第63話 偶然か否か
「す、すすすすすす、すみません、私ったら大声を……あわわわわわわ……」
「あの、落ち着いて、コーヒーでも飲んでください」
「す、すみません……」
下山さんはコーヒーを一口飲み、ひとまず落ち着きを取り戻した。
「それで……何か確証のあることでもあるんですか?」
「は、はい! こ、ここここここ、これなんですけど……」
下山さんは、また違う資料を出してきた。
そこに書かれていたものは……。
「これは……バーチャルチェンジャー?」
「は、はい! ば、バーチャルチェンジャーは元々、このゲームと同時発売する予定だったんです! し、しかも本来は5年ほど前にリリースする予定だったのに……急遽計画が変わって……販売中止になったんです」
「……5年ほど前?」
っていうことは、ダンジョンがちょうど出てきた時……。
「わ、私がこれに気付いたのは、ちょうどこのバーチャルチェンジャーの開発メンバーに加わった時です……何か参考になるものが無いかなと思って……そ、そそそそそそ、そしたら、この資料を見つけて……へ、変だと思いませんか? このゲームは、あとちょっとで完成だったのに、急遽販売中止、そしてダンジョンが出てきて……」
……確かに、おかしな話だ。
販売中止して、それから間もなくダンジョン出現……センテンドーはその後、ダンジョン関連グッズで大きく利益を伸ばしていった……。
偶然にしては、少し出来過ぎている。
「や、やっぱり私の言ってること、変ですよね! す、すみません!!」
「い、いえ! 変じゃないですよ、確かにこれは……何か関係があるかもしれないですね……」
……私たちはその後、お互いに考え出した。
うーん……資料を読み返しても、推測の域を出ないなぁ……。
そうだなぁ……何かほかに情報がないと……あっ!
「純ちゃん……」
そ、そうだ! 純ちゃん! 純ちゃんにも協力を求めよう!
……ここ数日連絡取ってなかったけど、やってみるか!
「い、井上純さん……ですか?」
「はい、私たちだけで考えても埒が明かないですし……呼んでもいいですか?」
「そ、それなんですけど……実は、ここ数日、彼女と連絡が付かないんです……」
……え?




