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死に戻り白豚勇者、日本で準備万端ととのえて、いざ異世界へ(※ただし彼は洗脳されている)  作者: 優木凛々
第3章 リベンジ

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19.リベンジ


そこは、砦前に広がる、野球場ほどの大きさの広場。


300mほどの距離に迫ったミノタウルスの群れを見て、シオンは唇を噛んだ。


――ずっとこの時を待っていた。

――今度こそ誰も死なせない。



広場の入り口に設置されていた落とし穴で多少足止めされるものの、ミノタウルスの勢いは止まらない。


シオンが叫んだ。



「撃て!」



その声と共に、城壁上から弓矢と魔法の光がほとばしる。


シオン自身も、軽く息を吐くと、一気に魔力を高めた。



ポッポッポッポ



周囲に、数十本の光の十字架が浮かび上がる。

シオンは叫んだ。



「<南十字サザンクロス症候群シンドローム>!」



光の矢が一気に放たれる。


怒りの声を上げて、どうっと倒れるミノタウルスたち。



「<地獄インフェルノ光鞭ライトニングウイップ>!」



突然現れた光りの鞭になぎ倒されるミノタウルたち。



「す、すごい……」



ゾフィアは呆然と呟いた。

こんな高威力の魔法は見たことがない。



シオンの強力な魔法と、クロスボウ隊と魔法隊により、数を減らしていくミノタウルスたち。

砦前まで来れたのは、特に強い個体20匹ほどだった。


カルロス達が、雄たけびを上げながら飛び出した。

2人1組になってミノタウルスに襲い掛かる。


シオンも、剣を抜き放つと、最も大きなミノタウルスに向かって斬りかかって行った。

光魔法をまとわせた剣で、腕を一気に切り落とす。


狂ったような大声を上げるミノタウルス。

それにかまわず、今度は逆の腕を切り落とすシオン。



高台にいたシャーロット王女が信じられないという顔で呟いた。



「……なぜなの。あれは弱体化させる魔道具ではないの」



エミールが焦って叫んだ。



「早く! 早く隷属の腕輪に魔力を!」


「っ! ダメよ! 効かないわ!」



叫ぶシャーロット王女。



――と、その時。


うっ、という声と共に、王女の横に立っていた護衛騎士が倒れた。

続けて、残り4人も倒れる。



「な、なによ!?」



ヒステリックな金切り声を上げて振り向く王女。


そこには、両手に短剣を持った小柄な少女が立っていた。

その後ろには、剣を持って微笑むウィリアムと、騎士5人、文官1人。


ウィリアムは、シャーロット王女に微笑みかけた。



「驚きましたよ。2つ向こうの山から、危険度Aのミノタウルスの群れを連れてくるとはね」


「ん。シオン達を殺した後、街にけしかけようとか、鬼畜すぎる」



驚愕の表情を浮かべるシャーロット王女に、軽蔑の目を向けるアリス。



「まあ、確かに、瘴気に侵されたミノタウロスの集団であれば、そのくらいできるでしょうけど、相手が悪かったですね」



そう言って下を見るウィリアム。

砦前では、ジャックスと背中合わせになって戦っていたシオンが、最後の1体を切り伏せたところだった。


ドオッ、と、倒れるミノタウルス。


剣を掲げて雄たけびを上げるシオン。



「シオン! シオン! シオン!」



沸き起こるシオンコール。



エミールはギリギリと歯ぎしりをした。



「こ、この! 化物め!」



ウィリアムはにっこり笑った。



「魔王を倒した勇者と、勇者を倒そうとした罪人。化物は果たしてどちらでしょうね」



そして、片手を胸に当てて恭しくお辞儀をしながら言った。



「さあ、では、下に降りて頂きますよ、シャーロット王女殿下」




* * *




最後のミノタウルスを斬り伏せ、シオンが肩で息をしていると、ジャックスが肩を叩いてきた。



「お疲れ。シオン。正に、鬼気迫るってやつだったな」


「お疲れ。途中で何回も守ってもらったな。あれがなかったら、俺、今頃ここにいなかった。ありがとな」


「何のために俺が両手剣から片手剣に変更したと思ってるんだよ。目標達成だ」



ニカッと笑うジャックス。


同じようにニカッと笑い、パンッ、と、ハイタッチをするシオン。




笑い合いながら砦に戻る2人。


そして、砦の中庭に入ると。

そこには、シャーロット王女と軽く手を縛られたエミール、縛り上げられた教会騎士達5人。

合計7名が座らされていた。


やっぱりな、と、呟くジャックスと、溜息をつくシオン。


エミールは、シオンを見るなり怒鳴りつけた。



「この化物め! ただで済むと思うなよ!」



シオンは苦笑いした。

――それはこっちの台詞だろ。


そして、美しい顔を歪めて喚き散らすエミールを無視すると。

下を向いて黙り込んでいるシャーロット王女に尋ねた。



「……なぜ、あなたは私を殺そうとしたのですか」



これは、ずっとシオンが疑問に思ってきたこと。


今回はまだしも、前回(召喚1回目)のシオンはずっとシャーロット王女に従順だった。

そんな自分を、なぜ彼女は殺したのか。

前回と今回、動機が同じとは限らないが、知っておきたい。



王女は、汚いものを見るような目でシオンをじろりと睨むと、吐き捨てるように言った。



「ふん。下賤な者に、話す言葉などないわ」



溜息をついて苦笑いするシオン。


そして思った。

きっと、これが彼女の本性なんだろうな、と。






――その後。


王女を見張りの付いた部屋に。

他は、全員地下牢獄に閉じ込められ。



翌日の早朝。

罪人達を連れたシオン達は、辺境伯領に戻っていった。








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[一言] ここからが本番かなぁ
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