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Connect☆Planet -コネクトプラネット-  作者: 二乃まど
第六章 それぞれの想いと
222/417

痛感

「あー!もー!二人ともどこに行っていたんですかー!わたし待ちくたびれて、ここにあるジュース全部制覇!とはいかなかったですけど、半分は飲み尽くしちゃいましたからね!」


 一悶着を終えて帰ってくると、パンパンに膨れたお腹を叩きながらアリシアがそう言った。

 自動販売機に売られているジュースの種類は、ざっと見る限りでも三十種類以上近い。その半分というと15種類。中にはペットボトルもあるので、それらを飲み干したとなるととんでもない量だ。嘘みたいな話だが、あの膨らんだ腹を見るに嘘偽りない事実なのだろう。


「お腹大丈夫?アリィちゃん」


「ふふふー、大丈夫ですよー。わたしは内臓も強いですからね!ちずちずたちが遅ければ全制覇してましたよ」


「ッくそ。お前の能天気なアホ顔視たら、くだらねえことで悩んでるオレが馬鹿みたいだぜ」


 頭を掻きながら開いているベンチに腰掛ける。


「風太、何かありました?わたしでよければ相談、乗りますよ?」


「別に何もねえよ。答えは出てんだ。今オレは一人じゃない以上、考えねえといけねえって思っただけだ」


「ふむ、考える、ですか?風太は十分に考えて行動してくれていると思いますよ?ほら、この前の遺跡の魔獣(マインドイーター)と戦り合った時も、わたしの考えを瞬時に理解してくれましたし。まあ、あそこまで強烈な一撃を隠し持っていたのは驚きでしたけど」


 その答えに首を横に振る風太。


「違え。工藤風太(オレ)は弱い。それに気づいた」


 そして、そんな弱い工藤風太(オレ)にオレはイラついている。


 身体が動かないわけじゃない。頭が回らないわけじゃない。もちろん舐めてもいねえ。オレは自身が出せる全力を出し切れている。けれど、そこにノイズの様に混ざるのは雑念。強敵を前に湧き上がるどうしようもない無力感。そして、そこから来る苛立ち。

 冷静にあろうとすればするほどにから回る。出口のない雁字搦めの無力感が苛み続けるのだ。


「風ちゃんは強いよ!あたし、今まで視てきたもん!ずっと、ずっと!」


 千寿流ならそう言うだろうな。ンなことは分かってるんだ。

 けど、今のままじゃいられない。


「銀ノ木に行くんだってな?悪いが、オレは行けねえ」


「えぇ!?」


 風太の思いもよらない言葉に大きく口を開けて驚く千寿流。隣に立っているアリシアも怪訝な顔で口に手を当てて、その言葉の意味、真意を探ろうとしていた。


「勘違いすんなよ。別にお前との旅を放棄するわけじゃねえ。初めに言ったんだ。責任を持って納得のいくところまでは付き合うさ」


「えっと、風ちゃん。それ、どういう意味?」


 不安そうな顔の千寿流がそう訊ねる。


「今のオレじゃあ、その責任が持てねえってことだ。銀ノ木は異常気象、地盤変化、魔獣(マインドイーター)の存在。それに噂にゃ停影の住人(ノーバディ)とやらの話も聞く」


 停影の住人(ノーバディ)。たしか、魔獣(マインドイーター)と組んで悪さをする団体のことだったはずだ。人間とまるきり性質が違う魔獣(マインドイーター)と組むなんて本当にできるのかと思うけれど、実際に新海地区では魔獣(マインドイーター)を呼び出し使役する人物に出会った。

 もしそんなことが可能ならば、魔獣(マインドイーター)との共存だって可能なのではないかと、ふと思ってしまう。

 こんなこと口にしたら風ちゃんには、またくだらねえ事と一蹴されちゃうだろうけど。


「情けねえ話、守ってやれる自信がねえんだ」


 口先で守ってやると言うだけならばいくらでも言える。根拠なんて何もない大法螺吹き。伽藍洞の空間に浮かぶ文字の羅列。それは嘘なのだからどんな尊大な事でも言えるだろう。


 けど、現実はそんなに甘くない。

 この世界には敵わない相手がいくらでもいる。自身の手が届く距離、それ以上先にある命には手が届かない。ならば、黙って散らされる命を呆然と眺めるしかできない。それを今日改めて痛感した。

 こんな中途半端な気持ちを抱えて、偉そうに守ってやるなんて言えるわけがない。


「だから、少し時間が欲しいんだ。オレが納得できるまでの時間が」

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