第48話 東京スカイタワー
「はぁ……はぁ……死ぬかと思った……」
地上の鉄道は止まっていたが、地下鉄はギリギリ動いていた。
地上の鉄道が運休した影響で、人々が殺到してしまいかなり時間が掛かってしまったが、何とか到着した。
じゅ、純ちゃんどこにいるかな?
『純ちゃん! 今D4出口にいるけどどこ?』
『D4出口ですね! 待っててください!』
待っててください? ま、まさか?
「美羽さぁぁぁぁぁぁぁん!」
「じゅ、純ちゃん!」
声のする方向に振り替えると、車道からバイクに乗った純ちゃんが見えた。
車道は渋滞で車の動きがゆっくりだったが、純ちゃんはそれを横切るようにこちらに来た。
「美羽さんこれ! 早く行きましょう!」
「うん!」
純ちゃんからヘルメットを受け取り、純ちゃんの後ろに座ると、フルスロットルでバイクが動き出した。
「ちょ、ちょっと純ちゃん!?」
「すみません! でも緊急事態なんで!」
「そ、それはわかるけど、安全運転で行ってよおおおおお!!」
私の叫びをよそに、純ちゃんは猛スピードでバイクを動かした。
☆
「着きました! ここです!」
「はぁ……はぁ……着いたの? って……」
純ちゃんが指を差した先……そこは、日本一高い鉄塔と呼ばれる、『東京スカイタワー』の真横だった。
スカイタワーの半分くらいはあるダンジョンが我が物顔で聳え立っていたのだ。
「こ、こんなダンジョン、前は無かったよね!?」
「はい、つい数時間前、ここに突然できたみたいです」
「数時間前……」
私が配信している間に、そんなことが……。
「とにかく、行きましょう! 僕はもう準備OKです!」
そう言うと純ちゃんは上着を脱ぎ棄て、配信で身に纏っているであろう鎧を露わにした。
よ、よし、ここまで来たからには、私もやらないとね!
ゲリラ配信で困惑させちゃうかもしれないけど、事態が事態だから大丈夫なはず!
私はバーチャルチェンジャーを嵌め、携帯に向かって『ライブオン』と叫んだ。
『オーソライズ、百地美羽、ログイン』
よーし、行くぞ!
私は腕輪に携帯を嵌めた。
『百地美羽、ライブ、スタート』




