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女神様

少し長いです。

文章を削ることを考えます。

あと、ヒロインの登場です。

 暖かな光が身体に当たり、目を閉じている俺の瞼を通して目に明るさを伝えてくる。

 もしかして、さっきまでのことは全部夢だったのか?

 もしそうだとすると嬉しさ半分、悲しさ半分だな。

 初めて生きていて楽しいと感じられたのに……。


「それはありがとうございます」


 そう考えると真上から甘い吐息と共に優しく慈愛に満ちた女性の俺を言う声が聞こえた。

 俺は何事かと目を開け、覚醒する。


 そこには透き通った空色のサラサラとした長髪を耳に掛け、黄色い瞳とプリッとした桜色の唇がゆっくりと動き口角が上がった。

 にっこりと微笑まれたのだ。


 女性に微笑みを向けられたのはいつ以来だろうか……。

 少なくとも数年は経つな。

 それにしてもとても綺麗な人だ。

 俺の人生の中で一番綺麗で、優しそうで、慈愛に満ちていて、なんだか神々しい女性だ。


 そう思っていると女性がほんのりと頬を染め心から笑ったようだ。


「ありがとうございます」


 どうやら心が読めるみたいだ。

 まあ、どうでもいいのだが……。


「どうでもいいのですか? あなたの内を土足で読まれるのですよ?」


 ええ、いいですよ。

 その方が楽ですし、やましいことを考えるのは仕方ありません。

 恥ずかしいですがそれだけあなたが綺麗で、認められて、俺の好みであるということですから。


 俺は小説を読む度にこう思っていた。

 やましいことを簡単に言うとチュッチュしたいだ。

 男なのだから仕方ないし、女子と話さないのだから彼女がいるわけがない。

 生きる願望がほとんどない俺に精力的に動いて何かをしろと言うのもおかしい。

 もっと言えば、将来引き篭もりそうな俺に彼女がいれば迷惑をかけてしまうだろう。

 だからいない方がよかったのだ。


 そこまで考えると目の前の女性が悲しそうに俺を見つめていることに気が付いた。


 本当に心が読めるようだ。

 恐らく神に準ずるものなのだろう。


「ええ、私はこの世界の迷宮の神様をしています」


 やはりそうらしい。

 見た通り神様だな。

 神々しさが俺のすさんだ心を癒してくれる。

 と同時に自分の不甲斐なさに泣けてくる。

 どうして俺は優しさに弱いのだろうか。

 優しさが欲しいのに、優しさを貰うと不甲斐ないと跳ね除けたくなる。

 天邪鬼か!


 そう考えると目の前の女性がクスリと笑った。


「あなたの様な方は初めてです。皆私の姿を見て告白するか、願いを言うか、怒鳴ってくるというのに。あなたは私に曝け出してくれます」


 そういって優しく微笑む女性。


 その微笑みが俺には眩しすぎるぜ。

 どこかで聞いたセリフだ。

 だが、まさにその通り。

 まあ、それは置いておいて、先ほど聞き捨てならない台詞を聞いた。

 願いを叶えてくれるとな?


「ええ、願いを叶えますよ? 迷宮を踏破されたので当たり前です。まあ、迷宮によって叶えられる上限は決まっていますが」


 それでも有難いことだ。

 俺には願いがあったのだから。

 だが、その前に聞きたいことがたくさんある。


「ええ、私にも聞きたいことがあります」


 では先にどうぞ。


 俺はこういう性格なので自分が率先して動くことはない。

 だが、頼まれればほとんどのことはするし、他人が関わらなければ危険なことでもする。


「あなたは何者ですか?」


 ああ、俺が訊きたかった質問だ。


 女性はキョトンとして、目をぱちくりさせた。

 か、可愛いじゃねえか……。

 こ、これだよ!

 あの【デブリン】がしていたのとは全く違う。

 萌え、そう、萌えだよ!


