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死に戻り白豚勇者、日本で準備万端ととのえて、いざ異世界へ(※ただし彼は洗脳されている)  作者: 優木凛々
第3章 リベンジ

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01.砦の密談1


月のない夜。

辺境伯領の外れにある北の砦にて。


パチパチと音を立てる焚き火を見つめながら、シオンは、ぽつりぽつりと話はじめた。


・自分が、約半年後の未来から来たこと

・その未来で、魔王を討伐したものの、直後にミノタウルスが急襲。自分とジャックス、アリス、カルロス団長、ゾフィア師団長の5人が殺されてしまったこと



今まで、シオンは魔王討伐前に関わることを思い出すのを、避けてきた。

思い出すと、ひどい頭痛と吐き気に襲われるからだ。


しかし、もうそんな甘えたことは言っていられない。


襲ってくる眩暈と吐き気と戦いながら、懸命に話すシオン



そして、ようやく話が終わり。


しばしの沈黙の後。


ジャックスが軽く溜息をつきながら、口の端を歪めて笑った。



「ははは。なんか死刑宣告された気分だな……。半年後に死ぬ、か。……想像もしてなかったな」


「ん……。さすがにショック」


「……なるほど。道理でこちらに来てからの様子が変だと思いましたよ」



ショックを隠し切れず黙り込むジャックスとアリスに、考え込むウィリアム。


聞こえるのは、夜鳥が鳴く声と、焚火がパチパチと燃える音のみ。



――そして、しばらくの沈黙の後。


シオンが遠慮がちに口を開いた。



「あ、あのさ。めちゃめちゃ突拍子もない話してると思うんだけど、そんなにあっさり信じて良いの?」



ジャックスが苦笑いした。



「信じて欲しいのか、欲しくないのか、どっちだよ」


「そりゃ信じて欲しいけど、あまりにもあっさり信じてくれたから、却って心配になったというか」



ウィリアムが、眼鏡をクイッと上げながら言った。



「まあ。確かに突拍子もない話ではあります。でも、あまり疑うところがないのですよ」


「そうなの?」


「ええ。そもそもシオンが嘘をつく理由がないですからね」



うんうん、と、頷く、ジャックスとアリス。



「嘘だったら、シオン、すごい俳優になれる。普通の人、あんなに真っ青になったりできない」


「だな。それに、未来から来たんだったら、この砦の存在を知っていたのも納得だし、そもそも、お前は嘘つくような人間じゃないしな」



ありがとう、と、呟くシオン。


そして、シオンの話は本当だという合意形成がなされ。

ジャックスがゆっくりと口を開いた。



「……それで、シオンはこれからどうするつもりなんだ?」


「私達に話したということは、何か目的があるのでしょう?」



こくりと頷くシオン。


そして、しばらく黙った後。

彼は苦しそうな表情を浮かべながら口を開いた。



「……俺さ、死んで日本に戻った時、みんなが殺されたのは俺のせいだと思ったんだ。俺が鍛練とか勉強をサボってたから、みんなを死なせたんだって。だから、今回こそはみんなを死なせないようにと思って、一生懸命頑張ったんだ。

……でも、最近。これは俺ががんばっただけで、どうにかなる問題じゃない、って気がしてるんだ」



シオンは、ポケットから1枚の紙を取り出し、3人に差し出した。



「これは?」


「シャーロット王女が俺に『寝るとき以外ずっと着ていてください』って、押し付けてきた魔道具の機能解析書だ」




――――

魔道具名:

『身体能力向上の魔道具』


効果:

身に付けると、魔力を消費して身体能力を2.5倍にする


副作用:

1日6時間以上の着用で、魔力回復力の低下、元の身体能力の低下が認められた

複数の人体実験の結果は下記。


・魔力回復力 :60%低下

・元の身体能力:30~50%低下


――――



「ッ! これ……!」



思わず息を飲むアリス。


ウィリアムが、紙を見ながら冷静に尋ねた。



「……この魔道具は、前回(召喚1回目)の時も、シャーロット様から渡されたのですか?」


「ああ。その時はエミールからだった。心配だから四六時中着ていて下さい、と言われた」



魔力量減少も弱体化も、着用してれば気にならないから、副作用があるなんて全然気が付いてなかった、と、呟くシオン。



「しかも、ミノタウルスに襲撃された時、この魔道具がなぜか寝室からなくなってたんだ。脱いで椅子にかけておいたのに、だ。

当時は、気が動転してたから、どこかにやってしまったのかと思っていた。でも、今は……」



ひどい頭痛を堪えながら、シオンは大きく息を吐くと、絞り出すように言った。



「……信じたくないし、考えたくもないけど。俺は、前回(召喚1回目)、俺達は殺されたんじゃないかと思ってる」







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― 新着の感想 ―
[一言] 思ってるも何も、謀殺以外の何物でもないよな
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