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私は私
その日の帰り道、白鳥とおれは、いつもの公園に来ていた。白鳥曰く、作戦会議とのことだ。
「昨日の夜、ついに霊からのメッセージがあったのよ」
白鳥はコンビニに寄って、買ってきたクレープを頬張りながら、言った。
この黒魔導師は、買い食いもするし、甘党でもある。
「で、何て書いてあったんだ?」
白鳥は黒歴史を開いて、そこを指差して言った。
「ここよ。『私は私』と書いてあるわ」
「どういうことだ?」
自分は自分なんて、当たり前だろうに。
「私もこの霊が何を伝えたいのか、よく分からないわ」
白鳥も分からないのか。
「で、これからどうするんだ?」
「そうね。でも、一つはっきりしたことがあるわ」
「何だ?」
「それは、霊は私の家でしか行動を起こさないということよ」
そういえば、住み着いてるって……。
もっと、早く気付いてくれれば、昨日と一昨日の張り込みはしなくて良かったのに。
「だから、今週の土曜日に私の家に来なさい」
つまり、あのデカイ家にお邪魔できちゃうのか。
ていうか、女子の家なんて、小学校の時以来なんだけどーっ‼
幽霊は何を伝えたいのでしょうか?




