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Connect☆Planet -コネクトプラネット-  作者: 二乃まど
第三章 狼との出会い
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夜深の弱点

 一行は風太を加えた五人でところどころ道が狭まる地下洞窟を進んでいく。先頭はクラマ、続いてシャル、夜深、千寿流と並び、殿(しんがり)を風太が務める。


 クラマちゃんと風ちゃん。二人ともあたしたちの中では身軽で、戦闘経験も豊富ということでこうなった。夜深ちゃんは前後どちらにも対応できるよう、真ん中で臨機応変に動いてもらう。という感じだ。

 クラマちゃんは小さな頃からシャルちゃんに、自衛のための戦闘スキル?のようなものをひとしきり教えてもらっていたという話だった。正直あたしは今のシャルちゃんしか知らないので、それがどういった光景になるのか想像がつかない。

 けどそんなことがどうでもいい。少し前まではあたしとシャルちゃんの二人だけだったのに、今はこうして五人もいっしょに行動しているという事実が、なんだかRPGの冒険みたいで嬉しかった。


「えひひひ」


 なんだか嬉しくなって思わず笑みが零れてしまう。


「ンだよ。なんか面白いもんでも見つけたのか?」


 笑っていたのが見られてしまったのか、風ちゃんに声をかけられた。


「え、いやそうじゃなくてね。そのね。嬉しいなって」


「嬉しい?」


「あたし、なんか良く分かんないんだけど、昔のことあんまり覚えてなくて。だから、こうやって他の人と仲良くなっていっしょにいられるのが嬉しいんだ」


「……」


「あ、そのごめん。風ちゃんはいっしょに行動するのとか本当は嫌なんだよね?ごめん、あたしたちの勝手なワガママでつき合わせちゃって」


「別に独りじゃなきゃいけねえってほど拘ってるつもりはねえよ。ただ、足手まといにはなりたくねえし、それと同じぐらい足手まといが邪魔なだけだ。もしかしたら、オレは(しがらみ)から逃げてるだけなのかもな」


 声のトーンが少し落ち込んだような気がして、あたしは振り向いて風ちゃんの顔色を確認した。

 下を向いて何かを思いつめるような表情。昔何かあったのかな。でも仮にそれが原因だとしても、きっと今のあたしじゃ何を訊いても教えてくれないだろうと思った。


「そうだ、お前あのオッサンとはそれなりに行動を共にしてんだろ?」


 何か声をかけてあげたいと思っていたら、風ちゃんが突然顔を上げてそう言った。


「オッサンってその、夜深ちゃんの事?夜深ちゃんは別にオッサンじゃないと思うけど」


「いいんだよ、ンなのはどうでも。お前、あのオッサンのなんか弱みというか、苦手な部分は知らねーのか?」


「え、えーと。うーん、そうだなあ。夜深ちゃんの苦手な部分か~。う~ん、何があるんだろう?」


 風ちゃんに言われたことを必死で考えてみる。夜深ちゃんはいつも笑っていて、食べ物も好き嫌いとかないし、虫なんかも平気で手で捕まえてしまう。あたしには絶対無理なことだ。

 料理はあんまり好きじゃないみたいだけど、前作ってくれたチーズのオムライスは卵がトロトロですっごく美味しかったし、見た事ないけど、家事なんかは一通り出来ると言っていた。なんでも一人暮らしをしていたら誰でも出来るようになるらしい。

 それにあたしの知らないことをいっぱい知っていて、あたしよりも体力とかもあるし、もしかしたら何にも敵わないんじゃないだろうか?


「おい」


 ああ、考えれば考えるほどに自分が何にも出来ない事が思い知らされる。

 あたしは勉強も運動も苦手だし、特技みたいに自慢できるものもない。シャルちゃんや夜深ちゃんからは肌が赤ちゃんみたいにモチモチって言われたけど、これは特技じゃない。虫なんかは大の苦手だ。見るだけでもゾワっとしたものが背筋を駆け巡る。

 つまるところ、あたしには何にも無いのだ。もしかしてこれが鬱いってヤツ?


「おいッ!」


「ひゃいっ!?」


 耳元で大きな声をかけられ現実に引き戻される。


「わっ」


 考え事をしながら歩いていたせいで、足元の段差に気が付かなかった。


(まずっ、転んじゃう!)


「ほら、ちゃんと前を見て歩かないと危ないよ?こんな所で転んだら思わぬ大怪我に繋がりかねないからね。気を付けなよ?」


 ああ、やっぱり敵わないなあ。きっとあたしだったら、支えようとしてそのままいっしょに転んでしまうだろうから。


「っち。んだよ。オレが嫌なヤツみたいじゃねーか」


「ん?風太君は良いヤツでしょ。それも生粋の善人だ。悪人は兎も角、善人を見抜く目には自信があるんだよね、僕」


「うるせえよ」


 風ちゃんは顔を背けそう短く悪態をつく。その横顔がどこか嬉しそうに見えたのは、あたしの気のせいなのかな?


「おら、さっさと前歩けよ。アイツら先行っちまったぞ」


「え、あ、うんっ」


 あたしたちは先を進むクラマちゃんたちに追いつくために、再び歩き出すのだった。

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