第91話 「離れないで」
「純……ちゃん?」
純ちゃんは……そのまま踏みつぶされた。
『嘘……』
『純様……?』
『イノジュン……』
そんな……まさか……。
「純ちゃん……? 純ちゃああああああん!!」
我を忘れ、私は叫んだ……岩石に向かって。
純ちゃん……私を庇って……。
「そんな……そんな……」
言葉を失ってしまい、その場に倒れこんだ。
『ちょっと……』
『な、なんて言えば……』
『美羽ちゃんは悪くないよ!』
コメント欄の励ましの声も、今の私には見えない……。
だって……純ちゃんは……私のせいで……。
『……あれ? なんか、ゴーレムの足、変じゃね?』
『なんか動いてね?』
『ま、まさか……』
……え? ゴーレムの足?
ふと私は、ゴーレムの足に注目した……すると。
「ぐぐぐぐ……うおおおおおおおおお!!」
地面と足の間から……赤い人影が見えた。
あ、あれは……。
「美羽……さん……」
「じゅ、純ちゃん!?」
「僕は……負けません……こんなところで……潰されてたまるかああああああああああ!!」
純ちゃんは渾身の力を込めて……ゴーレムの足を持ち上げた!?
そのままゴーレムは背中から倒れた。
「今です! 美羽さん! 奴の頭の目掛けて攻撃を!」
「う、うん!」
私は再び女幹部に変身し、それと同時に高く飛び上がった。
純ちゃんも考えは同じで、私と同時にジャンプした。
「おりゃあああああああああ!!」
「でやああああああああ!!」
私たちは足を奴の頭に目掛けて突き出し、そのまま飛び蹴りをお見舞いした。
すると奴は呻き声を上げ……全身が魔石に変貌した。
……勝った? 私たち……勝ったの?
「……美羽さん!」
「……純ちゃん!!」
私たちは歓喜のあまり、お互いに抱き合った。
「やったああ!! やったね! 純ちゃん!!」
「はい!! 一時はどうなるかと思いましたが……」
「ほんとだよもぉ……純ちゃん……死んじゃったのかと思ったぁ……」
「す、すみません……」
私は……嬉しいのか、悲しいのか……色んな感情が混ざり合い、涙を流してしまった。
「純ちゃん……もう私のそばから離れないで……」
「……はい、すみません、心配かけて……」
「もぉ……」
私は純ちゃんの体に頭を擦りつけ……配信であることすらも忘れ、大きく泣いた。
『ほんとに心配したよ純様……』
『美羽ちゃん……やばい、貰い泣きしそう……』
『尊い……¥222』
『イノジュン、あそこで死なないって信じてたよ! ¥5000』




