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Connect☆Planet -コネクトプラネット-  作者: 二乃まど
第五章 大食い少女とあたしの冒険譚
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おねだり作戦

「へー、銀ノ木(ぎんのき)ってところには異能(アクト)に関しての研究を行ってる施設がたくさんあるんだ?」


 風太がギルドに報告を行っている間、次に向かう目的地について千寿流とアリシアは話し合っていた。


「はい!銀ノ木はその昔、甲府という名前の市でして、今ほど気候も荒れていなかったので、遠くからも観光客がやってくるとても素敵な街だったんですけど……」


 アリィちゃんの顔色が暗くなる。その銀ノ木という場所で何かあったのだろうか。


「ねえ、大口(おーく)の時は導のせいで大穴が開いちゃったって話だったけど、銀ノ木ももしかして何か起こったりしたの?だって、街の名前が変わるってそんな簡単な事じゃないでしょ?平塚市は変わってないわけだし」


 千寿流は普段冴えない子供そのものだが、ところどころ鋭い考えを披露することがある。


「それはその。地盤が割れて、地形そのものが変わってしまった……みたいです」


「みたい?」


 煮え切らない言い方に訊き返す千寿流。


「ええ、その辺りは特に酷くてですね。地盤が盛り上がり形成された聳える山々には、人が踏み入れられないような吹雪が延々と吹き荒れていたり、地図自体がまともに機能していない地域で、わたしも詳しく知らないんですよ。すみません、ちずちず」


 そう言いながら、アリィちゃんはマップアプリを開いて画面を見せてくれた。

 しかし、銀ノ木周辺をタップすると、アプリ自体がバグってしまったのかと思われるほど、地名が高速で入れ替わったり、タップした画面が縦横無尽にブレ続けていた。


「うわ、眼が悪くなりそう」


「だから正直、お勧めしません。言っておいてなんですけど、このまま海沿いに下り、西に向かうのが良いと思います」


 そう言うアリィちゃんの顔にはどこか憂いがある。隠してはいるみたいだけれど、アリィちゃんは普段から明るい分、その表情の違いが良く分かった。


 あたしは別に人の嘘を見抜くのが得意なわけじゃない。

 だって、誰だって分かる。

 行く気も無いのに、話題にあげる必要などないのだから。


「行ってみたいの?あたしは、その、銀ノ木ってとこ興味あるよ?」


 この旅はあたしだけじゃない。風ちゃん、アリィちゃんもいっしょなんだ。あたしだけのわがままを聞いてもらう気なんて毛頭ない。だから、さり気なくアシストしてあげることにした。


「いえ、いいんです。砂漠では無茶しました。二人にはこれ以上ない位危険な目にも遭わせました。だから、これ以上は。っわ」


 アリィちゃんに抱きつく。

 言葉で言っても伝わらないなら身体でぶつかっちゃえ。あたしは頭が悪いから、難しいことを言って納得してもらうのは難しいみたい。だから、あたしのとっておきの技、おねだり作戦だ。


「じゃあさ、また守ってよ?」


「へ?」


「アリィちゃん、ちゃんと守ってくれたじゃん。だからさ、今度も守ってよ。それならあたし、全然怖くないもん。ね、アリィちゃん♡」


 慣れない上目遣いをしてみる。果たしてこれが効くのか解らないが、アニメなんかではこんなので意外と上手くいくのだ。だから記憶を頼りに見よう見真似で試してみる。


「う?」


 アリィちゃんの目尻にほんの少しだけ涙が溜まってるのが視えた。


(あれ?あれあれあれ?もしかして嫌がってる?あたしっぽくないのは、うん。分かってるけど。そんなに嫌?)


 思い切ってやったのに、嫌がられるのはさすがにショックだ。抱きついたことを後悔しかけていたその時。


「ちずちずぅうぅ~~!!可愛すぎますぅうぅ~~~!!」


 そう言いながら抱きしめ返され、涙と鼻水に塗れた顔を擦りつけられる。う、汚い。いや、汚いとか思っちゃダメなんだけど。


「わがりましだ!わたじ、このアリシアが!何が何でも!絶対にッ!ちずちずを守ってみぜます!」


 ガッツポーズを取りながら、そう高らかに宣言するのだった。

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