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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんの黒歴史
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私を助けて

 白鳥の夕食を作り終え、そろそろ帰ることを伝えようと、おれは白鳥の居る部屋に行った。


「……おい、ウソだろ」


 困った事態が起きていた。


 なんと、白鳥が眠ってしまっていたのだ。


「どうすんだよ」


 目の前で眠っている白鳥はかなり無防備だった。


 しかも、二人きり……。


「ホントにどうすんだよ、おれ」


 おれが考えていると、幸いなことに白鳥が目を覚ました。


「あ、良かった。起きてくれて、本当に良かった」


 白鳥は立ち上がると、おれの方を真っ直ぐ見詰めて、言った。


「……やっと、話せるね。」


「はあ、何言ってんだ? いつも話してるだろ」


 こいつ、寝惚けてんのか?


「私にいつも付き合ってくれて、ありがとう」


 いつもの白鳥じゃない。何かおかしい。


「それと、あなたになら頼める……」


「何を?」


「……私を助けて」


 どこかで聞いたことがあった。


「それは、どういう?」


「今日はここでお別れだね。……バイバイ」


 白鳥はそういうと、玄関までおれを連れて行き、手を振って見送ってくれた。


 おれは、訳のわからないまま、家に帰った。





 翌日、白鳥に訊いてみたが、記憶にないといわれた。


 あれは、何だったのか。




不思議な体験をする高村君。

口調が違う白鳥さんは何者なのでしょう。

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