第84話 新たなバイク
「あの……ここからどこに?」
「と、ととととと、とりあえずついて来てください!」
新衣装と腕輪を渡した後、下山さんが「まだ渡したいものがある」と言ってきた。
何を貰えるんだろう? と思ったら、違う場所にあるというので、私たちは下山さんの後をついていくことになった。
しかし案内された場所は……地下の駐車場だった。
ここに何があるというのだろう? そう思ってついていくと……シャッターの前で立ち止まった。
「ちょ、ちょって待ってくださいね……確か鍵は……」
下山さんは持っていた鍵の束から、シャッターの鍵を探し始めた。
一個ずつ鍵穴に嵌め、差し込むを繰り返し……しばらくして、束の中から合うカギを見つけたようだった。
シャッターが開くと……そこにあったのは……。
「こ、こちらです!」
「おぉ……これは……」
……大型バイク、それも銀色に輝くものすごくカッコいいバイクだ。
なんだろう、生で観たことないけど洋画に出てくるバイカー集団が乗っていそうな感じのバイクだ。
とは言っても、どことなく近未来感も垣間見れる……
「こ、このバイク……差し上げます!」
「い、いいんですか!?」
「は、はい!」
「わぁー……」
純ちゃんは目を輝かせ、バイクを触り始めた……なんか、凄い嬉しそう。
「か、かっこいいですよね? こ、これんコンセプトは、バイクでやってくるヒーロー! みたいな感じです……ば、バイクの色は赤か銀かで迷って……赤一色じゃ映えないと思ったので銀色にしました! い、色々機能があるんですけど、まず、タイヤが光ります!」
「へ、へぇ……」
それはあんまり意味のない機能だと思うんだけど……。
「あ、あと、通信システムとか……ボタンを押すとヘルメットがすぐ出たりとか……か、語りたいことが多くてまとまらない……あわわわわわわわ……」
下山さんは口元を抑えながら、笑顔で動揺していた。
これ作るのも相当楽しかったんだろうな……
「ほ、本当に良いんですか? これをタダでなんて……」
「い、いいんですよ! じょ、状況が状況ですし……それに……」
「……それに?」
……下山さんは理由を語ろうとしたその時、急に下を向いた。
ど、どうしたんだろう? なんか……恥ずかしがってる?
「……ンなんです」
「……え? なんて言いました?」
ボソボソと喋る下山さんに向かって……純ちゃんは近づいて聞き取ろうとしていた。
それを見た下山さんは……ゆでだこの様になっている顔を上げて、叫んだ。
「わ、私!!! い、井上純さんの!! ファンなんですぅぅぅぅ!!!!」
「え、ええ!?」




