表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/66

49話 王都へ到着

(なにもなかった……解せぬ)


 朝の陽が窓から入り始める前の早い時間にウツィアは起きた。


「いない……」


 ベッドにはいない自身の夫のことを考える。

 昨日のことを思い返した。

 色々感情が追い付かなかったけれど、心配をしてくれて抱きしめて決して離れようとしない。


「ウェズ、私のこと好きなの?」


 ウツィアの言うこともさして聞こえず、でもみなくてもウェズの心配は確かに感じた。


『君を失うと思うと、心底怖かった』


 昨日のウェズの言葉が甦る。言葉といい行動といい普段と比べるとウェズは随分と大胆だった。


「ひええええ」


 恥ずかしさに顔に熱が集まる。服まで脱がされた。本懐を遂げていないとはいえ、今までで一番の触れ合いだろう。


「でも、ちゃんと謝らないと」


 勝手にその場を離れたウツィアの行動で、ウェズはみえずとも感じる程心配してくれた。昨日大して話もできなかったのだから、今日きちんと話をしておかないと。


「奥様? よろしいでしょうか?」


 ノックと共にマヤがやってきた。招き入れて着替え、別部屋に行くとウェズが座ってウツィアを待っている。朝食を一緒にとってくれるらしい。


「おはようございます」

「ああ、おはよう」


 二人で食事をするのも自然になった。

 昨日の今日だからかウェズの言葉はさらに少なく、ウツィアが座ると同時にカツペルに手紙を渡す。ウツィアの視線が手紙にあるのを見てウェズは「院長にだ」と短く応えた。


「あ、昨日のことですね」

「場はおさめたし、治安隊も協力的だった。問題ない」

「そう、ですか」


 食事を終えればすぐに出発だった。馬車に乗るとウェズがウツィアの隣に座り手をとる。


「え、と?」

「……まだ不安なんだ。暫くこのままでは駄目だろうか」

(というよりも、触れていたい)


 ウェズの想いはさておき、ウツィアは今がチャンスだと思い昨日のことを謝った。


「私が軽はずみな行動をしたのがいけなかったから」


 ごめんなさい。

 すぐ駆けつけてくれてありがとう。

 そう言うとウェズの目元が緩んだ。


「君は悪くない。正しい行動をした」

「え?」

「孤児院によくない思いを抱いている者の言いがかりが発端だったから、あの子をあの場から遠ざけるのが一番だった」


 相手は酔っ払ってて手も出そうだったから、その場から立ち去るのが正解だったと言う。


「そうですか……よかったです」

「ああ」

「でもウェズに対してよくない態度でした。気を付けますね」

「……君は優しいな」

(好き)


 あいている手でウツィアの頬に触れる。包み込まれた後に指先で頬のラインを撫でた。どきどきしつつもウツィアはそのまま受け入れる。と、触れていたことに気づいてウェズはバッと手を引っ込める。


「すまない」

(触りすぎた)

「いえ」

(手は繋いだままなのに)


 再び夫の嬉しい気持ちが強すぎるせいでウツィアに伝わってしまう。


(なんだかとても愛されてる気がする……気のせい?)


それ以上触れることはなく、気恥ずかしさを残したまま王都へ到着した。



* * *



 王都のタウンハウスは快適だった。連れてきた従者の数を考えると丁度いい。

 ウツィアは部屋でマヤと一緒にウェズが用意した社交界用の品々を眺め、ドレスに袖を通していた。


(ドレスもかなり高そうだし……わ、いい布使ってる)


 まじまじみてるウツィアをマヤは黙って待っていた。


「マヤ、なんだかすごいドレスを頂いた気がするのだけど」

「はい、旦那様張り切ってましたよ」

「張り切る」

「カタログすごく見てましたし。結局フルオーダーにしたと聞きました」


 そこまで? とお金の使い方に絶句していると、マヤは笑みを深める。


「結婚してから初めての社交界ですし、旧知の王子殿下と王女殿下とも結婚後初めての顔合わせです。熟慮されるのも当然のことかと思います」


 ふと王城の庭のことを思い出した。最近のことなのにすごく昔のことのように感じる。


「そういえば王城に行くの、久しぶりだわ」

「奥様に大したことないドレスを着させて行ったら、旦那様は両殿下に殴られると思います」


 確かに気にくわなかったら、王女のキンガがフルボッコよと言って殴りそうだ。そこそこ上等なものではなく、やるなら極めて上等にが望ましい。それが高位貴族や王族としての責任でもあるとキンガはよく言ってた気がする。


「旦那様と殿下たちは仲が良いのね」

「奥様も」

「ええ、そうね」


 ドレスを着て髪を結い上げる。白銀が混じる金髪によく合う薄く落ち着いたアースカラーだった。よく見ると細かな部分に輝く金色の刺繍が見える。地味にはさせず、かといって派手にもならない。ウェズが考えてこのドレスを用意してくれたと思うと大切にされている気が再びして嬉しくなった。

ウェズがこれ見よがしにいちゃつき始めた(笑)。脳内お花畑で昨日のシリアスも(っ'-')╮=͟͟͞͞ (シリアス) ブォンですな!そしてドレス着て社交界へGOする感じになってきました。


今日のちょこっと占い→小さなことでもいいので自分のやりたいことをしてみましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