 つい心が読まれていることを忘れてしまう。

 女性はほんのりと頬を染めて目を閉じた。


「あなたも自身のことが分からないのですか?」


 ええ、俺は自分が何者なのかさっぱりわかりません。

 目を覚ましたらこの迷宮にいましたから。

 その前に死んだと思ったのですが……。

 転生させたのは神様じゃなかったのですか?


「転生? いえ、私はそのようなことを聞いていないですよ。詳しく教えてください」


 真剣に聞いてくるのでしっかりと伝える。


 俺が生前経験した殺人鬼との邂逅、車に撥ねられ死にそうになること、殺人鬼を返り討ちにしたこと、そこで死んで目を開けると真っ暗で走馬灯のような物を見たこと、そして、この迷宮で目を覚まし此処まで来たこと、最後の【デブリン】戦はあり得ないということでちょっと怒った。


 女性は少し落ち込んでしだれかかりのの字を書く。


「だって、見つかるまでのこんなに時間がかかるとは思わなかったんだもん」


 そうだったのか。

 ならどうして見つかりやすい場所に作らなかったのですか?


「私は魔力が溜まった所にしか迷宮を作れないのです。迷宮の神なだけで世界に干渉できないのですよ」


 ああ、そういうことか。

 迷宮ではある程度なんでも出来るが、それ以外は管轄外で手を出せない、と。

 恐らく手を出せば罰則でもあるのだろう。


「先が分かる人はいいですね。ええ、迷宮の仕事が私の仕事です」


 ならば、迷宮の場所を教えてはいけないのですか?

 迷宮に関係しているでしょう?


「いえ、それは神託をしなければなりません」


 ああ、神託で伝えるのはあなたの仕事ではないのですね。

 魔力が溜まった所に異変が起きないように迷宮を作り、その解消としてこの世界の人に攻略させる。

 そして、攻略した人は世界を救うことになるので願いを聞く。

 だから、迷宮によって願いの上限がある。

 そうですね?


 そう訊くと女性は驚き、コクリと頷いた。


「驚きました。あの情報だけでここまで分かるとは……」


 簡単ですよ。

 こういった小説が元居た世界にたくさんありましたからね。

 それに、魔力を迷宮にするということは、魔力を使って迷宮を作ることになります。

 逆に言えば魔力が溜まった所を迷宮にしないといけないのがあなたの仕事となり、神がしている仕事なのでそれなりに世界に重要だということになります。

 だけど、神様は魔力を消すことが出来ない。

 それは恐らく世界に対する干渉になるからでしょう。

 だから、この世界の人に攻略させる。

 それも夢と希望の詰まった迷宮として。


 俺がそういうと女性は先ほどとは打って変わって喜んだ。


「ええ、そうです! もう嬉しくなりますね。私達の仕事を理解してくれる人がいるとは思いませんでした」


 そんなことはありません。

 皆神様が知らないだけで感謝をしてます。

 中には違うかもしれませんが、迷宮があることに感謝をしているでしょう。


「ありがとうございます。話を戻しますが、あなたの話を聞いた限りではよくわかりませんが殺人鬼について何か知りませんか? 恐らくそれが鍵となってこの世界に転生したはずです」


 ふむ……あの殺人鬼の名前は京堂啓介だったはずです。

 俺の近所で五人ほど殺されたはずですね。

 俺が六人目になるのですが、事件の内容はまるで解体されたかのように殺されるのです。

 確かそうだったはずです。

 解体を見たわけではありませんが、聞いた話ではどんなに綺麗なナイフでもこれはあり得ない、と。

 血が流れていないんですよ。


「ナイフなのですか? 剣ではなく?」


 ああ、あなたは知らないのですか。

 俺の世界では剣など持っていませんよ?

