久保君の行動は早く、僕が登校した時には、もうクラスの半分以上からアンケートを取り終えていた。


 さすが、頼れる学級委員長である。


「恋愛物かぁ……。確かにファンタジー物よりは衣装代とかはかからなそうだね~」


「俺としては、予算は出来るだけ削りたいしな」


「おお~、さすが学級委員長~」


「さんきゅ。……で、満月、何か恋愛物のアイデアあるか?」


「うん、あるよ。いくつか小説のアイデアはストックしてるからね。テーマは『初恋』かな」


「初恋……」


「で、どんな話なんだ?」


「主人公は『音無 千歳』という女の子なの。千歳は病気を患っていて、学校にはほとんど行ったことがなかった。ある日、千歳がいつものように本を読んでいると、突然知らない男の子が病室に入って来たの。その男の子の名前は『羽川 宙斗』というの。宙斗は怪我で入院してしまった友達のお見舞いに来たんだけど、間違って千歳の病室に入ってしまった。最初は気まずかった二人だけど、すぐに打ち解けて、仲良くなるの。千歳にとって、同世代の男の子と話すのは、少しドキドキするけれど楽しい時間だった。宙斗も純粋で可憐な千歳に惹かれていった。それで、二人は初めて恋をするの。


 でも、千歳の容体が急に悪くなって、面会謝絶になってしまうの。それで、宙斗は手紙で千歳を励まし続けた。


ついに千歳の手術が三月に決まって、二人はある約束をするの。『あの桜の咲く四月に、二人でお花見をしよう』って。それで、千歳の手術が終わって……」


 僕たちは浅羽さんの話に聞き入っていた。


「続きはどうなるの?」


 千歳の手術は成功したのか?


「……ごめん、まだ迷っていて」


「まあ、でもこれだけ出来てるなら、上出来だ。……さすが、本の虫」


「ちょっと、真斗君。それ褒めてる?」


「褒めてる、褒めてる」


 大久保君が笑いながら言う。幼馴染っぽい会話だなあと思った。

「羽川 宙斗」という名前は「浅羽」「宇宙」「真斗」から一字ずつ取ってます。

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