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【創作童話】精霊祭の伝説[ハロウィン]

作中世界に登場する、ハロウィンに相当するお祭りについての童話です。

 昔々、いたずら好きで人懐こい性格の川の精がいました。

水は大地を潤す恵みであるけれど、ひとたび飲み込まれれば小さな生き物たちではどうしようもない力をたたえています。

川の精は、こどもたちが近づくと大声を上げて「いたずらするぞお!」と脅かして追い払ったりしていました。


 やがて人間たちがやってきて、川から水を引いて作物を作ったり、船を浮かべて魚を取ったりするようになりました。

彼らは水の恵みに感謝して、川に収穫物の一部をお供えとして流していました。

 流れてきた贈り物に喜んだ川の精は、ちょっとしたお返しをすることにしました。

人間たちが川べりで見つけたきれいな石をとても喜んで拾っていくのを川の精は知っています。

ですから、川底からきれいな石をたくさん拾ってきました。

金や銀、翡翠やメノウ、昔海の王からもらったサンゴや真珠。

川に流れてきた木の枝に花のようにあしらいます。

 でも普通に渡したのでは面白くない。

人間をびっくりさせたい川の精は、布で作った花をあしらった枝も作りました。

運が良い人間の手には石の花が渡り、とても喜ぶでしょう。


 川の精のお礼を受け取った者たちは、はじめ無邪気に喜びました。

ところが一部の人間は川底には大変な宝物が眠っている、それを全部手に入れたいと考えました。

川べりに多くの人間が立ち入るようになり、止めようとした者を川に突き落とすものまで現れ、川は濁っていきました。


 川の精は悲しみ、それに呼応した嵐が川べりの町を飲み込みました。

人間たちは大きな犠牲を払ってようやく自分たちの愚かさを知り、これを忘れぬようお祭りをすることにしました。

嵐の季節が終わると、人間の子供たちは川の精に扮して各家を回ります。

手に金銀の造花の枝を持ち、水を模したローブやマントをかぶるのです。

そして大人たちにこう声を掛けます。

「贈り物をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ!」

いたずら好きの川の精は、子供たちに紛れてあなたの家にもやってきているかもしれません。

あなたの窓辺にある金銀の枝が本物のように輝いていたら、それはきっと川の精の祝福なのです。

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