 魔物もいないし、魔法もない、平和ですからね。

 まあ、それ以上に科学が発達しているので、魔法以上に危ない気がします。

 一発で百万人は殺せますからね。


 あと、持っていたのはナイフです。

 形状は刃渡り十五センチぐらいで柄が黒く、刀身に文字が書かれていたかもしれません。

 咄嗟に掴んだだけなのでよくわからないのですよ。


 俺がそういうとまた驚いてくれる。

 こんなに感情豊かな女性を見るのも初めてだ。

 だが、そんな女性が俺の好みだった。

 大人しい子も好きだが、感情豊かで滅多に感情を出さない俺の傍にいてくれると嬉しいのだ。

 俺も少しだけ感情が出せる気がして。


「ふふふ、嬉しいですよ。――そのナイフは【解体ナイフ】と呼ばれるこの世界の武器です。私が迷宮を攻略した人に渡したものです」


 では、なぜそんなものが地球に?

 願いで飛んできたのですか?

 それとも他の神々が?


「そうですね、私は誰かを飛ばす権能はありません。あるとすれば創造神様、転生神達上級の神でしょう。私は中級ですから」


 そうなのでしたか。


「ですが、神々があのような危険なナイフを異世界に送るとは思えません。私以上に危険性を知っておられるでしょうから」


 では、他の要因があるということですね?

 もしかすると邪神とかいます?


「いますが、邪使とは悪い神ではありませんよ? 確かに悪さをします。ですがそれが仕事なのです。例えばあなたの世界ではどうか知りませんが悪い神がいてそれが本当に悪い神なのでしょうか? 信じる神以外は悪い神なのでしょうか?」


 ああ、そういうことですね。

 人によって変わるということですね。

 この世界なら恐らく魔族の神は邪神とでも言われてるのですね。


「はい。ですが魔族からすると邪神こそが通常の神であり、神と言うのが悪なのです。(よこしま)な神となりますが、そういった汚れ役を買って出た神と言うことです」


 神様の世も辛いのですね。


「わかってくれますか? そうなんですよ。私は迷宮を攻略してくれなければ誰とも会えないのです。あなたは私のことが見えているようですが、多くに日とはぼんやりとしか見えていませんからね」


 だから怒鳴られるのですね。

 俺はあなたの綺麗な顔が見えていますよ。

 人形のようですが、しっかりと表情があるんで人だとわかります。

 俺と大違いですね。


「そんな、あなたも十分魅力的です」


 ありがとうございます。

 ですが、自分のダメなところは十分わかってますから。


 お世辞を貰うのは初めてだが心地いいものだ。


「お世辞ではないのですが……。それで、そのナイフについてはこちらで調べましょう。私と会いたい時は迷宮まで来てもらう必要がありますが、すぐに対処しましょう」


 お願いします。


「では、あなたの聞きたいことを言って下さい」


 では失礼して、まず俺以外に転生した人を調べて下さい。

 居ないのならいいですが、話からしていそうなので認知していないと思いますがよろしくお願いします。


「わかりました」


 次にこの世界について教えてください。

 でないと願いを決められません。


「それもそうですね。これはサービスで簡単に教えましょう。世界の名前は【アルサス】、あなたのいる大陸は【ビュドス】、国の名前は【アルテルス】です。この国の特徴は迷宮が多いことと治安がそれなりと言うことですね」


 ふむ。

 他の国はどうでもいいのでその国について詳しく聞けますか?


「まあ、いいでしょう。【アルテルス】は国と言うより独立都市だと思ってください」


 迷宮で稼ぎ維持している国なのですね?


「はい。そのため多くの冒険者が集まり、自然と国が出来上がりました。各国が躍起になって奪い合いましたが、国のものとなると国に従わないといけなくなるため冒険者が嫌がったのです。そうなれば国も認めるしかなく、独立した国として出来上がったのです。治安に関しては良い方ですよ」


 冒険者が迷宮に入るためですね?

 素行が悪いとそこの住民に追い出されたり、闇討ちに遭ったり、迷宮の品を買い取ってもらえないということですね?


「はい。他にもいろいろと理由があります。その辺りは自身で調べてください」


 では次にこの世界の種族や魔法等について教えてください。


「あなたの様子を見て来ましたが、やはり異世界の知識があるのか成長が早いですね。二か月ほどで魔法も気力も使えるようになるとは思いませんでした。しかも独力ですよ?」


 女性は本当に凄いですよ、と微笑んで言うが、二か月も経っていたのか?


