第44話 涙目と終了
「はぁ……はぁ……怖かった……もうやだ……」
なんとか純ちゃんと合流し、私たちは病院の外に出ることができた。
絶叫マシンとはまた違う叫び声を上げた私は、声が絶え絶えで、涙も止まらなかった。
「あはは、お疲れさまでした美羽さん」
「もう……純ちゃん……置いてかないでよ……」
「美羽さんが1人で走ったんじゃないですか」
「そうだけど……もうどこにも行かないで……」
「大丈夫ですよ、僕はここにいますよ」
「純ちゃぁぁぁぁぁん!!」
私は純ちゃんに抱き着き、純ちゃんの服を涙で濡らしてしまった。
「さ、そろそろいい時間ですし、配信切りましょう?」
「うん……と、いうわけで、センテンドーランドの配信、いかがでしたか? きょ、興味のある人は概要欄の購入ページをご覧くださぁい……それでは、百地美羽と……」
「井上純でしたー! みなさん、まったねー!」
「こ、これにて後免……」
私は純ちゃんに抱き着きながら、涙目で〆の挨拶を行った。
『これにて後免! 美羽ちゃんゆっくり休んでね! ¥2222』
『純様の意外な一面見れて楽しかった! ¥10000』
『美羽ちゃん最後の最後で涙目で笑う』
『最後の絶叫で美羽ちゃんの全盛期を思い出した、良かったよ! ¥22222』
涙目になった私が相当ウケたのか、コメント欄が虹を描いた。
と、とりあえず……配信終わらせるか……。
「……ロ、ログアウト」
『百地美羽、ログアウト、ライブオフ』
☆
「あーもう! 本当に怖かった!!」
「お疲れさまでした」
配信を終えた私たちは、出口へ向かって歩き出していた。
「けど……純ちゃんの意外な一面が見れて面白かったかも!」
「あ、アレは忘れてください!」
「忘れようにも、もう配信に残っちゃってるよ」
「あ……」
「ふふふ……」
純ちゃんはまた顔を真っ赤にし、下を向いた。
かわいいなぁ、純ちゃん……かっこいい純ちゃんも好きだけど、こういうかわいい純ちゃんも、ギャップがあっていいかもね。
「あの、美羽さん」
「なに? 純ちゃん」
「その……今日はありがとうございました」
「何? 突然……」
急に何を言い出したかと思えば、今日の配信のお礼?




