第54話 受信
「とにかく僕は殴ってみます! 美羽さんは隙を見て攻撃してください!」
「えぇ!? だ、大丈夫なの純ちゃん……ってちょっと!」
「でやあああああああ!!」
純ちゃんは未知の敵に対して、蹴りをお見舞いした。
すると、奴の足にひびが入り、奴は大きく叫び声を上げた。
こ、攻撃が効いている?
「意外に体は脆いみたいですね……でも……これ……」
純ちゃんは脚を抑え、その場に座り込んだ。
相当体力使うみたいだね……って。
「純ちゃん! 危ない!」
突然、奴は脚を上げ、純ちゃんを踏みつぶそうとしていた。
咄嗟に私は走り出し、純ちゃんを抱えて遠くの方に逃げた。
奴の足は地面に接触し、地ならしが私たちの方まで響き渡った。
「こ、ここはひとまず物陰に入ろう!」
私は純ちゃんを抱えながら、岩肌の中へと隠れた。
「……純ちゃん、大丈夫?」
「はぁ……はぁ……なんとか」
純ちゃんの足は、見るからに青く腫れ上がっていた。
どうしよう……先ほどの純ちゃんの攻撃は奴に相当なダメージを与えたかのように見えるが、これ以上純ちゃんに無理をさせられない。
どうしよう……。
『ピピピ……ピピピ……』
……ん? なんか、携帯に着信音が……。
私はバーチャルチェンジャーから携帯を外し、画面を見た。
すると……。
「なんだこれ?」
そこには、観たことのない表示がされていた。
『新衣装を受信しました、着せ替えますか?』
し、新衣装? 新衣装ってつまり、アバターの見た目が変わるってことだよね?
ていうか今!? ど、どうしよう……。
「はぁ……はぁ……」
今、純ちゃんが致命傷を負っていて、動けるのは私だけ……ここは、やるしかない!
「視聴者の皆さん……唐突ですが、新衣装お披露目です!」
『新衣装!?』
『なんで今!?』
『今お披露目って大丈夫なの!?』
「心配する声が多いですが、状況が状況なので、今やっちゃいます! それ!」
私は思い切って、衣装の項目を操作した。
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デフォルトアバター 選択中
真夏の花火職人
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ま、真夏の花火職人? 今そういう時期じゃないと思うが……まぁいいや! やっちゃえ!
私は新衣装の項目にタップした。
すると……。
「おおおおお!?」