「ええ、あなたは二か月間迷宮に潜っています。死ななかったのはその体が原因でしょう」


 やっぱり……。

 それはあと聞きます。


「では、あなたが魔法と呼んでいる物はこの世界の人なら誰でも使える物です。ただ得手不得手があります。あなたにはないようですが。あと、あなたが時空魔法と毒魔法と呼んでいる物は固有魔法と呼ばれるものなので隠した方がいいですよ」


 やっぱりそうだったのか……。

 使い方は合っていますか?


「はい、大体合ってますよ。ただ、無詠唱なのはあなたに知識があるのと何も解らず自力で行った結果です。これも隠した方がいいと思いますが、驚かれるくらいなので成長するまで詠唱を適当に呟いていればいいです」


 詠唱は補助か……。

 人によって詠唱は違うのですね。


「はい。あなたが気と呼んでいる物は気力と言います。体力を使って放つのでやり過ぎると死にます。実際あなたは命を削って使いました」


 まあ、生きる為だったので仕方ないですね。


 俺は少し悲しいが死にはしなかったのだろうからいいだろうと考えた。


「ですが、あなたの特殊な体の特性なのかそれほど寿命は縮んでいません。種族はあなたが知っている物がほとんどいると思ってくれればいいでしょう」


 エルフとかドワーフ、獣人とかですか?


「ええ、他にもホビット、妖精族などの亜人族と水の中にいる人魚等の水棲族などがいます」


 それは夢が膨らみます。


 女性はその答えに満足そうに微笑む。


「では、次にあなたについて言いましょう」


 はい、話からして人間でも亜人でも魔族でもないのですね?


「はい。私も初めてなのですが、恐らく魔物でしょう。ですが、あなたという人格がいるのは初めてです。もしかすると魔物に似たなにか、というのも考えられます」


 分かりました。

 名前はあるのですか?


「それが、神である私にも名前が分かりません。迷宮で生まれたのは分かっているのにおかしいことです」


 迷宮の神が分からないのなら仕方ないだろう。

 なら名前を付けてもらおう。


「え? 私にですか?」


 そうですよ?

 俺にはそんなにネーミングセンスがありませんし、自分で自分に名前を付けるのはおかしいでしょう?


「まあ、そうですね。では……コホン、あなたは今日から【知恵ある者】という意味のあるソフィア、改めソフィアノスと名乗りなさい」


 ソフィアノス、か……。

 いい名前だ。


「ありがとうございます」


 ですが、俺が【知恵ある者】ですか?

 俺はそこまで頭が良くないですよ?


「知恵とはそれだけではないので安心してください。他に聞きたいことはありますか?」


 いえ、ありません。

 後は自分の目で確かめ学びます。

 で、お願いですが……。


「はい」


 人間になりたいのですがそれは無理そうなので、人間に見えるように肌の色をせめて白っぽく出来ますか?


「そうですね……それぐらいなら出来るでしょう。肌の色を白くしますね。肌自体を変えることが出来ないので色素を抜くようなことになります」


 はい、それで構いません。

 白ならまだいるでしょうし、紫はないでしょう。

 俺の髪の色はどうですか?


「あなたの髪は白く、魔物としてなのでしょうか後ろ髪が下から抜けるように紫色となっています。ですが、大丈夫でしょう。あれならもう一度迷宮を攻略した時に叶えてあげます」


 その時はよろしくお願いします。


「目は赤色ですが他にもいますので安心してください。あとは頑丈だったり、力が強いですが大丈夫ですね。他は魔物なのであなたの核が体の中に存在します。それがなくならない限り致命傷を受けても生きれますが、少しでも砕ければほぼ致命傷となるので気を付けてください」


