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古城兄の場合

えー今日から十二月になりました、みなさんハロー。

モブキャラAです。

ってことで!


モブキャラAの花崎歌ウォッチングのコーナー~!


はい拍手、パチパチ。


今回の対象者は主人公花崎歌とぉ……我が校の生徒会長、古城隼人です!


さっそくですが、私は今放課後の教室……の扉を出たところの扉の影に隠れています。


夕暮れ。放課後の教室に二人きり、このパターンは。

いやこの物語は18禁どころか15禁ですらないのであんなことやそんなことはないけど。



「そういえば歌ってこの学校にクリスマスパーティーあるの知ってた?」


「クリスマスパーティー?」



……ああ、それの話か。

そういえばまだ話してなかったような気がする。


この学校では毎年クリスマスパーティーが開かれている。

まあ体育館を綺麗に掃除したあとにツリー飾って、テーブル運んで、料理置いて食べるだけなんだけど。



「やっぱまだ誰からも聞いてないのか」


「初耳だよー」



古城兄は今私がした説明をくどくど長ったらしくしてたからそこら辺省略。


で、話はここからだ。



「で、クリスマスカードっていうのがあるんだけど」



古城兄がズボンのポケットからハガキサイズの封筒を出した。


タイミング良くありすぎ、むしろもう花崎歌がこの話聞いてたらどうするのつもりだったの?



「わぁ、綺麗な封筒だね」



水色で星の模様がコピーされている封筒だった。


ふうん、古城兄は水色と星が好きなのか。意外でも何でもないからつまらん。



「これはまあ……ジンクスみたいなものだ」


「え?」


「……これ、やるよ」



ジンクスの内容を説明しないで封筒を渡す古城兄。

あの生徒会長様々が照れてる!かわいくね。



「いやあの、隼人くん」


「他の奴らからもたぶん、もらうと思う」


「クリスマスカードを?」


「そう、でも」



古城兄はいつになく真剣そうな顔をして言っていた。



「俺を選びなよ」



ちょうど私の角度から花崎歌の表情が見えないのが悔しい。


まあ古城兄の照れ顔が見れただけでラッキーなのかな。



「えっ、え?」


「帰ろうか」


「ちょっと待って隼人くん!これどういう意味……」



ってやば!こっち来る!

もう片方の扉にとりあえず移動して、二人が出たと同時に中に入ろう!



「隼人くん!」


「それにしても今日は一段と寒いな」



話の逸らし方雑すぎだと思うよ、古城兄よ。


まあとりあえずバレることなく私は今教室にいる。



クリスマスパーティーねぇ、聞くだけで鳥肌たつわ。

あんなのリア充が得するだけのパーティーなんだからさ。


それに去年は……まあ関係ないかぁ。



ジンクスの内容はそのうち分かりますよってことで。


私はあの二人を追いかけまーす!


二人を追いかけ下駄箱まで行く、と。



「お前、花崎のストーカーか何かなのか?」



……もうそろそろキレてもいいと思うんだ。


なんで声かけたし、おかげで二人を見失ってしまった。


私は目の前にいる男を思いきり睨んでやった。



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