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降り積もるもの

「シン」

 洗濯物をたたんでいると、掃除をしていたアロウが手招いた。

「なあに?」

「ここの一段目空けたから使っていいぞ。」

 腰の高さくらいのチェストの一番上の段を開ける。

「お前の服とか持ち物とか、使わないものはここに仕舞って」

「ボクの…」

 手元の洗濯物に視線を下す。

 少し前までぼろ布1着しかなかったのが、今は替えのシャツがある。

 机の上には鞄や道具一式、胸元には買ってもらったばかりの護符が揺れていた。


 持ち物はずっと寝るときも大事に抱えていた。

 何かあっても持ち出せるように。

 でも今は、夜眠る時の心配はほとんどない。

 引出しに荷物を詰めていく。

 スペースにはまだ余裕がある。

「きっとすぐいっぱいになるな」

 覗き込んだアロウが言う。

「あんたは物持ちすぎでしょ」

 シンは呆れ顔で部屋の隅を見た。

 二段ベッドの上の段をシンのために空けた時にすでにわかっていたことだが、アロウは物をため込がちだ。

 その時にどけたものは、今も部屋の隅に積んで布で目隠ししただけになっている。

 当初はアロウの生活に立ち入るつもりのなかったシンだが、遠慮が不要と分かってからは少々目に余る、と文句を言うようになっていた。

「片付けたら?」

「そのうち使うかもしれないし……」

「うそばっかり!」

「そ、そろそろ飯の時間かな」

「話そらさないの!」

「いらないのか?」

「いるけど!」

 2階の角部屋は今日もにぎやかだった。

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