 分かりました。

 このままでは外に出ても殺されるのではないかとビクビクしてたので助かりました。

 ありがとうございます。


「いえいえ、こちらこそ久しぶりに楽しい時を過ごせたので良かったですよ。それではあなたの肌から色素を抜きます。目を閉じてください」


 俺はそう言われたので目を閉じる。

 光でも発するのだろう。


 そう考えた瞬間に俺の唇に柔らかく暖かい物が触れ、俺の小さくなった口の中に暖かい力が流れ、その後冷たい物が吸い込まれていった。


 驚いて目を開けると目の前には目を閉じた女性がいて俺に口付けをしていたのだった。


 だが、抵抗することは失礼なので暴れることなく黙って見守った。


 程よくして目が合い、ほんのりと頬を染めて微笑んできたが俺はどうすることも出来なかった。

 こういう時に表情が変えられないので困るのだ。

 嬉しいのに相手には伝わらない、だから人と一緒にいなかったのだ。


 だが、目の前の女性には俺の嬉しさが伝わっているはずだ。

 心が読めるのだから。


「ええ、しっかりと嬉しさが伝わってます。同時に……いろいろと来てますが……」


 何か……すみません。


「いえ、私の方こそいきなりすみませんでした」


 そう言って顔を赤くし頭を下げる女性。

 俺はそれを見てまた可愛いなと思う。


 こういった人を彼女にしたいと思うのだろう。

 だが、俺には無理だ。

 幸せにすることが出来ない、自信がない。

 俺よりもかっこよく、機微が良く、優しい人がいるはずだからな。

 それに対して俺はチビで、不細工で、無表情で、厳しく怒りっぽい、しかも魔物だ。


 そこまで考えるといきなり女性が頬を膨らませて俺の頬を抓った。


「あなたはもう少し自信を持った方がいいですね。女性にあそこまでやってもらってその気持ちに気付かないとは鈍感ですよ?」


 な、なんだと……。


「そうです。もう少し自信を持ってください」


 で、では……。


「あなたのような人は初めてです。ぜひ、また私の元へ来てください。私を手に入れるには少なくとも一〇〇階層の迷宮を踏破しないといけません。人知を超えていますが、あなたになら出来ます」


 先ほどのキスは皆にしているわけでは……。


「そんなことないですよ。両手を翳すだけで出来ます。あなたは私のことを理解してくれますし、あなたが思っている以上に優しいですし、何よりあなたの心が澄んでいるのがいいです。そのままでいてくださいね」


 女性はそう言って優しく微笑んだ。

 俺は、この人を好きになっていいのか……。

 また騙されているんじゃないのか……。

 裏切られるんじゃないのか……。


「いいえ、私はあなたを裏切りません。今すぐ好きになってほしいとは言いません。少しずつ、私のことを知り、好きになってください」


 女性はそう言って俺の肌に触れ、優しい微笑みを投げかけてくる。


 ……分かりました。

 次に訪れるまでに決めます。

 今は分かりませんが、必ず素直になってまた会いに来ます。

 それまで待っていてください。


「わかりました。死なないで下さいね。あなたに出会えたことに感謝を……。そして、あなたに祝福を……」


 そういうと共に俺の中に力が流れ込んできた。


「私の加護を与えました。迷宮内で良いことが訪れますよ。内容については私もわかりませんが」


 ありがとうございます。

 出来るだけ早く迷宮を踏破しますから待っていてください。


 そういうと同時に俺の身体が何かに引っ張られるように消え始めた。

 そこで初めて俺は口を開いて聞く。


「あ、あなたの名前は?」


 そういうと極上の微笑みを浮かべて迷宮の神は名乗る。


「私は迷宮と冒険の女神、■■■です。あなたの行く末に栄光あれ。ではまた、お会いできることをお待ちしています」


 はい。

 俺も待っています。


 そこで俺の意識は一度なくなり、次に目を覚ました時は知らない天上が見えるのだった。


ソフィアノスの性格を分かってもらえたでしょうか?

ですが、肌が真っ白と言うのはおかしいですかね?

まあ、アルビノだと思えば……。


ヒロインは女神様ですが、魔物と女神様のカップリングはあまりなかったですよね?

ヒロインなのになかなか会えないという残念感……。

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