第92話 スナイパーと突撃兵
「おりゃあああああ!!」
「でやああああああ!!」
その後も私たちは、上へ上へと上がっていった。
流石にエレベーターは稼働していなく、仕方なしに階段を使っている……効率は悪いが、仕方がない。
「……主階段はここで終わりってわけね」
「美羽さん! 非常階段へ!」
「うん!」
とりあえず今は冷静に……上を目指すことだけを考えよう。
……しかし、下山さんが仕立ててくれたチャイニーズ女幹部は大活躍、機敏な動きができるし、攻撃力も高い……が、欠点ももちろんあって。
「美羽さん! 避けて!」
「え? うおおお!?」
純ちゃんの大声が聞こえ、我に返ると、矢が弾丸のように高速で飛んできているのが分かった。
間一髪、私はそれを避けた……これは。
「……なるほど、武装してるゴブリンってわけね」
通路の先、弓矢を持っているゴブリンが、こちらを仕留めようとしていたのだ。
そう、この衣装の欠点……遠距離の敵には何もできないこと。
青龍刀をぶん投げるわけにもいかないので、近距離の敵に集中するしかない。
花火職人に変身したら逆に近距離の敵を対処できないし、デフォルトの衣装だと両方に対抗できるが若干火力不足……。
『あぶね』
『ヒヤッとした』
『なんか前の方、隊列組んでね?』
コメント欄の指摘通り、奴らは隊列を組んでいて、これでは進もうにも勧めない。
先頭の奴らはドラゴンに跨っていて、今にも突撃ができる体勢を整えていた。
「美羽さん、遠くの奴らは僕に任せてください! 美羽さんはあの先頭の奴らを!」
「うん! いっくよー!!」
奴らが突撃してくるのと同時に、純ちゃんはそれを飛び越え、後ろにいる弓矢のゴブリンに攻撃を仕掛けた。
私も青龍刀を構え、奴らを迎え撃った。
まるで千切りをするように切り刻んでいき、最初に奴らの乗るドラゴンを八つ裂きにし、魔石に変えた。
これで突撃することはできなくなる……が、奴らは乗り物を捨てても攻撃をやめることはなく、武器や己の拳で攻撃を仕掛けようとしていた。
近接攻撃なら負けないよ!
「といや!」
私は下から回転切蹴りをお見舞いし、奴らを空中に飛ばした。
それと同時に両手を地面につけ脚を伸ばし、コマのように回った。
奴らは私の足に巻き込まれ……ミキサーのようになった。
奴らは遠心力で四方八方に吹っ飛ばされ……壁や地面に叩きつけられると同時に魔石に変貌した。
『うおおおおおお! かっけええええええ!! ¥5000』
『美羽さんかっこいいいいい!! ¥222』
『最高! ₩500000』
『Very coooooool!! A$22』
コメント欄が虹を描く……が、悠長にコメ欄を気にしている場合ではない。
純ちゃんの方を見ると、弓矢の奴らに苦戦しているように見えた。
ここは助太刀しなきゃ!




