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Connect☆Planet -コネクトプラネット-  作者: 二乃まど
第六章 それぞれの想いと
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義理って何ですか?

 風ちゃんの本音(きもち)が聴けた。気がする。本当の意味での告白。悩んでいる風ちゃんには悪いけれど、それが今は無性に嬉しく感じて顔が少し綻んだ。


「風ちゃんは弱くないよ。絶対に弱くない。これは言える。だって、あたしは風ちゃんの隣で視てきたから」


 風ちゃんはそれでも自分を卑下するだろう。他人にはまだしも、自分自身に嘘がつけるような性格じゃないから。それに、あたしだって何回も風ちゃんに命を助けられてる。あたしにはその強さだけで十分なんだよ。たとえ誰にも負けない最強がいても、そんなのあたしにとっての最強じゃないなら何の意味も無いんだから。


「けどさ、それで納得が行かないんだったら、うん。あたし、待つよ。大丈夫、これでも一人っ子だからね!お留守番とか全然問題ないもん!」


 正直お留守番をした記憶は無いけれど、たぶんしてる、と思う。


「……千寿流」


「修行?みたいなことするんだよね。あう、その間あたしなにしてればいいかな?ホテルとかで待ってればいい感じ?」


「ああ。悪ぃな。金のことは心配いらねえ。それにもし一人が辛いってんなら、お前を一度結九里に送り届けてやるよ」


 風ちゃんは申し訳なさそうにそう言った。こんなしおらしい風ちゃんは見ていたくない。早めに元の調子に戻ってくれると嬉しいな。


「ううん。それも嬉しいけど、一度でも戻っちゃったらまたパパたちに引き留められちゃうと思うし、あたしはこのままでいいよ。ってやっぱりホテル代高いから?」


「ははっ。気にしなくていいっつったろ。オレもそこまで時間かけるつもりじゃねえよ」


 心配性のあたしが面白くなってしまったのか、そう笑いながら白い歯を見せて笑顔で言ってくれた。


「あ」


 ふと、横目をやるとアリィちゃんがつまらなさそうに、こちらをジト目で睨んでいるのが視えた。


「ちょっと、わたしがいること完全に忘れちゃってませんか~?二人で勝手に話を進めちゃって。そりゃ、わたしはあなたたち二人よりいっしょにいた時間は短いですけど、それって差別じゃありませんか~?」


 不機嫌そうに立ち上がり自販機にカードを翳す。ピッという音と共に、缶ジュースが取り出し口に顔を覗かせる。


「別に忘れちゃいねえよ。けど、オレの身勝手な理由でアンタをこの地に拘束するわけにもいかねえだろ?アンタは自由人、ワンダラーなんだからよ」


「いやいや、トレジャーハンターですって!人を放浪者みたいな言い方しないでくださいよっ!」


 缶ジュースを手に座りかけていたアリィちゃんが再び勢いよく立ち上がる。その拍子に。


「やばっ」


 手からすっぽ抜けて、坂を転がっていく缶ジュース。このコースはまずい。さっきと同じように転がったら、また下の自販機の隙間に入り込んでしまう。あたしはアリィちゃんが反応するよりも早く、転がるアルミ缶を追いかける。


「あたし、拾ってくる!二人はそこにいて!」


 わたわたと坂を駆けていく千寿流を二人見送る。


「う、ごめんなさい、ちずちず」


「正直よ、アンタにも悪いと思ってるよ。オレのわがままで勝手に旅を終わらせちまって」


 空を見上げながら風太が言う。砂漠地区からは少し離れているとはいえ、ここら一帯も異常気象地区に認定されている。天気は晴れだが、まだまだ砂が吹きあれ、快晴とは言い難い景色だ。


「あの、勘違いしてもらってるみたいですけど、わたしも付き合うつもりですよ?」


「は?」


 風太が目を丸くしてアリシアの方を視る。


「だって、わたしもちずちずを守ってみせると言っちゃったんですから」


「いや、それはあくまでも事情が変わる前だろうが。お前にそこまで付き合わせる義理は……」


「義理って何ですか?人がいればその人数の義理が在ると思います。わたしにはわたしの、風太には風太の。わたしは守るといった以上、それを守り通す。言うならばそれがわたしの義理です」


 きりっとした真面目な表情でアリシアは言う。


「他にも食事とか、いろいろどうするんですか?育ち盛りなんですから、バランスの良い物食べさせてあげないといけない筈です!それにあんな小さな子一人ホテルなんかに置いておけないでしょ!」


「それは、だな」


 言われて言葉に詰まる。確かにそうだった。ここでも自分のことしか考えられていない事に気が付き、自分の愚かさを再度痛感する。


「それに、それにですね。善意だけじゃないですよ。わたしもちずちずのこと、好きになっちゃったんです。風太も好きになっちゃったんですよね?」


「……フン。バカ言えよ、誰がだ。あんなどんくさいヤツ好きなもんかよ。オレのはただ助けられた礼だ」


 風太は顔を背けてそう言った。その言葉に棘は無い。きっと、顔が赤くなっているかもしれないから、照れ隠しなのだろう。


「……銀ノ木は、わたしの故郷なんです」


和やかな雰囲気のなか、アリシアの口から出たのは意外な言葉だった。

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